Appleが9月に提供を開始したApple Watch向け最新OSの「watchOS 11」は、便利な機能が盛りだくさんです。
特にApple WatchのSeries 4およびSeries 5がアップデート対象外となってしまったので、両モデルのユーザーは、買い替え時を見極めるためにもOS関連の機能でどんな進化があるのか把握しておくのをおすすめします。
ここでは「watchOS 11」の特にチェックしておきたい3つの機能をピックアップして紹介していきます。
井上晃
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
Apple Watchの「アクティビティ」アプリでは「リング」という仕組みで運動のモチベーションを上げてくれるのが特徴です。
ムーブ(活動量)、エクササイズ(ワークアウトとして測定した運動時間)、スタンド(毎時間ごとに立ち上がってリフレッシュしたかどうか)という3つの指標について、目標達成度合いが、リング(円状のUI)の完成度で表現されます。そして、このリングを1週間続けて完成させ続けるなど、条件を満たすことでバッジを取得できます。
ただし、よほど身体の丈夫な人やトレーニングに慣れた人でなければ、休息日を設けず、その人にとって強度の高い運動を毎日継続していると怪我や体調不良を招きます。ある程度、運動に慣れた人なら理解していることですが、従来のApple Watchだとこの点への配慮がなく、常に一定の目標が表示されていました。
要するに、Apple Watchで定められているバッジの取得条件では、疲労度などが考慮されていなかったわけです。
一方、watchOS 11では、この運動の目標値を曜日ごとに設定できるようになりました。つまり、月曜日は300kcal、火曜日は100kcal、水曜日は500kcalを目標にする――というようにユーザー自身が目標のスケジュールを決められます。これは健康的な運動習慣を継続するための素晴らしいアップデートと言えるでしょう。
これまで「気がついたらApple Watchの運動目標値を無視するようになっていた」という方でも、watchOS 11で目標値をカスタマイズしたら無理なく再チャレンジできるかもしれません。
ここ数世代で、Apple Watchで測定できるヘルスケア関連の指標はかなり増えてきました。しかし、多くのユーザーにとって理解できるのは、心拍数と心電図くらいのもの。SpO2や、皮膚温が計れたところで「結局何に役立つの?」と疑問を感じていた人も少なくないでしょう。
watchOS 11では、新しい「バイタル」アプリが追加され、就寝中に測定したこれらの健康関連の指標を分析。測定したデータ内に標準的な範囲から逸脱するような変動が見られた場合に、通知して体調変化の兆しがあるかもしれないと気付かせてくれるようになりました。
今まで取得はできたものの、ユーザーにとって活用法が謎のままだったデータが、ようやく分かりやすく役立てられるようになったのです。これなら数世代買い替えを渋っていた方でも、買い替えのメリットを感じられるかもしれません。
またApple Watch Series 9、Apple Watch Series 10、Apple Watch Ultra 2では、睡眠時無呼吸の兆候を特定する機能も使用できます。
watchOS 11では、ウォッチ上で翻訳アプリが使えるようになりました。いろいろな新機能が追加されているなかで、実際に使ってみてApple Watchとの相性が良いと感じるのが、この翻訳アプリです。
翻訳アプリ上で、訳したい言語を選んで言葉を入力すると、選択した外国語の表現などが手元でパッと確認できます。入力操作は音声入力のほか、キーボード入力も可能。iPhone版のアプリと同様、使い勝手はシンプルなので10分も試していれば操作に慣れるでしょう。
あらかじめ、使用する言語をダウンロードしておけば、通信環境がなくても翻訳機能を利用できるのも便利なポイント。Apple Watchを使えば、海外旅行時などにiPhoneをポーチなどから取り出さずに済むのは盗難対策上メリットになりそうです。
また日常的に語学学習をしている人なら屋外をウォーキングしていて、ふと「これは何と言えば良いのだろう」と気になった表現がある時に、手元でパッと確認できるのは非常に便利なはずです。
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