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<vol.11の内容>
「マーケットレポート:転職サイト比較調査」(4)
第4回目は、15社の各サイトの「強み」「弱み」を「信頼度」というポイントで比較してみる。ユーザーの転職サイトへの信頼度調査は、意外な結果に…
「特集:ワンダーマーケットB2C」(4)
人気アナリスト:荒木正人氏による日本のB2C市場に関する連載コラム。第4回目の今回は、 ネット販売企業の最大の武器、コミュニケーション機能の活用について解説
ネットインサイダー編集部では、株式会社プロシークの協力を得て、転職サイトの利用実態を明らかにすべく、主要な15の転職サイトを対象に1万人にアンケート調査を実施し、488人の回答を得た。その結果を本誌面で6回に分けて報告する。
| 大変信頼できる | やや信頼できる | どちらともいえない | あまり信頼できない | 全く信頼できない | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 合計 | 1% | 2% | ***** | 51% | **** | 41% | 5% | |||
| Digital B-ing | 1% | 2% | *** | 39% | **** | 49% | 9% | |||
| Find Job | 0% | 0% | ***** | 50% | ***** | 50% | 0% | |||
| Sim-career | 0% | 0% | **** | 42% | ***** | 50% | 8% | |||
| ecareer | 0% | 6% | ***** | 53% | **** | 41% | 0% | |||
| en | 0% | 0% | ***** | 50% | **** | 47% | 3% | |||
| Nikkeibp-expert | 5% | 5% | **** | 48% | **** | 43% | 0% | |||
| Asia-net | 0% | 5% | *** | 35% | ***** | 55% | 5% | |||
| JOBMAIL | 7% | 0% | ****** | 64% | ** | 21% | 7% | |||
| JobJungle | 1% | 1% | ****** | 63% | *** | 31% | 4% | |||
| 最もよく利用する求人サイト | % | |
|---|---|---|
| 1位 | JOB JUNGLE | 36.6 |
| 2位 | Digital B-ing | 29.2 |
| 3位 | en | 6.9 |
| 4位 | Sim-career | 5.5 |
| 5位 | Nikkeibp-expert | 4.8 |
| 6位 | ecareer | 4.2 |
| 6位 | Asia-net | 4.2 |
| 8位 | JOBMAIL | 2.9 |
| 9位 | Find Job | 2.1 |
| 10位 | 登龍門 | 0.8 |
| 10位 | JOB JOB | 0.8 |
| 12位 | worktank | 0.6 |
| 12位 | JOBWORLD | 0.6 |
| 14位 | Career Space BJ | 0.4 |
| 15位 | JOB IN JAPAN | 0.2 |
| (注2)全回答数は476 | ||
転職サイト15社全体については、「どちらともいえない」が51%と最も多く、次いで「あまり信頼できない」(41%)となっており、両者で約9割の回答であった。「大変信頼している」+「やや信頼している」は、わずか3%と転職サイトに対するユーザーの信頼性は極めて低い結果となった。
なお、オープンアンサーを見てみると「あまり信頼できない」は回答数が多い割には記載が少なく、逆に「やや信頼している」「大変信頼している」は全体でわずかな回答数ながらも、比較的記載が多かった。このことから、ユーザーはきっぱりとした明確が理由はないものの、漠然とした不安を感じていることが推測される。
「あまり信頼できない」という回答が多かったサイトは「Digital B-ing」「Find Job」「Sim-career」「Asia-net」であった。いずれも、ほぼ半数以上があまり信頼できないと回答しているだけでなく、「大変信頼している」+「やや信頼している」を見ても、最高の「Asia-net」でさえ5%となっており、信頼性が今後の大きな課題といえよう。
ユーザーの評価がグレーとなっているサイトは「JobJungle」「JOBMAIL」「ecareer」の3つである。オープンアンサー数が多かった「JobJungle」の回答を見てみると「あまり利用していない」「まだ何ともいえない」「まだ利用しだしたところだから」といった回答が多く、このような回答パターンは「Digital B-ing」でも同様の傾向を示しており、サイト全体の傾向といえる。
このことから、サイトのライフサイクルはまだ黎明期にあり、ユーザー自身も十分サイトを活用できる段階に至っていない点が「どちらともいえない」という評価になったと思われる。
今回の調査で「大変信頼している」+「やや信頼している」が高かったのは、「Nikkeibp-expert」(9.6%)、「JOBMAIL」(7%)であるが、いずれも10%未満の回答であり、信頼できるサイトは皆無と言っても過言ではなかろう。
参考までにオープンアンサーから信頼できるサイトについての記述を見てみると「大手だから」「よく聞く名前だから」「プライバシーが守られるから」「必ず返事がくる」「実際に転職できた」「面接をした」など知名度、守秘義務履行度、レスポンス、成果などの理由が多く見られた。今後はこれらの要因を改善したサイトが高い信頼性を得られると思われる。
B2Cビジネスにおける販売促進では、インターネットが持つ最大の特性であるコミュニケーション機能が最大限に活かされるべきであると考える。
見込客に情報を伝えるという意味でのコミュニケーションツールは、マス媒体としてのテレビ、個人向けとしてのDM(ダイレクトメール)、その中間として、雑誌やちらしなどがある。ウェブサイトとEメールは、これらに比べて低コストのコミュニケーションツールである。
リアルの販売企業は、販売促進活動の中で、コミュニケーション機能をあまり重要視していないと思われる。リアルの販売企業は、如何に多くの見込客を集客し、そして、見込客の気持ちが変わらない間に素早く販売できるかによって競争力が決められる。
したがって、見込客を購入時期(即、購入する、近い将来、購入する)と商品知識(豊富、乏しい)という2つの軸で4つのセグメントに分類すると、リアルの販売企業が主にターゲットとするのは商品知識が豊富であり、即、購入しようとしている見込客である。
短期的な売上が見込めるだけではなく、見込客に商品知識が豊富であるため、営業マンが分かり易く丁寧に商品説明をするコストを削減できるからである。商品をじっくり研究してから購買するなど、短期的には売上に貢献しないと思われる見込客に対するコミュニケーション機能は軽視されていると言えよう。
販売後についても、リピート購買の見込客に相当する顧客へのコミュニケーションよりも新規の見込客を開拓することに注力していると考えられる。特に、代替客や紹介客の比率が事業の収益性を決定付けるような、自動車や住宅などの販売事業でさえ、顧客へのコミュニケーション機能が十分ではないと思われる。
インターネット(ウェブサイト、Eメール)は、見込客が「丁寧に説明してもらいたいこと」、「なかなか聞きづらいこと」、「その場で直ぐには答えてもらわなくてもいいこと」を聞くのに適したコミュニケーションツールであり、消費者主導の商談を可能にする。特に、今直ぐではないが、近い将来には購入を考えている見込客にとっては有用である。
また、企業は見込客からのEメールに丁寧、且つ、的確に対応することによって、これまでの「短期売り切り型のイケイケ営業」から、「見込客のニーズを感じ取れる繊細な営業」への脱皮を図ることも求められよう。
そこで、見込客からの信頼を得られれば、これまで取り逃がしていた将来の見込客を顧客として取り込むことも可能であろう。企業がインターネット(ウェブサイト、Eメール)を用いたコミュニケーション機能を強化することは、競争力を向上させ、機会損失を解消すると考えられる。
例えば、近畿日本ツーリストは、見込客からEメールを通じて寄せられる、あいまいなニーズを店舗の専門家と協力し合いながら具体的な旅行プランに仕立てている。その結果、ウェブサイトに寄せられたあいまいなニーズの約9%を成約までこぎつけている。今直ぐではないが、近い将来には購入を考えている見込客のニーズに対し、ウェブサイトとEメールによるコミュニケーション機能を通じてソリューションを提供し、成功までこぎつけた一例であろう。
コミュニケーション機能を用いた販売促進では、企業がウェブサイト、あるいは、Eメールを使って見込客への付加価値(商品、情報、ソリューション)の提供を主体的に行なうことによって、見込客のサイトへの来訪促進(アクティブ化)やリピート購買促進などが可能になると考えられる。
例えば、ビタミンシティ株式会社( http://www.vitamincity.net )は「あなたにピッタリのビタミン」というコンセプトでビタミン剤を販売しているが、実際は、興味はある人にソリューション(使い方)を提供している。例えば、「疲れた体に」という場合にはそこをクリックすると、ハイパーリンクを張っており、「疲れた体」用のビタミンを売っているショッピングサイトに飛ぶ。
コミュニケーションツールとして、メールマガジンを発行して顧客とのコミュニケーションをはかっている企業も多い。ビタミンシティも週2回メールマガジン「健康ウオッチ」を発行し、会員に予防の意識を植え付けている。
また、近畿日本ツーリストは、旅行の裏話などをふんだんに盛り込んだ本格的なメールマガジンを月2回発行している。短期的には収益貢献が見込めなくても、見込客の「育成」、近畿日本ツーリストのファン作りこそが重要であり、そのための有用なツールとしてメールマガジンをとらえているからであると思われる。
| 略 歴 | |
|---|---|
| 1967年11月 | 香川県丸亀市に生まれる |
| 1991年 3月 | 東北大学経済学部卒業 |
| 1991年 4月 | 株式会社三和総合研究所入社 |
| 主に、カーディーラー、住宅販売会社、食品販売会社のマネジメントコンサルティング業務に従事 | |
| 1999年 3月 | 青山学院大学大学院国際政治経済学研究科国際ビジネス専攻課程修了 |
| 1999年 8月 | 株式会社一吉証券経済研究所入社 |
| 主に、ヤフー、インターキューなどのインターネット関連担当のアナリスト業務に従事 | |
| 2000年 3月 | ウィット・キャピタル証券株式会社入社 |
| ヤフー、サイバーエージェント、楽天など、インターネット広告企業、Eコマース企業を中心にカバレッジ | |
| 2000年 4月 | 日経金融新聞の人気アナリストランキング「IT・インターネット部門」にランクイン |
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