「マイクロソフトオフィス(Microsoft Office)」は、「Word」や「Excel」などおなじみのマイクロソフト製パソコンソフトをまとめて呼ぶ際の総称です。
パソコンを買うと付いてくることが多いですが、後から購入する場合はサブスク型の「Microsoft 365」と買い切り型の「Office 2021」があります。
しかし、そもそも「Microsoft 365」と「Office 2021」は、何が違うのでしょうか?
ここでは、両者の概要をおさらいしたうえで、それぞれの料金体系やメリット・デメリットについて確認していきます。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
「Microsoft 365(マイクロソフト サンロクゴ)」とは、マイクロソフトが提供しているサブスクリプションサービスです。
契約すると「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」といった定番オフィススイートのアプリケーションを使えるだけでなく、クラウドストレージや、サポート、付加的なアプリの特典なども利用できるのがポイントです。
かつて、同社のオフィススイートは「Office 365」として販売されていましたが、2017年7月に開催された「Microsoft Inspire」にて企業向けサービス「Microsoft 365」が発表され、その後は徐々にサブスクリプションサービスやアプリ名などのブランドは「Microsoft 365」へと統一されていきました。
そのため、現在では基本的には「Office」=「Microsoft 365」と考えて支障はありません。
「Microsoft Office」という名称も、現時点においては一部商品で使用されており、ブランドが無くなったわけではありません。買い切り型で「Word」「Excel」などのデスクトップアプリの2021バージョン(永続版)を利用できるパッケージ「Office 2021」などがこれに該当します。
サブスクリプション型で提供される「Microsoft 365」は、「家庭向け」、「一般法人向け」、「大企業向け」と3つのタイプの商品が提供されています。
家庭向けは6人までのユーザーで使える「Microsoft 365 Family」(年2万1000円または月2100円※記事内の金額はいずれも税込価格)と、1人のユーザーしか使えない「Microsoft 365 Personal」(年1万4900円または月1490円)の2つに分かれます。
一般法人向けは「Microsoft 365 Business Basic」(月750円/ユーザー)、「Microsoft 365 Business Standard」(月1560円/ユーザー)、「Microsoft 365 Business Premium」(月2750円/ユーザー)、「Microsoft 365 Apps for business」(月1030円/ユーザー)の4つに分かれます。一般法人向けのプランでは300人までのユーザーが利用可能です。
ここでは詳細を省きますが、それぞれ利用できるアプリやサービスが異なるので、選定の際には公式サイトで条件の違いをチェックするのをおすすめします。
「大企業向け」は「Microsoft 365 E〜」シリーズ、「Office 365 E〜」シリーズ、フロントラインワーカー(現場社員)向けの「Microsoft 365 F〜」シリーズ、政府機関向けのプラン、非営利団体向けのプランなどに細かく分類されています。
ワークスペースでのファイル共有やID管理機能などといった組織向けの機能を含むプラン「Microsoft 365 E3」では、価格は月4500円/ユーザーとなっています。
Windows PCでは買い切りで利用できる商品として、個人向けの「Office Personal 2021」もあります。
こちらは「Word」と「Excel」「Outlook」のみが付帯して価格は3万7700円です。「PowerPoint」は使うことができず、利用できるWindows PCは2台までとなります。
また法人も利用できる買い切り商品の選択肢としては「Office Home & Business 2021」があります。
こちらは「PowerPoint」も付帯されており、価格は4万3980円になります。こちらも、利用できるWindows PCは2台までです。
Microsoft 365を契約する最大のメリットは、常に最新バージョンのOfficeアプリが利用できることです(もちろん、プランごとに利用できる機能やアドオンに差があったりはします)。
またクラウド上に保存したデータをコミュニティ内でシェアしつつ、リアルタイムに共同作業が行えるようになることもメリット。チームや複数人での作業効率を向上しやすくなります。
デメリットとしては、継続的に費用が発生することが挙げられます。必要な機能やアプリが限られる場合には、買い切り版を選択した方が安価に抑えられるでしょう。
ただし、限定的な期間のみ使用する場合は、サブスクリプションを購読した方が、非使用期間に解約できるため、コストを抑えられることもあります。
買い切りで使える「Office 2021」の一番メリットは、一度購入してしまえば永続利用でき追加費用がかからないことが挙げられます。
しかし、新しい機能が追加されたとしても、それを後から利用できるようにはなりません。そして「永続利用できる」とはいうものの、実はサポート期限が設けられています。例えば、Office 2021のサポート期限は2026年10月13日です。
また利用できるアプリケーションが限られていることも見落とさないように気をつけましょう。
先述の通り、安価な「Office Personal 2021」では「PowerPoint」を利用できません。
これまでに紹介したメリット・デメリットや価格を考慮したうえで、自身の想定用途や環境にマッチするプランを選ぶようにしましょう。
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