天候が変わりやすい山では、荷物やウェアの防水対策は重要です。中でも、着替えや食材、カメラやモバイルバッテリーなどを入れた登山リュックの中はなるべくぬらしたくないもの。しかし、効果的な防水方法がよくわからないという悩みも多くあります。
そこで今回は、アウトドアショップでの勤務経験がある筆者が、登山リュックの防水方法をいくつか紹介。それぞれのメリットやデメリットも紹介するので、自分に合った防水方法を見つけてくださいね!
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
「そもそも、雨の予報がないなら防水対策はしなくて良いのでは?」という声があるのも事実。しかし、たとえ天気予報の降水確率が低くても、リュックの防水対策は重要です。
標高が高い山では天候が急変しやすいため、予期せず雨に降られることも。また、しっかりと雨が降らなくても、霧の中を歩いているうちにリュックの中に湿気が入り込んで着替えがしっとりとぬれたり、リュックを地面に置いた際に水分が染み込んでぬれたり……というケースもあります。
そのため、天候に関わらずレインウェアを携帯すべきであるのと同じように、登山に出かけるときにはリュックの防水対策を行うのがよいでしょう。
リュックの防水方法として最も定番なのが、レインカバーを利用すること。リュックをすっぽりと覆うようにナイロンやポリエステル製のカバーをかけ、水気をシャットアウトします。
レインカバーを使うメリットは、着脱が簡単なこと。雨が降ったらリュックからサッと取り出して装着し、雨が上がったらレインカバーをひっぱって取り外せば良いシンプル設計のため、初心者でも簡単に取り扱いができます。
さらに、泥はねや地面にリュックを置いた際の汚れからも守ることができるので、リュックを汚したくない人や、長く愛用したい人にもおすすめです。
しかし、レインカバーをするだけではリュック全体の防水ができているわけではないことを覚えておきましょう。というのも、リュックのショルダーハーネス部分をカバーすることは難しく、そこからリュックの中へ水が侵入する可能性があるためです。
短時間なら問題はありませんが、長時間雨にぬれることが事前にわかっている場合は、次に紹介する防水方法もあわせて行うのがおすすめです。
8色×5サイズ展開のため、自分好みのアイテムを見つけやすいでしょう。雨や霧の中でも見つけてもらいやすい明るい色にすれば、遭難防止にも役立ちます。
着替えや食料、電化製品など、絶対にぬらしたくないものをドライバッグに入れるのもおすすめです。ドライバッグとは、防水性に優れたスタッフバッグ(小分け収納バッグ)のこと。
バッグの縫い目から水が染み込まないようにシームテープが貼られた完全防水タイプも多く、しっかりと雨を防ぐことができます。さまざまな容量のものがラインアップされているため、入れるものの大きさに合わせて選びましょう。
ドライバッグを正しく使えば、ほぼ完全に防水できるのに加え、荷物を小分けすることでリュックの中がぐちゃぐちゃになるのを防げるメリットもあります。
筆者はシュラフやエアマットなどの寝具をオレンジのドライバッグに、着替え類をグレーのドライバッグに、というように仕分け。テント内などの暗がりでも荷物の出し入れが簡単にできるのでおすすめです。(青と緑など、似た色だと暗がりでも見分けにくいことがあるので注意!)
軽量ながら耐久性の高いドライバッグ。縫い目全てにシームテープが施されているので、雨の日でも安心して使えます。
リュックに入れた中身全体を防水する方法として、大型ポリ袋を使うのもおすすめ。月に2〜3回登山に出かける筆者も、毎回この方法で防水対策をしています。
具体的には、ザックの容量に合わせて、同じくらいの容量のポリ袋(ゴミ袋)を用意し、ザックの中に入れてから荷物を詰めるだけ。こうすることで、荷物全体を雨や雪、汚れから守ることができます。
簡単にできるうえ安価に手に入るため、汚れたり破れたりしたら取り替えやすいのもメリット。登山中にわざわざリュックを下ろして、レインカバーをかける必要がないのも魅力です。
この防水方法は、リュック上部に開口部があるタイプで特に効果的です。一方で、リュックの中央にジッパーが施されたフロントオープンタイプのリュックなどでは、余計に取り出しにくくなるため注意しましょう。
クッカーや食品など、登山中に頻繁に取り出すものはドライバッグで別に小分けするなど、工夫が必要です。
筆者が登山のたびに使っている厚手の45Lポリ袋。ある程度ガシガシ使っても破れにくく、安心感があります。丈夫ながら10枚300円以下のコスパも魅力!
スマホ充電用のモバイルバッテリーや化粧品、ティッシュ、お菓子などの小物はチャック付きポリ袋に入れてからサコッシュやザックに入れておきましょう。そのまま入れると、水が染み込んで使いものにならない恐れもあります。
小物をまとめておくことで大きなリュックの中で迷子になりにくく、サッと取り出しやすいメリットがあります。さらにお菓子などを密閉して入れておくことで、食品の匂いにつられてクマが寄ってくることを防げる可能性も。食べ終わった後にはそのままゴミ袋代わりとして使えるのも魅力です。
ただし耐久性の高いポリ袋でも、何度か使うと穴が空いてしまうこともあるため注意が必要です。筆者はそんなときに備えて、リュックの中に未使用のポリ袋を何枚か忍ばせています。小分けしたいものが増えた時や、ぬれたものをしまっておきたい時にも使えて便利ですよ!
もう何枚、登山で使ったかわからないほど使っているジップロックのフリーザーバッグ。耐久性が高く何度か使っても破れにくいため、自然の中でも安心して使えます。
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