日常的に使うリュックサック。そのデザインにはさまざまな工夫が凝らされていますが、リュックの表面に「豚の鼻」や「コンセント」に似たマーク(装飾)を見たことはありませんか? 実は、かつてこのマークは単なる装飾以上の役割を果たしていました。
本記事ではこの「豚の鼻」装飾の正体と、現代における便利な使い方を紹介します。
おかだあきほ
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
「豚の鼻」のようなこの装飾は、かつては登山者が使う「ピッケル」を固定するためのホルダーとして使われていました。ピッケルは雪山を登る際に必要なアイテムですが、雪の状態や斜度によってはピッケルを使わずに歩くこともしばしば。
そんな時、豚の鼻の「穴(ループ)」にひもなどを通してピッケルを固定することで、登山中の手が自由に使えるように設計されていました。
しかし現代では、登山専用のリュック以外でもこのデザインが採用されていることが多くなっています。なぜならこの「豚の鼻」は実用性だけでなく、リュックのデザインのアクセントとしても人気があるためです。
街中で使うカジュアルなリュックや通勤通学用のリュックについている「豚の鼻」は、実際にピッケルを固定することは想定されていないものがほとんど。あくまでデザインの一部として取り入れられています。
しかし、この飾りを便利に使うワザも。知っていると日常生活でさらにリュックを便利に使うことができます。
「豚の鼻」を何か便利に使うことはできないか、考えたことがある人もいるのではないでしょうか。実は、日常生活でもさまざまなシーンで便利に使うことができます。ここでは具体的な使い方をいくつか紹介します。
(※たくさんのアイテムをリュックに外付けするのは避けましょう。何かに引っかかって転倒したり、周囲の人にアイテムが当たってケガやトラブルにつながったりする恐れがあります)
「豚の鼻」はカラビナを引っ掛けるのにぴったり。カラビナを使えば、手袋や帽子を一時的に固定しておくことができます。街中やアウトドアで写真を撮る際や暑くなった時、脱いだ手袋や帽子を素早く引っ掛けることができ、紛失も防げます。ケースに入れた交通系ICカードや携帯用のハンドジェルを引っ掛けておくのも良いでしょう。
手ぬぐいのような細くて軽いタオル類を掛けるのにも便利です。特に、アウトドアやスポーツをしている際、汗を拭くためのタオルをすぐに取り出せる場所に固定しておきたいときに、このピッケルホルダーが役立ちます。
さらに手ぬぐいがぬれている場合でも外付けしておくことで、リュックの中をぬらさず、手ぬぐいを乾かしながら持ち運ぶことができます。
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