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<vol.15の内容>
携帯電話/PHSユーザー利用実態調査(2)
携帯電話・PHSの利用実態、利用ニーズを1万人にアンケート(対象は社会情報サービス社のインターネット専用モニター)。第2回目の今回は、携帯端末の選択基準について調査した
「ショッピングモールの新機軸(上)」
まぐまぐの生みの親である深水氏がプロデューサーを務める「ガネッサ」は、出店費無料という、今までにないビジネス・モデルとして登場した。ガネッサが打ち出したショッピングモールの新機軸とは何か?2回にわたり、リポートする
ネットインサイダー編集部とモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF:http://www.mcfnet.com/ )では、携帯電話/PHSの利用実態及び今後の利用者ニーズを明らかにすべく、1万人にアンケート調査を実施した。その結果を本誌面で6回に分けて報告する。詳細なレポートは資料として発売されている。
| 順位 | 選択基準 | % |
|---|---|---|
| 1 | 利用料金 | 61.3 |
| 2 | メール機能 | 44.4 |
| 3 | 端末のデザイン | 35.8 |
| 4 | 端末の価格 | 29.9 |
| 5 | 通話品質 | 27.3 |
| 6 | ネットでアクセス可能 | 20.9 |
| 7 | 着メロ機能 | 20.8 |
| 8 | 画面の大きさ | 20.0 |
| 9 | 会社のイメージ | 16.4 |
| 10 | 友人に薦められて | 14.1 |
| 11 | 情報サービスの内容 | 10.4 |
| 12 | その他 | 7.7 |
| 13 | 店員に薦められて | 5.0 |
「1カ所に存在する巨大コンテンツ」ではなく、
「何だかよく分からないけれど、インターネットで買い物したら
ガネッサというエンジンを使ってた」といわれることを目指す
インターネットの加速度的な普及に伴い、企業や家庭での、情報共有や商取引、企業間取引の手段として、もはやEC(電子商取引)は欠かせないものとなった。昨今のモールビジネス業界は「楽天市場に追いつけ、追い越せ」といわんばかりに大手プロバイダ系が続々と参入。各社とも消費者、出店者それぞれのニーズを満たし、収益アップを図るため、改善改良を続けている状況である。
その収益は、出店料や決済代行手数料、広告料などとして捻出されているのが通例だ。しかしながら、市場そのものが過渡期である。インフラが整備され、従来とは異なる機能やサービスが付加されることによって、新たな収益構造が備わる可能性は十分あるといえよう。
そのような状況下、ついに“出店費無料”を掲げるECサイト「Ganessa (ガネッサ)」が2000年9月1日、登場した。開発・運営は株式会社デジタルデザイン、そしてプロデュースは、「まぐまぐ」の生みの親である深水英一郎氏が務めている。
ガネッサという名前は、インドの商売の神様「ガネーシャ」からの造語。「ガネーシャ」の様相と同じく、キャラクタには象を据えている。その姿は、「まぐまぐ」のキャラクタ「まぐまぐちゃん」にも見受けられた“親しみやすさ”が投影されており、聞いたところによると両者とも同一のデザイナーの手によるものとのこと。
ガネッサは、オークションから本格的なECに至るまで、「売る」と「買う」にまつわる事柄をシームレスにつなぎ、同時にそれらのサービスを一極集中化させるのではなく分散して設置、利用できるスタンスをとっている。いうなれば、従来のECモールのような「1カ所に存在する巨大コンテンツ」ではなく、消費者に「何だかよく分からないけれど、インターネットで買い物したら、ガネッサというエンジンを使ってた」といわれることを目指しているといえよう。ガネッサのプロデュース担当、深水英一郎氏は以下のように語っている。
「私たちは、ガネッサを通して『ショッピング・コミュニティ(SC)』という新しい小売形態、組織形態を生み出そうと思っています。これまでのオンラインショッピングモールは、VC(ボランタリーチェーン)という組織形態をとるものが多かったのですが、それよりはFC(フランチャイズチェーン)色が濃い。しかし、お店ごとの独立性は最大限に尊重したい。それが、私たちの「ネットという商圏」に対するアプローチです」
オープンから2カ月あまりにもかかわらず、登録店舗数は3,685(平成12年10月24日現在)。早くも国内最大級の域に達しているという。そこで今回から2回にわたり、ガネッサの提供するサービスと機能、コンセプト、収益構造を追い、ECモールが持つ新たな可能性に触れてみることにする。
まずは「買う」立場に向けられたサービスを見てみると、さながら「いま、世にあるものはすべて行う」といった姿勢がうかがえる。単にショップが軒を連ねているだけではなく、現在では以下の3つのサービスを提供している。
そのほか、共同購入やクーポン発行などの機能も加わってゆくとのこと。それら特化性のあるサービスやコンテンツは、オークション機能のように「提携」によってもたらされるものもあれば、自社で賄う予定のものもある。
ここで特筆すべきは、これらオプションともいえるサービスが、顧客誘導率に大きく関与しているであろう状況である。バガボンド社発行の「第1回EC市場動向調査プログラム」内の、消費者がモールを訪れる理由(1999年7月、3265名対象)を見ると第1位が「プレゼントやバーゲン開催などの情報収集をしたい」で44.9%。続いて「電子メールなどで情報が届いた」が43.9%と、高い数字を示している。
一方、「特定の商品を探していた」は35%にとどまった。つまりは、いかに情報が効率よく伝達、交換され、「まっさきに買う」ではなく「楽しみながら買う」状況を作れるかが、1つのカギとなっている。
次は、店舗側に提供されるサービスに着目してみると、際立っているのがやはりガネッサの根幹たる部分、「出店費無料」である。その点について深水氏はいう。
「結局、『ネットで売れないものはないが、売れるものは限られている』という言葉に集約できると思います。これが分かっている時点ですべての店舗に同じ出店料をお願いすると、逆にモール経営側の動きを束縛してしまいます。というのは、オンラインでは、売れる店舗と売れない店舗の差がかなり開いてしまうというのは明確だからです。それを分かっていながら皆さんに平たく出店料をいただくことはできません」
従来、一般的なECモールは、出店希望店舗に対しスペース(サーバ)を分け与え、そこに店を出す対価として出店料をもらう仕組みになっている。これはどういった結果をもたらすか。商品が売れなかった場合、出店フィーの流出は当然痛手となる。
加えて特筆すべきは、「参加するすべての店舗が同一サーバ上に存在する」という状況。例えばモール内に10店舗存在し、各店舗に10万名のアクセスがあるとすれば、計100万名分の負荷がホストとなるサーバにかかることとなる。Webサイトのシステム・ダウンはある意味致命傷、回避するためにはサーバを巨大化することとなり、ひいては巨大なコンテンツが形成される。
それに対しガネッサでは、エンジンのみを提供し、サーバは各店舗それぞれが所有するシステムを敷いている。つまりガネッサという名のサイトはあるにせよ、ガネッサのエンジンを使用している各店舗、すべて含めたものが本質的な意味での「ガネッサ」であり、分散型ネットワークの構築がここに生まれることとなる。
ゆえに現状では、「出店希望者がそれぞれHPを持っている」ことが前提となっているが、これはある意味では、利便性をもたらしているといえる。つまり、既存のHP上で商品情報などを更新すれば、おのずとガネッサ内にも反映されることとなる。既存のHPがあり、前述したようなECモールに参加している場合は、両方のページを書き換えねばならないといった状況が往々にしてある。
さて、では「出店費無料」を掲げつつ、将来的にはどの部分で収益を上げていく構造になるのか。
当然参加店舗によって、「ECに対する注力度」は異なる。「自分が趣味で作ったものを売れる場所があったらいいな」と考えている店舗から、ビジネスとして目論見に計上する企業まで、さまざまである。ガネッサは、必要な機能を必要な店舗主がチョイスできるような、間口の広いサービスラインナップを提供していくとのこと。その1つが、レスポンスタイムを最大10倍速めるデジタルデザイン製のミドルウェア「FastConnector」「FCReplicator」のサーバソフトレンタル(ASP)。
さらによりよい機能、環境を求める店舗に対しては、アプライアンスサーバの販売を行い、インターネット上に分散された大量データをより扱いやすくするサービスを拡張していく予定だ。もちろん、これらを使用せず無料で出店し続けることも可能。選択は店舗側に委ねられる。
そのほか、店舗側に対するサービスとして、コンサルティング、アフェリエイトプログラム、決済代行、配送代行などを並行して行っていくとのこと。さらに2000年10月25日、BtoBサイト大手の株式会社ラクーンが運営する、在庫品の卸売りサイト「オンライン激安問屋( http://www.raccoon.ne.jp/ )」との提携がなされた。
これによりガネッサは、廉価な商品仕入ルートを登録店舗に提供できることとなり、また、ラクーンの会員小売店に対しても無料でオンラインショップを開店できるガネッサを紹介することで、これまでオンライン販売を実施していなかった小売店のネット進出に、はずみをつけることが実現しそうである。
株式会社デジタルデザイン取締役兼ASP事業部長である山口恭裕氏はいう。
「コンサルティング、決済代行、配送代行、広告収入を収益モデルとし、来年、下期に単月黒字化にする計画です。ゆくゆくの収益の柱にしたいものは、やはりソフトレンタルとサーバ販売ですね」
(つづく)
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