7月1日に改正道路交通法が施行され、最高速度が時速20km以下の「特定小型原付(電動キックボード等)」は、16歳以上であれば免許不要で乗車できるようになりました。超小径ホイールかつ高重心であることから、ニュースやSNSなどで危険性について指摘されています。
そうした不安を独創的な技術で軽減しようとチャレンジしたのが、ストリーモの「S01JT/JG」という立ち乗り三輪電動モビリティです。他の電動キックボードと何が違うのか、簡単に紹介しましょう。
モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。
「ストリーモ」は、本田技研工業の新事業創出プログラム「イグニッション」からスタートし、事業を独立させるカーブアウトという形で創業した若い会社です。代表の森庸太朗氏は、ホンダ在籍当時から自宅ガレージで三輪モビリティの原型を試作しており、さまざまなテストを経て市販化にこぎ着けたということになります。
「ホンダ」「ストリーモ」と聞いて、かつて販売されていた「ストリーム」というミニバンを思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。実はそれよりもはるか昔、1981年に発売された三輪スクーター(当時はスリーターと呼称)に初めて「ストリーム」という名前が使われており、ここから「ストリーモ」と名付けられた可能性がありそうです。
ストリーモが一般的な電動キックボードと大きく異なるのは、フロント一輪、リヤ二輪の三輪車であるということです。また、後輪ではなく前輪駆動である点も非常に珍しいと言えるでしょう。
車体の中央から前方が左右へスイングする構造となっており、コーナリング中はもちろん、進行方向に対して路面が左右どちらかに傾斜していても、三輪全てが常に接地しているので安定性は抜群です。
また、そのスイング部分に独自のバランスアシスト機構が内蔵されているので、足を地面につけなくても停車できるほか、人が歩くような微速域でもフラつかずに走ることができます。加えてリバース(後進)走行もできるなど、前後一輪ずつの一般的な電動キックボードではほぼ不可能な技術を有しているのです。
立ち乗り三輪モビリティのストリーモには、最高速を時速20kmに設定した特定小型原付の「S01JT」と、時速25kmに設定した原付一種の「S01JG(要免許)」があり、法令に基づいて細かく仕様が異なっています。
「S01JG」から「S01JT」へのアップデートも可能ですが、組み替え部品代や工賃、往復の送料などを考慮すると、最初から目的に合ったモデルを選んだ方が賢明でしょう。
今のところストリーモ公式サイトでの抽選販売となっており、7月19日23時59分まで2次抽選を受け付けています。
「S01JT」は価格が30万円(税込)と、電動キックボードとしてはかなり高価ですし、24kgという車重がネックになる人もいるでしょう。しかし、車体を折りたたんでフロント側を持ち上げると、リヤホイールを接地させた状態で軽快に移動させることは可能です。
元ホンダの技術者たちが本気で開発した電動キックボード、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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