身の回りの電子的な記録媒体は、ビデオテープからDVDへ、レコードからCDへと、ここ数十年の間にめざましい進歩を遂げています。そのためか、各世代間にさまざまなジェネレーションギャップがありますよね。例えば「フロッピーって何?」「"保存アイコン"がどうしてこの形なのかわからない」などなど……
今回は、10代、20代の方はあまり見覚えがないかもしれない、また一定の世代以上の方は懐かしいと感じるかもしれない「記録媒体」を集めてみました。
1970年代から1980年代にかけて普及し、1990年代後半まで使われていた、コンピューター向けの記録媒体。パソコンやゲーム機のほか、さまざまな電子機器で使われていました。「保存アイコン」の正体でもあります。「フロッピー」と略して呼ばれることが多いです。
フロッピーディスクの中にも大きさによって「8インチ」「5.25インチ」「3.5インチ」などがあり、容量によって「2DD」「2HD」と種類があります。普段見かけることは少なくなりましたが、一部ではまだ現役で活躍しているようです。
MOディスク(光磁気ディスク)は、主にパソコンで使用された繰り返し書き換え可能な記録媒体で、傷やほこり、磁気に強いという特徴があります。
使用方法はフロッピーディスクと似ていますが、フロッピーディスクが磁気を使って記録するのに対し、MOディスクは磁気とレーザー技術を使って記録します。容量は128MB〜640MBのものから、1GBを超える大容量のものまであります。サイズには5.25インチと3.5インチがありますが、主流は3.5インチです。
カセットテープはCDやMDの登場以前、音声の鑑賞・録音用媒体として人気でした。さまざまな規格がありますが、家庭向けで最も普及したのがフィリップスが開発した「コンパクトカセット」。一般人でも録音やダビングをしやすい手軽さ、汚れにくく壊れにくいタフさ、続きからの再生が簡単にできる点が魅力なのではないでしょうか。
表面と裏面の両面使用可能で、A面(表面)に収録されている音源を最後まで聞いたら、カセットテープをひっくり返してB面(裏面)を聞く、という使い方もできました。
そのレトロさが人気なのか、近年では一部のミュージシャンがカセットテープでも新曲を販売するなど、再注目されつつある記録媒体です。
ミニディスク(MD/エムディー)は1990年代にソニーが開発した記録媒体。カセットテープと同じく、音楽などの音声データの再生用、あるいは録音用としての利用が一般的です。
ケースに入った構造になっているため傷やほこりに強く、またCDやカセットよりもコンパクトであるのにもかかわらず、比較的長時間の録音が可能な点が長所です。2000年代後半以降は徐々に主流ではなくなっていきましたが、ブランクディスクは現在も生産・販売されています。
いまだに自宅にVHSの山が……という方も多いのではないでしょうか。VHSは日本ビクター(現在のJVCケンウッド)が開発した記録媒体。1970年代に登場し、家庭用のビデオカセットテープとして普及しました。
状況に応じて上書きしたり、3倍録画モードを使用したりと、テレビ番組の録画にも便利でしたね。一方、保管環境に気を付けないと、テープにカビが生えてしまうこともありました。
VHSはソニーの「ベータマックス」規格との激しい競争、いわゆる「ビデオ戦争」に勝利しましたが、現在ではDVD/BDなどに取って代わられました。残念ながらVHSデッキの生産は終了してしまいましたが、ビデオカセットテープは引き続き販売されています。
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