社会人になり年月が経つとフォーマルなシーンが増え、婚活・デートや冠婚葬祭などで「腕時計が場違いで、恥ずかしい思いをした」といった経験をお持ちの方もおられるでしょう。
今回はそんな男性の方に向けて「ドレスウォッチ」の選び方と、おすすめのモデルをご紹介します。
物欲系ブロガー。理系出身で首都圏在住。「物欲紳士ブログ」にて、ミドル世代メンズの視点から「長く使える愛用品との出会い」をテーマに記事を執筆中。趣味は「良いモノ」集め、カメラと写真、クルマとドライブ、旅行、革細工などのモノ作り。
ドレスウォッチとは、ビジネスでの装いはもちろん、礼装などのフォーマルな着こなしにも対応できる腕時計です。
ドレスシャツのカフスとの干渉が起きづらい、薄型のケースが基本。インデックス(時指標)はシンプルなバーインデックスが最もフォーマルですが、エレガントなローマ数字や、モダンなアラビア数字のインデックスにも趣きがあります。時分秒針は、夜光が付かないタイプが基本。バンドは金属ブレスレットではなく、革ベルトの方が正装向きです。
上記のような特徴を持つドレスウォッチには、主に2点の「利点」があります。まず1点めは、「冠婚葬祭や、ビジネスにおける改まった場面」といった状況にふさわしい「格式」を表現できること。2点めは、スーツやジャケットなどの「綺麗めなスタイル」に適した「おしゃれ感」の演出です。
実際の愛用品選びでは、上記のどちらをより重視するかにより、選ぶべき製品は変わってきます。TPOへの対応を重視するなら、奇をてらわない「安定のデザイン」の1本を選びたいところ。一方、「おしゃれさの演出」を目指すなら、より「くだけたニュアンス」のあるモデルを選ぶのも良いでしょう。
以下では、実売価格10万円前後までのドレスウォッチのうち、おすすめの5本をセレクト。その魅力をご紹介します。
イタリア語で「少年」を意味する「バンビーノ」は、クラシカルなスタイルと良好なコスパで、世界的にヒットしているシリーズです。元々はオリエントがグローバル市場向けに販売していたシリーズでしたが、近年は国内向けにも正式展開されています。
「RN-AK0701S」は、そんな同シリーズのニューモデル。周辺部がなだらかに盛り下がった「ボンベ式」と呼ばれる文字盤に、盛り上がりのある「ボックス型」の風防(文字盤前面のガラス体)。インデックスの一部にはローマ数字が配され、時分秒針はクラシカルな青針。ヴィンテージウォッチさながらの雰囲気が見どころの1本です。
3時位置に配されたカレンダーに加え、2カ所のインダイヤル(小窓)からは、曜日と24時間制の時間を読み取り可能。インダイアルの独特な配置は、本機の外観上のアクセントにもなっています。ケース径は40.5mm、ケースはステンレス製、バンドの素材はカーフです。
機構部には、オリエントが得意とする機械式(自動巻)のムーブメントを搭載。本機は白文字盤と黒の革ベルトで引き締まった印象ですが、別型番のアイボリー文字盤に茶色の革ベルトが組み合わされたモデルも、柔らかい印象でおしゃれです。
「国産ブランドらしさ」に魅力を感じる方には、「日本の美意識」をテーマとしたセイコーの「プレザージュ」から、「SARX049」をご紹介します。
本機の外観でまず目を引くのは、艶やかな純白の文字盤。文字盤の素材に琺瑯(ほうろう)を採用した点が、本機の第一の特色です。ローマ数字のインデックスはフォントの形状と配置が絶妙で、視認性とすっきりとした見た目とが両立されています。秒針の根元側に配された三日月型の意匠も、外観上のアクセントです。各部のディテールはクラシカルですが、現代的なバランス感も同居した「凛とした存在感」のあるデザインだと言えるでしょう。
機構部には機械式(自動巻)のムーブメントを搭載。機械式ならではの鼓動感が感じられるロービート(低振動数)のタイプで、優れたコスパや巻き上げ時間の長さから、評価の高いムーブメントです。ケース径は40.5mm、ケースはステンレス製、風防はサファイアガラス製。10気圧防水で、裏ぶたはシースルーバック仕様です。
スタンダードなラウンド型ケースの本機ですが、トノー型(樽型)ケースのモデル(別型番)も、よりドレッシーな表情でおすすめです。
シンプルかつシックな1本をお探しの方には、シチズンの「NB1060-04A」をおすすめします。
本機は、腕元への収まりが良いケース径38mmのサイズ感に、高品位なデザインをまとった1本。「日本の伝統」を感じさせる「漆塗り」と「銀箔」とを組み合わせた、奥行きを感じる文字盤。細部のデザインは奇をてらった部分がなく、シンプルそのもの。日常使いはもちろん、スーツや正装と合わせても「ビシッと決まった腕元」を演出してくれるはずです。
風防には無反射コーティングを施した球面サファイアガラス、ケースには硬化処理を行いつつ、表面に貴金属のプラチナをコーティングしたシチズンの独自技術「デュラテクトプラチナ」を採用。10気圧防水で、革ベルトの素材はコードバンです。ムーブメントは機械式(自動巻)、裏ぶたはシースルーバック仕様です。
正装だけでなく「おしゃれな服装にも合う1本が欲しい」という方には、スイスの名門・ティソのヘリテージモデルをご紹介します。
本機は1919年発売のヴィンテージモデルを、約100年の時を経てよみがえらせた1本。当時流行した様式を思わせる、トノー型の外形となだらかな曲面で構成されたケース。ラグ(ケースのベルト取り付け部)は別体式のワイヤーラグで、秒針を持たない2針式。100年前の腕時計の様式や、エレガントな世界観が再現されています。旧書体のブランドロゴやアラビア数字のインデックスはクラシカルな雰囲気ですが、現代にも通じるセンスが感じられます。
正装にも対応できるエレガントさに加え、「現代的な軽やかさ」が魅力の1本です。ケース幅は約31mm。ムーブメントはスイス製クォーツで、風防はサファイアガラスです。
よりモダンな製品をお探しの方には、ハミルトンの人気シリーズ「ジャズマスター」の定番モデルをピックアップします。
「H32451731」は、ブラックで統一されたシンプルな外観が目を引く1本。時分針はドレッシーな「ドルフィン型」ですが夜光が配され、インデックスは絶妙な傾斜が付けられた涙型の形状。シンプルな力感と、モダンな雰囲気とを併せ持つデザインです。
冠婚葬祭などのオフィシャルな場面はもちろん、デートやお出掛けなどの場面でも「センスの良さ」をアピールできるでしょう。風防はサファイアガラス、強化防水(5気圧)と、実用性も上々。ケース径は約40mm。ケースはステンレス製で、バンド素材はカーフ。ムーブメントはスイス製クォーツです。
最もフォーマルなのが「黒文字盤&黒革ベルト」の本機ですが、シリーズを通してカラーバリエーションも豊富。お好みの1本を選んでください!
今回は「ドレスウォッチ」というテーマで、おすすめのモデルをピックアップしました。一言に「ドレスウォッチ」と言っても、ドレッシーなモデルからエレガントな製品、若々しさに溢れた1本まで、さまざまな選択肢があることにお気付きいただけたかと思います。
どのモデルも、正式な場面から「少しくだけた場」まで、さまざまな場面に対応できます。堅苦しく考えすぎず、気分やフィーリングで選ぶのも面白いかもしれません!
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