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「時刻表アプリ」のおすすめは? “地域密着”から“詳しい時刻表”まで紹介!【2022年3月版】

» 2022年03月06日 18時30分 公開
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 3月12日、JRグループが一斉に鉄道路線のダイヤ(運行時刻)を改訂します。これに合わせて、多くの地下鉄や私鉄でも同日にダイヤの改訂が行われます。

 改訂されたダイヤを調べる上で、あると便利なのがスマートフォンの「時刻表アプリ」です。この記事では、時刻表アプリの使い方を解説しつつ、おすすめのアプリを紹介します。

いろいろなアプリ いろいろな時刻表アプリがあるんです

「時刻表アプリ」ってどんなアプリ?

 「時刻表アプリ」と聞くと、一部の人は冊子形式の「時刻表」をそのままアプリ化したのかと思うかもしれません。もちろん、本格的な時刻表をアプリ化ものもありますが(詳しくは後述します)、その多くは「乗り換え案内」機能、つまり出発駅と到着駅(場合によっては経由駅)を入力することで経路、時刻と運賃を提示することに注力しています。

 時刻表アプリは無料で使えるものが多いですが、高度な機能を持つものは有料で提供されることが多いです。例えば、以下のような機能を有料で提供しているアプリがあります。

  • 串刺し検索(鉄道以外の交通手段を含めた経路を提示)
  • 迂回(うかい)ルート検索(運転見合わせが生じた場合に、代替経路を自動検索)
  • “ドアトゥードア”検索(出発地と目的地の“住所”から最適な公共交通を検索)
  • “列車名”を絞った検索(特定の特急/急行/快速列車を利用したい場合に便利)
  • プリントアウト機能(時刻表や検索結果を手持ちのプリンターに直接出力できる)

地域密着なら鉄道会社の「公式アプリ」

 都市部が中心となりますが、地元の鉄道駅の時刻チェックに特化するなら鉄道会社が配信している「公式アプリ」がおすすめです。公式アプリならではの機能として、公式データに基づく「在線情報(走行位置の確認)」や「混雑情報」を確認できることがメリットです(※1)。

(※1)鉄道会社によっては対応していなかったり、一部の路線に限定してサービスを提供したりすることがあります

 複数の鉄道会社を乗り継いで(直通運転を含む)通勤/通学している場合、原則として会社の分だけアプリが必要ですが、首都圏と関西圏のJR/大手私鉄が配信するアプリはアプリの相互連携機能を実装していることが多いので、そこまで不便はしないと思われます。会社によっては、別途アプリをインストールしなくても他社の経路案内や運行情報も確認できるように便宜を図っているケースもあります。

JR東日本アプリ 地域に密着した情報を得たい場合は、鉄道会社の公式アプリが便利です。自社が持つデータに基づく在線情報や混雑情報を得られることが大きなメリットです(画像は「JR東日本アプリ」)

いろいろな路線や交通機関を使う場合は「乗り換え案内アプリ」

 出張や旅行などで全国のさまざまな鉄道路線を使う場合、あるいはバス、タクシーや航空機など複数の交通機関を串刺しして検索したい場合は、乗り換え案内アプリを使うと便利です。多くのサービスは単純な検索は無料、串刺し検索など追加機能を使う場合は有料という形態で提供されることが多いです。

 ここでは「基本無料、追加サービスは有料」というタイプの主要なアプリを紹介します。

乗換案内(ジョルダン)

 「乗換案内」は、ジョルダンが提供する乗り換え案内サービスです。ジョルダンの乗換案内シリーズは、1994年にパソコン向けに提供された乗り換え案内アプリの草分け的存在です。

 鉄道/路線バスの乗り換え検索、1本後/1本前検索、運行情報(鉄道/航空機/フェリー)、ジョルダンライブ!(ユーザー投稿による運行情報)、時刻表の確認などは無料です。有料の「Plusモード」(※2)を利用すると、以下の利用できるようになります。

  • 青春18きっぷモード(青春18きっぷ“のみ”でも利用できる経路の検索)
  • ジパングモード(ジパング倶楽部の割引を考慮した運賃計算、割引対象外となる「のぞみ号」「みずほ号」を除外した経路検索)
  • 定期券検索
  • 運行情報のプッシュ通知
  • 迂回(うかい)経路(運転見合わせ中に検索すると迂回経路を自動的に提案)
  • My時刻表(よく見る時刻表を登録してすぐに表示可能)
  • お気に入り機能(お気に入りの駅や経路をすぐに検索できる機能)
  • バス接近情報(一部の路線バスにおいて接近情報を確認できる機能)
  • 改札別乗車位置(一部の路線/区間において、利用する改札口に応じて乗車すべき車両を案内)
  • ドア開閉情報(一部の路線/区間におけるドアの開き方を確認可能)
  • 同一区間を走る別の鉄道路線/路線バス系統の時刻表の確認

(※2)Android版は月額制(月額360円:初回31日間無料)またはチケット制(840円/90日、2800円/365日)から選べます。NTTドコモの「スゴ得コンテンツ」、auの「auスマートパス」、ソフトバンクの「SoftBank App Pass」の契約者は、Android版のPlusモードの一部、または全部のサービスを利用可能です。iPhone/iPad版は月額制(月額360円)またはチケット制(860円/90日、2820円/365日)から選べます

乗換案内 「乗換案内」はデジタル乗り換え案内の草分け的存在です(出典:ジョルダン

駅探★乗換案内(駅探)

 「駅探★乗換案内」は、駅探が提供する乗り換え案内アプリです。元々、駅探は1997年に東芝の新規事業「駅前探検倶楽部」としてサービスを開始しました。その後、2003年に東芝からスピンオフ(分社)されて現在に至ります。

 鉄道/路線バスの乗り換え検索、時刻表の確認や運行情報は無料です。有料のプレミアム会員(※3)に登録すると、以下の機能を追加で利用できます。

  • おまかせアドバイス(検索結果に基づいて、運賃や経路に関するアドバイスを行う機能)
  • マイデータ(よく使う駅/バス停やルートを保存する機能)
  • 定期券登録(定期券の区間と経路を登録しておくと、それを考慮した運賃計算を実施)
  • 列車時刻表(紙の時刻表と同じ様式で列車時刻を確認できる)
  • 一列車時刻表(1つの列車の時刻や到着番線を始発駅から終点まで一覧できる)
  • 運行経路表示(路線バスのバス停の通過予定時間を確認できる)
  • 路線バスの乗り方案内(「前払いなのか後払いなのか」など、検索したバスの乗り方を確認できる:Android版のみ)
  • 広告非表示

(※3)Android版は月額200円(初回31日間無料)。iPhone/iPad版は月額制(月額400円)または期間チケット制(120円/10日、610円/90日、1220円/180日、2200円/365日:自動更新なし)から選択可能。なお、携帯電話向けの「駅探」(月額330円)を契約している人もアプリでプレミアム会員向けの機能を利用できます(Android端末とiPhone/iPadの両方を使っている人はこちらがおすすめです)

駅探 駅探★乗換案内は、モバイル向け乗り換え案内として草分けの駅探が提供しています(出典:Google Play

NAVITIME(ナビタイムジャパン)

 「NAVITIME」は、ナビタイムジャパンが提供する乗り換え案内サービスです。2003年にau携帯電話向けの「EZナビウォーク」として採用されたことで有名になりましたが、現在はキャリアフリーのスマホアプリが主体となっています。

  鉄道/路線バスの乗り換え検索、時刻表の確認や地図/施設検索は無料で利用できます。有料の「プレミアムコース」(※4)を契約すると、以下のサービスも追加で利用できます。

  • トータルナビ(指定した住所から指定した住所まで、複数の交通モードを串刺しして経路検索する機能)
  • 音声案内
  • 運行情報の確認機能
  • 迂回ルートの自動検索(運行障害発生時)

(※4)AndroidアプリまたはiPhone/iOSアプリから登録した場合は月額400円または年額3500円(iOSアプリの場合は自動更新なしの「365日チケット」とすることも可能)。Webサイト(パソコン版)からクレジットカード払いを選択した場合は月額330円(初回1カ月間は無料)

NAVITIME NAVITIMEは「ドアトゥードア」の案内に強みがあります(出典:ナビタイムジャパン)

本格的な「時刻表」をチェックできるアプリも

 鉄道ファン、あるいは鉄道の時刻をより広範囲に調べたい場合は冊子として発行されている鉄道時刻表の「デジタル版」がおすすめです。

 単に冊子をデジタル化しただけでなく、先に紹介したアプリにもある乗り換え案内機能を備えている他、路線図(地図)から路線検索をする機能や、列車単位で時刻を一覧する機能も用意しています。

デジタルJR時刻表Lite(交通新聞社)

 「デジタルJR時刻表Lite」は、交通新聞社の発行する「JR時刻表」「MY LINE 東京時刻表」の2冊をスマホアプリにしたものです。交通新聞社はJRグループ各社が出資している新聞社で、交通分野に特化した「交通新聞」の他、JRグループの「みどりの窓口」に必ず置かれている「JR時刻表を発行しています。このアプリは「デジタル版のJR時刻表が欲しい」というリクエストに応えてリリースされたものだそうです。

 乗り換え案内による時刻検索はもちろんですが、路線図や路線一覧から列車の時刻や経路を検索することも可能です。青春18きっぷに特化した経路検索や、運行情報の確認機能も付いています。

 鉄道ファンにうれしいポイントとしては、「列車番号」を使った列車検索機能(JR線のみ)を利用できる他、JR営業案内(JRグループにおけるきっぷのルールや特急列車の編成一覧)の一部を確認できることが挙げられます。趣味で鉄道に乗る人にはかなりありがたい時刻表アプリです。

 先に紹介したアプリとは異なり、このアプリは有料の「チケット制」となります(チケットを購入しないとほとんどの機能が利用できません)。チケットは1週間120円または30日間360円(継続購入)の2種類が用意されており、Google PlayまたはApp Storeのアプリ内課金で購入できます(初回のインストール時に限り14日間無料で試用可能です)。

時刻表 デジタルJR時刻表Liteは、スマホに特化した時刻表アプリです(出典:交通新聞社)

デジタルJR時刻表 Pro(交通新聞社)

 「デジタルJR時刻表 Pro」は、先に紹介したデジタルJR時刻表 Liteの上位版で、Proの名前の通り、幾つかの追加機能を有しています。主な追加機能は以下の通りです。

  • 時刻表のオフライン閲覧機能(Lite版は常に通信が必要)
  • JRバスと私鉄線の時刻表の完全収録
  • 国内の航空路線の時刻表
  • JR主要駅の構内図
  • JRの営業案内の完全版(Lite版で省略された案内も収録)
  • 列車名による時刻表の絞り込み表示
  • 時刻表のプリントアウト機能(※5)
  • 多言語対応(日本語、英語、繁体中国語、簡体中国語、韓国語)(※6)

(※5)Wi-Fi(無線LAN)を介してプリントアウトします。プリンターの機種によっては追加のデバイスドライバー(アプリ)が必要となる場合があります
(※6)チケットを購入する際に「多言語版」を選択してください(後述)

 Lite版と同様に、こちらもアプリは有料の「チケット制」となります(チケットを購入しないとほとんどの機能が利用できません)。チケットのラインアップは以下の通りです。

  • 通常版(日本語のみ)
    • 980円/30日
    • 5500円/180日
    • 1万円/365日
  • 多言語版(5言語の表示/印刷に対応)
    • 1600円/100日
    • 1万6000円/365日

 チケットはGoogle PlayまたはApp Storeのアプリ内課金で購入できます(初回のインストール時に限り14日間無料で試用可能です)。ただし、Pro版にはタブレット専用ということになっており、iPhoneと一部を除くAndroidスマホに対応していないことに注意してください。

Pro版 より完璧な機能と多言語表示を望む場合はPro版がおすすめですが、ほとんどのスマホに対応していません(出典:交通新聞社)

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