山の絶景は、登った人だけが見られるご褒美です。山が好きな人には、お気に入りのスポットや何度も見たい景色があるのではないでしょうか。他の人のお気に入りスポットを知ることで、行きたいスポットが増えていくのも楽しいですね。
今回は山好きライターである筆者が、2023年の夏山シーズンに行ったお気に入りの絶景登山スポットを紹介。ぜひ次のシーズンに登る山選びの参考にしてみてくださいね!
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
「雲ノ平(くものだいら)」は、北アルプス・黒部源流に広がる溶岩台地。北アルプスの最奥部に位置しており、どこからも辿り着くのに時間がかかることから、最後の秘境とも言われています。
遠くまで広がる平原や多様な高山植物、ところどころに現れる池塘(ちとう)と呼ばれる池沼などが、穏やかで神秘的な空気を作っています。雲ノ平自体は急な登り坂などが少なく木道がほとんどのため、お散歩気分でゆったりと絶景が楽しめるのがうれしいポイント。日本庭園やスイス庭園、アラスカ庭園など、愛称が付けられた庭園がいくつかあり、それぞれ特徴も異なるので見応えたっぷりです。
近くにたたずむ水晶岳や鷲羽岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳など、北アルプスのあらゆる山が雲ノ平周辺から見渡せるのもポイント。雲ノ平自体ののんびりとした雰囲気と、北アルプスらしい迫力のある山の雰囲気を両方味わえます。行動時間は長く、中級〜上級者向きのスポットではありますが、山好きならぜひ一度行ってみてほしい場所です。
「五竜岳(ごりゅうだけ)」は、富山県と長野県の県境、後立山連峰にある標高2814mの山。日本百名山の一つです。どっしりと構えたような、雄大な山の姿が特徴です。ヘルメット着用が推奨される、五竜山荘からの険しい岩場を越えた先にある山頂からは、さえぎるものが何もない、360度のパノラマ絶景が広がります。
五竜山荘のある北側は、唐松岳や白馬岳などが見え、南側には猫耳のような2つのピークを持つ鹿島槍ヶ岳がそびえます。南西側には、剱岳や立山の堂々とした姿も。自然のダイナミックさを楽しむことができます。
今回筆者が歩いたのは、白馬五竜スキー場のゴンドラ「テレキャビン」を利用してアルプス平まで行き、遠見尾根を通って山頂へ向かうルート。アルプス平には高山植物園や遊歩道が広がっており、珍しい種類の高山植物を観察できたのも貴重な体験となりました。高山ならではの壮大な景色と、色とりどりの豊かな高山植物を楽しめる山です。
「爺ヶ岳(じいがたけ)」は、五竜岳と同じ、後立山連峰南部に位置する山。標高は2670mと高いものの、登山道である扇沢と爺ヶ岳の往復だけであれば初心者でも登りやすく、日帰りも可能です。筆者は今回、五竜岳から八峰キレットを通って鹿島槍ヶ岳へ向かい、扇沢へ下山する途中に、爺ヶ岳を通過する縦走コースを選びました。
爺ヶ岳の魅力は、あらゆる山域の名峰がぐるりと見渡せること。近くの鹿島槍ヶ岳や立山、剱岳はもちろん、槍ヶ岳や燕岳も見えます。また、山の間からひょっこりとのぞく富士山の姿も! バリエーション豊かな絶景が広がるので、時間を忘れて眺めていられます。
爺ヶ岳中腹にある種池山荘の名物はピザ。期間限定ではありますが、山荘で手作りしたピザが食べられます。「標高の高い山でこんなものが食べられるのか!」と驚くほどおいしく豊かな気持ちになれたので、ぜひ山歩きと合わせて堪能してみてください。
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