「2500〜3000m台の標高が高い山」は、見晴らしが良いスポットが多く、周囲の山々や街並み、雲海などを見渡せるのが魅力です。とはいえ、山に登った経験があまりなかったり、山の名前を知らない場合は、どこに行くべきか迷ってしまいますよね。
そんな時には、人気の山を調べてみるのがおすすめ。山好きがどんな高山に登っているのかを知ることで、山選びの参考になりますよ!
今回は、地図アプリ・YAMAPを手がけるヤマップが発表した「2022年に『登られた山』ランキング」にランクインした山の中から、富士山を除いた「標高が高い山」を5つピックアップ。あわせておすすめのギアも紹介します。山ごとに魅力が異なるので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
フリーランスライター兼アウトドアショップスタッフ。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。勤務するアウトドアショップのお客さまから寄せられるお悩みや自身の山体験を生かし、リアルで深い内容を発信! リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
「立山(たてやま)」は、富山県に位置する日本百名山。雄山(3003m)と大汝山(おおなんじやま・3015m)、富士ノ折立(2999m)の3つの総称を立山と言います。3000mを超えるピークがありつつ、比較的挑戦しやすいのが魅力。
ケーブルカーや高原バスを乗りつぐ立山黒部アルペンルートを利用すれば、標高2450mの室堂平まで標高を稼ぐことができるため、初級〜中級者でも挑戦することができます。
室堂平から石畳の道や階段、岩場を登って室堂山や浄土山を経るとまずたどり着くのが、360度の大パノラマが望める雄山。近くにそびえる剱岳(つるぎだけ)や別山のほか、他の北アルプスの山々や中央アルプス、八ヶ岳、そして遠くには富士山も見ることができます。眼下にはそれまで登ってきた室堂平が見渡せ、秋には赤や黄に色づく草紅葉も見どころの一つです。
室堂の山荘に宿泊するのもおすすめ。おいしいご飯やコーヒー、そして温泉などが楽しめるので、初めての小屋泊に選ぶ人も多くいます。
「乗鞍岳(のりくらだけ)」は、岐阜県と長野県の間に位置する山で、日本百名山の一つでもあります。乗鞍岳も立山と同じく、いくつかの山の総称であり、主峰は標高3026mの「剣ヶ峰(けんがみね)」。
畳平(たたみだいら)と呼ばれる2700m地点まで自動車道路が伸びているため、3000mを超える高山でありながら、初心者でも登りやすいのが魅力。3000m級登山の入門としても人気があります。
畳平から剣ヶ峰まで登る最短コースは、片道1時間半ほど。体力や技術力に自信がなくても挑戦でき、夏はコマクサやハクサンイチゲ、クロユリなど高山植物のお花畑やアルプスの大展望、晴れていれば富士山の眺めを楽しめます。
体力がある人は、周辺に建つ山荘を経て、三本滝のある乗鞍高原の方面に下山するのもおすすめ。いくつものピークがあり、山荘などのチェックポイントも多いため、どこを折り返し地点とするかで自分に合ったレベルの登山が楽しめる山です。
標高2956mの「木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)」は、中央アルプスに位置する日本百名山。1年を通して人気があり、中腹の千畳敷カールまでは駒ヶ岳ロープウェイを使って一気に標高を上げることができるため、登山者や観光客でいつもにぎわっています。
夏は青々とした新緑が、9月からはナナカマドやダケカンバが色づく紅葉が美しいことでも知られ、カールのゴツゴツとした岩肌と美しく穏やかな植物との対比も楽しめます。
千畳敷カールから山頂までは、最短で往復4時間ほど。比較的登りやすく、北アルプスの入門の山としてもおすすめです。一方、序盤に登ることになる八丁坂は急勾配の岩場で、登りごたえ満載。これから登山のレベルを上げたい人にもぜひ挑戦してほしいコースです。
登山に慣れてきたら、山頂へ向かう道中にある険しい宝剣岳(ほうけんだけ)の登頂や、濃ヶ池や馬の背など、王道コース以外の道を使って山頂に向かうのもおすすめ。最短コースよりも行動時間は長くなりますが、美しい池の景色や、高山植物のお花畑を楽しむことができます。
八ヶ岳連峰の一つである「赤岳」は、標高2899mの高山。ピークは北峰と南峰の2つあり、北峰のそばには赤岳頂上山荘が建っています。赤岳からは、まるで水墨画のような美しい富士山の姿が眺められます。
他にも、周辺の南八ヶ岳の山々や南アルプス、奥秩父の山々なども見渡すことができ、標高が高い山ならではの豊かな展望が堪能できるのが人気の理由です。
赤岳への最短ルートは、美濃戸口から赤岳鉱泉を経て山頂に向かうもの。片道4時間、往復約7時間ほどで中級者以上向きではありますが、日帰りが可能です。また、赤岳鉱泉で1泊し、硫黄岳まで足をのばす縦走コースもおすすめ。硫黄岳の爆裂火口は迫力があり、自然のダイナミックさを感じることができます。
八ヶ岳の山荘はご飯がおいしいことでも知られています。山登りを頑張った後のおいしいご飯は格別! 泊まりがけ登山にハマるきっかけにもなりそうです。
北アルプスの一つである「燕岳(つばくろだけ)」は、標高2762mの山。日本百名山ではないものの人気がある山で、週末を中心に多くの登山客でにぎわいます。急な上り坂があり決して楽な山ではないものの、人をひきつける理由の一つは、「これぞ北アルプス!」という絶景にあります。
森林限界である2500m付近を越えると一気に視界が開け、山頂付近の山荘「燕山荘」周辺から山頂までは、360度ぐるりとあたりを見渡せるパノラマが広がります。近くには常念岳や槍ヶ岳、大天井岳がはっきりと見え、その後ろには穂高連峰がそびえる、北アルプスらしい無骨な景色が満喫できるのが魅力。
燕山荘から燕岳山頂までは、白い花崗岩とハイマツが広がる景色が特徴的で、まるで絵画の中を歩いているかのような気持ちになります。また、イルカの頭のような形の「イルカ岩」や2つの空洞がメガネを連想させる「めがね岩」など、珍しい岩も点在しているため、観察しながら歩くのも楽しいですよ!
赤岳の山頂付近のような岩壁の多い地帯では、ヘルメットをかぶって頭部を守るのが安全です。
標高が高い山は硬い岩の上を歩くことが多いため、ソールが硬い登山靴を使うと登りやすいです。
標高が高い場所は天気が変わりやすく、急に雨が降ることもしばしば。防水性の高いゴアテックスの帽子は雨を弾いてくれるのでおすすめです。
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