昨今のスマートウォッチといえば、当たり前のように睡眠計測機能を備えています。一方で、睡眠管理にこだわるなら、睡眠計測についてユニークな機能を備えた付加価値のあるモデルを選びたいもの。
この記事では、睡眠管理目的でスマートウォッチの購入を検討している人へ、5万円前後の高機能モデルを紹介します。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
iPhoneユーザーなら、やはり候補に上がるのが、Appleが展開する「Apple Watch」シリーズです。実は、iPhoneだけでも、睡眠計測機能は備わっています。簡易的な睡眠時間の確認をするだけなら、iPhoneだけでも問題ないでしょう。
一方で、Apple Watchシリーズを装着した状態で就寝すると、より詳細な情報を記録することができます。例えば、レム睡眠/コア睡眠/深い睡眠といった睡眠ステージの変化や、目覚めた時刻の推定などができます。
また、起床時のアラームにApple Watchのバイブレーションを使うことで、早朝などにより確実に起床したり、同室で就寝している家族に迷惑をかけずに起床するといったことも可能です。
Apple Watchシリーズとしては複数機種がラインアップされていますが、広くおすすめしやすいのは、9月に発売されたスタンダードモデル「Apple Watch Series 9」です。
従来世代よりも性能の高いチップセットを搭載しており、ダブルタップジェスチャーなどの便利機能を多く備えているため、睡眠計測以外でも快適に使うことができます。
そして、Apple Watch Series 9では、睡眠時の皮膚温の変動を図ることで、女性が周期的な体調変化を把握するのに役立つのもポイントです。
ただ、多機能ではありますが、バッテリー持ちは通常使用で最大18時間しかありません。毎晩の睡眠計測を主用途にするなら、こまめなバッテリー管理が必要になることは理解しておきましょう。
Apple Watch Series 9の価格は、アルミニウムケースモデルが5万9800円(税込、以下同)から、ステンレススチールケースモデルが10万9800円からとなっています。ケースサイズは41mmと45mmの2種類があるほか、単体でモバイル通信が利用できる「GPS+Cellular」モデルを選ぶこともできます。
フィットネスの習慣がある人なら、ガーミンジャパンが9月に発売したGPSスマートウォッチ「Venu 3」もチェックしておきたいモデルです。豊富なフィットネス関連機能に加え、交通系電子マネーによる非接触決済なども利用できます。また5気圧防水性能も備えているので、日常使いもしやすい1台です。
そして、「スマートウォッチモード」で使った場合、バッテリーが約14日間持ちます。毎日の充電管理がおっくうな人でも選択しやすいでしょう。なお、Android/iOSのスマートフォンに両対応します。
睡眠関連の機能としては、「睡眠コーチ」を備えていることがポイント。睡眠の質を0〜100の睡眠スコアとして評価しつつ、睡眠・ストレス・活動・旅行などのデータに基づいて、ユーザーごとにパーソナライズされた睡眠のアドバイスを提案してくれます。
測定項目としては、睡眠中の心拍変動に基づいた「HRV(心拍変動)ステータス」も追加され、自律神経の働きの状態を把握しつつ、健康維持やトレーニングのパフォーマンスについて、理解を深めやすくなっています。
また夜間の睡眠だけでなく、日中の昼寝を検出する機能も備わっています。時間や長さによって心身に与える影響を分析したり、ユーザーの状態に合わせた理想的な昼寝のタイミングや長さについてのアドバイスも表示してくれます。公式オンラインストアでの販売価格は6万800円です。
最後は、同じくフィットネス志向のスマートウォッチで、ポラール・エレクトロ・ジャパンが2022年11月に発売した「Polar Ignite 3」を紹介します。2023年6月には、チタンモデル(Polar Ignite 3 Titan)も追加されたほか、ソフトウェアアップデートにて皮膚温センサー機能なども追加されたことがトピック。
Polar Ignite 3で注目したいのは、「SleepWise」という機能です。睡眠・自律神経の分析ができるほか、その中の「日中活性ガイド」という機能により、その日のリズムのズレをモニターすることができます。
ユーザーの状態に合わせて、おすすめの就寝タイミングだけでなく、日中の活動時間の最適なタイミングなども提案してくれます。これに合わせて活動を変えていくことで、体内リズムが整い、より健康的な生活習慣へ変えることができます。
なお、6月時点のソフトウェアアップデートでは、この「日中活性ガイド」が文字盤の画面でも確認できるようになりました。ウォッチモードでのバッテリー最大持続時間は120時間。5日間ほどは連続使用できるでしょう。
公式オンラインストアでの販売価格は4万9500円です。
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