皆さんは家計簿をつけていますか? 「無駄を見つけて、節約をしたい」「共働きなので、夫婦で家計管理したい」「△年までに○万円貯金をしたい」など、家計簿をつける目的は人それぞれですが、継続して行うためには、自分に合った使いやすい家計簿を見つけることが大切です。
今回は、便利な「家計簿アプリ」に注目して、選ぶポイントを解説します。また、たくさんある家計簿アプリの中から、おすすめの家計簿アプリを5つピックアップしてそれぞれの特徴を紹介します。
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
家計簿アプリは、入力の手間を省く機能やグラフ化して分析ができる機能など、一度使うと手書きの家計簿には戻れないほど便利な機能がたくさんあります。家計簿アプリの種類も多いので、どれを選んだら良いか迷うと思います。
そこで、家計簿アプリを選ぶポイントをまとめました。他にも便利な機能はたくさんありますが、最低限ここだけは見ておきたい点を挙げています。長く続けていくためにも、自分に合った家計簿アプリを見つけましょう。
便利な機能がたくさんあっても、使いこなせなければ意味がありません。家計簿アプリは、機能の制限はあるもののほとんどが無料なので、一度ダウンロードして試しに使ってみるとよいでしょう。
ここで見るポイントは操作性とデザインです。レシートの読み取り機能があれば、操作はスムーズかチェックしておきましょう。デザインも重要です。毎日使う可能性があるものなので、見やすいもの、気に入った画面デザインのものを選ぶと長く続けられるでしょう。
家計簿アプリには、銀行口座やクレジットカード、電子マネーなどのキャッシュレス決済と連携できるアプリがあります。銀行口座やクレジットカードと連携すれば、口座引落しや日々の買い物が自動で記録され、家計管理が楽になります。複数のクレジットカードを登録すれば、バラバラだったものを一元管理できます。
連携機能は情報漏えいなど、安全性が心配という人もいるでしょう。大手のアプリは、データの暗号化などのセキュリティが強化されているので、安全性で問題になることはありませんが、何事も絶対ということはないので、どうしても気になる人は、連携機能を使わないのも手です。使う場合も信頼できるアプリか確認し、ダウンロードストアで人気があるもの、レビューが良いものを選ぶようにしましょう。
家計簿アプリは無料で使えるものがほとんどですが、無料で使える部分の機能が制限されていて、それ以上の機能を使う場合は有料になるアプリも多くあります。せっかくダウンロードしても使いたい機能が有料だったら利用を考えてしまうでしょう。ダウンロードする前に、無料で使える範囲を確認しておきましょう。
ダウンロードストアの概要で、アプリ内課金の有無や無料の範囲などが確認できます。実際に使った人のレビューは有益です。アプリによっては、課金をすることで、機能が充実して使いやすくなるケースもあるので、無料に固執する必要はありませんが、無料でも多くの機能が使えれば、それに越したことはないでしょう。
家計簿は記録して終わりではありません。収支を把握して問題に気付き、そこから改善していくことで家計簿が意義のあるものになります。そのためにも、毎月の収支をグラフ化して、振り返ることができる機能は必須です。アプリの中には、グラフ化だけでなく、家計状況を分析して問題点を洗い出してくれるものもあります。自分で分析することが苦手な人は、このようなサポート機能があるアプリを使って家計管理をしてみるとよいでしょう。
「夫婦で一緒に家計管理したいなら、共有機能があるアプリ」「家計簿が面倒ですぐにやめてしまうタイプは、簡単に記録できるシンプルなアプリ」「現金をあまり使わずキャッシュレス決済がメインの人は、連携機能が充実しているアプリ」など、目的に合ったアプリを選びましょう。
ここでは、使いやすさや用途を明確にした「おすすめの家計簿アプリ」を紹介します。いずれも無料で使えるアプリです。自分に合ったものを選んでみましょう。
「マネーフォワードME」の注目ポイントは、連携機能が充実している点です。銀行、クレジットカード、証券、電子マネー、ECサイト、携帯キャリア、ポイントなど、多くの金融関連サービスに対応しています。そのため、家計簿の域を超えて、資産管理アプリとして利用できます。他にも、銀行口座の残高不足やクレジットカードの使い過ぎをお知らせする機能などもあり、家計管理がしやすくなります。
携機能が充実しているので、普段キャッシュレスで買い物をしている人におすすめです。ただし、無料で連携できる金融関連サービスが4件までとなっているので、それ以上の連携をしたい人はプレミアム会員(Android版・Web版500円/iOS版480円)になる必要があります。無料でなくても良いので、連携機能をフルに使って一元管理したい人にはおすすめのアプリです。
「Zaim」は、自動連携に対応している連携先が多いだけでなく、無料プランでも連携できる数に上限がありません。そのため、キャッシュレス派は連携して自動で管理できます。また、現金払いがメインの人も、レシート読み取り機能でお店や商品名まで記録してくれるので、手間がかかりません。簡単に家計簿をつけたい人、高性能な家計簿を求めている人、どちらにも対応したアプリといえます。
無料での連携が無制限なので、課金をしたくないけれど、たくさん連携したい人におすすめです。また、簡単な手入力や高性能なレシート読み取り機能があるので、シンプルに家計簿をつけたい人にも適しています。
1つのアプリで、夫婦でシェアするページ、自分専用のページと分けて管理ができるので、家族とプライベート両方のお金の管理ができます。例えば、家賃は夫、食費は妻といったように項目ごとに担当して支出するケース、2人で一定額を出し合って生活費として支出するケースなど、家計ルールに沿った使い方ができます。
夫婦共働きで、生活費を出し合って家計運営をしている、家族とプライベートを分けて管理したいなど、共有機能とプライベート機能の両方が欲しい人におすすめの家計簿アプリです。
「らくな家計簿」は簡単、手軽に入力ができる一方で、入力したデータを基に、分かりやすいグラフにして、さまざまな統計を見ることができます。設定によって細かい機能も使えるので、かゆいところに手が届く家計簿アプリといえます。連携機能やレシート読み取り機能はありませんが、最小のステップで入力ができるので、手入力で家計簿をつけたい人におすすめです。
手書きで家計簿をつけていた人が、スマートフォンでの家計簿つけに移行する場合に適したアプリです。手間をかけたくないけれど、しっかり家計管理がしたい人向きです。
「Moneytree」は自動取得した明細情報を、AIが分析して自動仕訳を行うので、何もせずに家計簿が完成します。また連携機能によって、初回登録だけで口座残高やカードの明細情報が自動的に更新され、収支状況を把握できます。無料版でも広告表示がないのも魅力です。
家計簿として毎月の収支を確認するだけでなく、長期に渡って資産状況を把握して一元管理したい人におすすめです。また有料版ですが、経費の管理をサポートする「Moneytree Work経費精算サービス」を使えば、会計や確定申告にも活用できるので、個人事業主の人にもおすすめです。
家計簿を長く続けるためには、自分に合った家計簿アプリを見つけることです。それで目的の半分は達成できるでしょう。
次に、完璧を求めないことです。細かい金額に固執してストレスになるよりも、ざっくりとした金額でも記録し続けることが大事です。会社の経理を担当しているわけではないので、収支が合わなくても気にする必要はありません。それよりも、自分の支出の傾向を見つけることに注力しましょう。
最後に、習慣化することです。寝る前や移動時間など、家計簿をつける時間を決めておくとよいでしょう。おまけとして、月ごとにご褒美を用意しておくとさらに続けられるでしょう。例えば、「予算内で収まったら、〇×をする」といった感じです。毎月の「ご褒美」を考えるだけで楽しくなりますね。
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