バイクの楽しみ方の一つが「ツーリング」ですが、移動距離や時間が長くなるほど、さまざまな予期せぬ問題が発生します。
そこで今回は、そうしたトラブルを未然に防ぎ、ロングツーリングでのストレスを軽減してくれるアイテムを厳選して紹介しましょう。
モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。
初心者に限らず、ライダーが道に迷ったことによる焦りから、転倒したり事故に遭ったりするケースは少なくありません。その昔は燃料タンクの上面に専用のバッグを載せ、そこに紙地図を入れてツーリングをしていましたが、今はスマートフォンのナビアプリを道案内として使うのが主流になっています。
タナックスが間もなく発売する予定の「スマートライドモニター AIO-5 Lite」は、Bluetoothでスマホと接続し、ナビアプリをミラーリングするアイテムです。
Googleマップなどを利用する場合、専用ホルダーを使ってスマホをハンドル周りに直接固定する方法が一般的ですが、バイク特有の振動によるカメラ機能への悪影響をはじめ、猛暑による熱暴走やディスプレイのドット抜けなど、スマホへのダメージは少なくありません。
こうした問題を根本的に解消してくれるのがこのスマートライドモニターで、地図アプリだけでなく、SNSなどの通知を表示させることも可能です。なおアプリについては、アップルカープレイ(Apple CarPlay)やアンドロイドオート(Android Auto)に対応しています。
類似製品は数多くあるのですが、この製品はバイク用として国内で初めて屋外Wi-Fi(W56)の技適マークを申請しているのが特徴です。その他、前後タイプのドライブレコーダーを標準装備していたり、死角検知システムを導入したりするなど、ツーリングをサポートする機能が充実しているのも長所と言えるでしょう。販売予定価格は8万2500円(税込、以下同)です。
スマートライドモニターのような画期的なデバイスが登場したとはいえ、導入コストはそれなりに掛かりますし、そもそもレンタルバイクでツーリングをする人にとっては現実的ではありません。
よって、まだしばらくはスマホ本体をホルダーで装着する方法が主流であり続けるでしょう。そして、ホルダー自体も着実に進化しているのです。
デイトナの「スマートフォンホルダー3+」は、ステー部分に振動を軽減するバイブレーションコントロールデバイスが組み込まれているのが特徴です。内部には医療機器などの輸送に実績のある振動軽減素材が使われており、カメラに影響を与える高周波数帯の振動を最大で85%軽減できるとしています。
スマホホルダーとしてはやや高めですが、ハイエンドなスマホを使っている人は、転ばぬ先の杖として選んでみても損はないでしょう。ショッピングサイトでは8000円前後から販売されています。
スマホをナビ代わりに使用すると電力消費が大きいため、バッテリー残量がみるみる減ってしまいます。給電しながら使う手段としてモバイルバッテリーを用いる方法もありますが、容量によってはこちらもあっという間に使い切ってしまうでしょう。
一般的なのはバイクのアクセサリー電源を使う方法で、近年はUSBソケットを標準装備した車種が増えてきましたが、もし愛車になくても後付けすることが可能です。
デイトナの「バイク専用電源 スレンダーUSB Type-C」は、狭いスペースにUSB Type-Cポートを設置できる画期的な製品です。最大出力は18Wで、USB PD3.0にも対応。にも対応。ショッピングサイトでは3000円台から販売されています。
日本全国の降水日数は年間平均で約120日。つまり3日に一度は雨が降る計算になります。ツーリングの道中にゲリラ豪雨に遭うこともあるでしょう。バイク乗車中に雨に降られると分かるのですが、まるで着衣のままプールに飛び込んだかと思うほど、短時間で雨水が肌まで達します。
真夏なら生地が肌に張り付いて不快に感じる程度ですが、気温が低い時期は体温を急速に奪われ、バイクの操縦に支障をきたす可能性が大です。
そのため、レインスーツはツーリング時の必需品といっても過言ではありません。おすすめはワークマンの「3レイヤー透湿レインスーツBIKERS」です。
黒/緑/青が「BR002」、ネイビーが「BR002A」と品番が異なり、生地の透湿度が少し異なるのですが、価格はどちらも5800円です。他ブランドの同等スペック商品は、1万円以上するものが多いので、かなりお買い得といって良いでしょう。
最後に紹介するのは、リアシートやキャリアに荷物を固定するためのベルトです。
初心者にとって、初めてのツーリングのために専用のバッグを買うのは少々ハードルが高いと思われます。どんなデザインなら自分のバイクに似合うのか、そしてどれぐらいの容量なら足りるのか、おそらく想像がつかないでしょう。
そこで、まずは手持ちのバッグを使ってみるのはいかがでしょうか。旅行用に買ったダッフルバッグなどがあれば、それで十分です。雨に降られることを想定して、衣類などはビニール袋などに入れてしっかりと養生してください。
一般的なバッグをリアシートに載せる際、荷かけロープやバンジーコードといった、ゴムで伸縮する荷ひもを使います。自転車用の細くて長いゴムロープでも固定することができますが、少々コツが必要です。
そこでおすすめしたいのが、ロックストラップというブランドが販売している荷物固定ベルトです。1本のベルトがバックルで分離できるようになっており、片方が天然ゴム、もう片方が化繊ベルトとなっています。
バイクに荷物を軽く固定したあと、ベルトを引くことによってテンションを強められるのが最大のポイントで、なぜこんなベルトがなかったのかと感心しきりです。しかもバックルを分離できるので、車体からベルトを完全に外さなくても荷物を降ろせるというのもポイント。これはベテランライダーにもおすすめできる逸品です。
サイズはいくつかあり、主にバイク用として販売されているものはストラップ長450〜1500mm、ストラップ幅は25mmです。2本セットで3000円台という手頃な価格も魅力でしょう。
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