やっぱり文字情報サービスといえば「iモード」From Netinsider(16)

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» 2001年01月30日 12時00分 公開
[Vagabond,@IT]

<vol.16の内容>

携帯電話/PHSユーザー利用実態調査(3)

携帯電話・PHSの利用実態、利用ニーズを1万人にアンケート(対象は社会情報サービス社のインターネット専用モニター)。第3回目の今回は、文字情報サービスの認知度・興味度について調査した


「ショッピングモールの新機軸(下)」

今までにないビジネス・モデルとして登場した「ガネッサ」が打ち出したショッピングモールの新機軸とは何か?後半となる今回は、ガネッサのコンセプト、方向性についてフォーカスした




■■ マーケットレポート■■
携帯電話/PHSユーザー利用実態調査



第3回 文字情報サービスの認知度・興味度

〜iモードがほかのサービスを圧倒、
H"(エッヂ)は携帯電話のサービスと互角〜

ネットインサイダー編集部とモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF:http://www.mcfnet.com/ )では、携帯電話/PHSの利用実態及び今後の利用者ニーズを明らかにすべく、1万人にアンケート調査を実施した。その結果を本誌面で6回に分けて報告する。詳細なレポートは資料として発売されている。

調査対象、概要、詳細レポートなどについては、下記URLを参照
http://www.vagabond.co.jp//vv/p-mo01.htm

要約

  • iモードが認知度、興味度ともにほかのサービスを圧倒している一方、EZwebやスカイWEBについて「内容を知っている」と回答したユーザーは半数に満たなかった
  • 「聞いたことがある」と回答したユーザーを含めると、EZweb、スカイWEB、Jスカイステーションなどが認知度で7割を超える結果になった
  • J-PHONEのスカイWEBには半数近いユーザーが興味を示しているがJスカイステーションは「内容を知っている」ユーザーの割合が低いため3割弱にとどまった
  • DDIポケットのH"(エッヂ)は、ユーザーにとって携帯電話系サービスと同様、認知度・興味度ともに高かったが、DDIポケットのPメールDXやアステルのMOZIOは、認知しているユーザーの範囲が限定されているのが特徴的だ
  • カラーコンテンツに対するユーザーの関心が非常に高く、興味度ではiモードに次いで高い支持を集めている

情報サービスの認知度と興味度

順位 サービス名称 ※認知度(%) ※興味度(%)
1 iモード 99.0 87.8
2 スカイWEB 88.4 48.1
3 EZweb 87.9 50.1
4 H"(エッヂ) 83.4 41.8
5 Jスカイステーション 75.0 27.4
6 カラーコンテンツ 71.1 71.4
7 JAVA対応 53.9 35.8
8 PメールDX 51.0 22.8
9 MOZIO 42.6 14.9
※認知度は「内容を知っている」「聞いたことがある」という回答を合計したもの
※興味度は「今後購入したい」「興味ある」という回答を合計したもの
資料ではそれぞれ個別に集計したものを掲載するが、ここでは便宜上合計した


<本記事は、 2000年12月7日の【NETINSIDER】(No.84)に掲載されたものです>

(データ引用は編集部までご連絡ください netinsider@vagabond.ne.jp )



■■ 特 集 ■■ 
ショッピングモールの新機軸(下)




〜出店費無料ECサイト「Ganessa (ガネッサ)」が打ち出した方向性〜

デジタルデザインの「開発力」と、
深水氏のプロデュース能力により誕生
さらにガネッサと各店舗、双方の努力で「コミュニティ」が育つ



 「出店費無料」を掲げ、従来のショッピングモール市場に一石を投じたECサイト「Ganessa (ガネッサ)」。オープンから正味2カ月にして、国内最大級のサイトとなっている。今回はそのコンセプト、方向性に着目する。

デジタルデザインの「開発力」と、深水氏のプロデュース能力

 株式会社デジタルデザインと深水英一郎氏のコラボレートで生まれたガネッサ。まず、実現に至るまでの過程をさかのぼる。

 1996年2月、以前CSKに在籍していた仲間が一堂に会し、株式会社デジタルデザインを創業。そのメンバーの中には株式会社デジタルデザイン現代表取締役の寺井和彦氏、同社取締役の山口恭裕氏、有限会社ライティング・スペース現代表取締役の深水英一郎氏らがいた。

 デジタルデザインの競争力の源泉は「開発力」。「FastConnector」を主力商品に掲げ、次々と開発を進める中、深水氏は「メールを一斉に、大量に送るシステム」を考案。そこに広告を掲載すれば確固たるビジネスになりうる、と考えていた。

 が、山口氏は「深水さんは私の後輩にあたり、机を並べて仕事していたのですが、当時彼のプランを、収益を計上する部分まで、具体的にイメージできる人は社内にいなかった」と振り返る。

 そこで深水氏はデジタルデザインを離れ、自らのプランを実行に移した。それがいわずと知れたメールマガジン配信システム「まぐまぐ」である。

 一方デジタルデザインは、ナスダック・ジャパンに上場。当初はマザーズも視野に入れていたとのことだが、時期的にナスダック上場第1号となることと、商品が言語に依存しないため、海外市場進出が見込めるとの理由でナスダック上場となった。現在は40名の社員で構成されている。

 深水氏とデジタルデザイン、双方が再び共同で事業を展開し、ガネッサのアウトライン制作に取り掛かったのは1999年の夏ごろ。もともと、1995年ごろから続けていた「sale sale sale」という名の、ショッピングサイトのリンク集があり、最終的には4500店舗の登録があった。

 これを母体にして新しい事業が生み出せないか、と思案していたところ、深水氏がプロデューサーとして加わり、出店者のニーズと客の楽しさを満たすエッセンスを注入。単なるリンク集から脱却するとともに、ビジネスライクなものではなく、ユーザーコミュニティといったカラーを備えていった。

 実際のプログラミングは2000年7月から着手。約2カ月という短期間で仕上がった理由は、システムの「部品」となりうるものがすでにデジタルデザインで構築済みであったことである。

 ガネッサの将来的な収益の柱となるであろう、ソフトレンタルやアプライアンスサーバ販売も、既存の商品を踏まえたうえでのプランニングである。単なる思いつきではなく、ストックを効果的に組み込んでいるからこそ、ガネッサは誕生したといっても過言ではない。

ネットバブル期を反面教師に

 意外、といってよいかもしれないが、ガネッサを宣伝する広告媒体はプレスリリースのみ。いまのところ広告によるキャッシュアウトは一切ないという。

 ネットバブル期には、立ち上げに際して一斉に広告展開をし、株価を一気に引き上げる「消耗戦」がそこかしこで行われていたが、ガネッサはその戦略を反面教師としてとらえている。深水氏いわく、「口コミでゆるやかな上昇を続けていけば、ある時期で加速する」。「まぐまぐ」の成長過程を体感した深水氏だからこその説得力を帯びた言葉である。さらに深水氏本人の人脈、ネームバリューも、ガネッサの成長には欠かせない要素であろう。

 登録店舗数は3685(平成12年10月24日現在)。この中には「sale sale sale」に登録していた店舗も含まれているが、ガネッサとなってからの新規加入店舗も1000余りあるという。ページビューは一日延べ数でおよそ5000〜6000。初年度は、登録店舗数5000店舗、登録メールアドレス数30万件を目標としている。

アフェリエイトプログラム−その利便性と課題点

 ここで、ガネッサが店舗側へ向けたサービスとして準備しているアフェリエイトプログラムについて説明したい。

 アフェリエイトとは「提携」のこと。では、どことどこの提携なのか? まず1つは、ある特定のファンサイトとガネッサ登録店舗の提携である。例えば、ある歌手のファンサイトがあり、そのページ内に、リリースしたアルバムのレビューがアップされているとする。そこを訪れたファンがレビューを読んで購買意欲をそそられた場合、それらのアルバムを同ページ内に設置したCD販売サイトから購入できるようになっており、サイトは売り上げの一部を受け取ることができる、それがアフェリエイトプログラムである。

 ファンサイト側は、自分のサイトにコンテンツを加える一方で、業績に応じて報酬を受け取ることができる。注意したいのは、クリック回数や表示回数に基づいた報酬しか得られない「バナー広告」ではない点だ。報酬や内容など、互いに調整しあえるパートナーシップが構築され、ファンサイト側はある種の「販売代理店」となるだろう。

 一方店舗側にとっては、一般的な広告と一線を画した口コミ的な位置付けを得ることができるなど、メリットも多い。

 反して、店舗側がアフェリエイトプログラムに二の足を踏むことも予測できる。先の例でいうと、ある歌手のファンサイトが1つの店舗と提携するとは限らない。Aという店舗ではアルバムを定価で売り、Bという店舗では同じアルバムを中古ではあるがキズなし、ライナー付きで、A店より廉価で販売していたら、ファンはどちらに流れるであろうか……。

 つまり昨今隆盛を見せている「価格比較サイト」がそこに登場することとなる。囲い込み意識が強く、他店舗の商品と価格を比較されることを嫌がる店舗もあれば、その集客能力を評価して参画する店舗もあるだろう。

 さらには、自分の店舗に他店舗の商品を掲載するケースも登場するかもしれない。そういった方向をとるのであれば、店舗は相応の企業努力が必要となることはいうまでもない。ガネッサとしても掲示方法やシステムなど、今後もより吟味していくことが課題といえるだろう。

店舗側の努力をサポート

 ガネッサの審査基準は至ってシンプルといえる。公序良俗に反する場合やアダルト系の商品を扱っている店舗、さらに自身のHPに通販法規(もしくは住所、電話番号、メールアドレス、担当者名など)が記載されていないものは除外対象となる。

 上記に該当しないならば、出店したい人をむやみにはじくようなことはしない。しかしながらその間口の広さが弊害を生むこともある。ECに対して積極的に策を練り、力を注いでいる企業にとって、すべての店舗が一緒くたというのは、ロイヤリティが低いと見られるのではないか、と懸念するところだろう。

 ガネッサではそのような課題に対し、もう少し店舗数が増えてきたら質ごとのレベリングを実施する意向を示している。例えば優良可といった3段階にすれば、消費者側にとっても利便性の高いものになるはずだ。

 一方、店舗側としては、1つでも上のランクへ到達できるような努力をすることが必要となり、それに対しガネッサはコンサル機能を発揮しサポートする、といった作用が生じる。

 店舗をオンライン上に構えることのみで満足してしまい、その後継続した努力を怠る人もいるだろう。ガネッサはその点、「モール」というよりは、EC展開するうえでの「ツール」といった感がある。

 株式会社デジタルデザイン取締役兼ASP事業部長である山口恭裕氏、プロデュース担当の深水英一郎氏はこう語る。

 山口氏:

  「いまは、コンテンツのラインナップをそろえている段階ですから、ある意味真新しいことはやっていない、といえるでしょう。しかし明確にいえることは、いまから始めるにあたって楽天さんと同じことをしていては、絶対に追いつくことはできないということです。

  むろん、ディテールでは重なるところもありますけど。しいて楽天さんを『百貨店』とするなら、ガネッサは『商店街』『井戸端』といったところでしょうか。店舗側も含め、皆の努力が相乗効果をなして、『売る』『買う』にまつわる楽しいコミュニティが育まれていけば、そう思っています」

 深水氏:

 「同じような商品を売るお店が乱立しているいまのような状況では、お店側も大変だし、なにより、そこへ訪れたお客さんが混乱してしまう。これからのショッピングモールは、『ネットという商圏でいま売れる商品』を見極めながら『ネットという商圏でこれから売れる商品を開拓していく』という仕事をしていかなくてはいけないのだと思います。

 そのため、モール経営側が『店舗を紹介する』という姿勢ではなく、『商品を紹介する』という姿勢をとっていかなくてはならないと思っています。そして、そういった『売れ筋情報』を店舗さんと共有しながら、お互い協力して最大限の効果を出していく。そうすることで、店舗さんのみならず、そこを訪れるお客さんにも還元することになると思います。

 4年前にショッピングモールを構想してからいままで、モールの流れを見てきましたが、残念ながら(私たちにとっては幸いにして)オンラインモールの世界はそれほど発展していません。これはチャンスだと思っています。

 私たちは、『ユーザーが喜ぶことはすべてやる』つもりです。このユーザーというのは、店舗側もお客さん側も、提携先の方もすべて含まれます。これを達成するにはあるバランス感覚が必要ですが、しかし、小売りにかかわるものが成功するためには、この感覚は絶対に必要なものだと考えています」

 今後も、インターネット上でガネッサがどのような変革をもたらしてゆくのか、追い続けていきたい。

(おわり)

<本記事は、2000年11月9日の【NETINSIDER】(No.80)に掲載されたものです>

次回「From Netinsider Vol.17」の掲載は2月6日の予定です

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