連載
» 2005年03月19日 12時00分 公開

UML BASIC LECTURE:開発プロセスとUMLの拡張性 [前編] (1/2)

[羽生田栄一(豆蔵 取締役会長), 岡村敦彦(豆蔵),@IT]

今回は開発プロセスについて解説します

 ユースケースから始まった当連載も最後が近づいてきました。UML 2.0が2004年中にリリースになるという話だったことから、その点についても交えながら半年間連載を続けてきましたが、結局連載中に最終承認されることはありませんでした(2005年2月現在)。その間、半年前と比較してもUMLに対する関心や認知度、普及度は落ち着くどころかさらに加速しているように感じます。UML 2.0の正式なリリースが待たれるところです。

 今回から2回にわたり、ちょっと趣を変えてソフトウェア開発全般にかかわる開発プロセスの話をします。

開発プロセスの現状

 UMLは“L”の“Language”が示すようにあくまでもノーテイションであり、開発プロセスに依存しない表記法であることはもういろいろなところで何度も触れたので、ここで繰り返すまでもないでしょう。UMLを覚えたからといってすぐにソフトウェアの開発ができるわけではなく、開発する際の成果物(の一部)をUMLで記述するにすぎません。よくいわれるように、日常言語(日本語や英語)の文法を覚えたとしても、それで小説が書けるわけではないのと同じことです(注1)。


▼注1:
本当は同じではない。文法が分からないと小説は書けないが、UMLを知らなくてもソフトウェア開発はできる(MDAは除く)。開発における日常言語は、プログラミング言語である。


 従って、ソフトウェアを開発するためには、そのための手順なり手法といったものが必要となってきます。それが開発プロセスです。

 開発プロセスに関する話題は、RUPに代表される反復型開発への注目、その後のアジャイルプロセスの台頭や熱狂が一通り収束した後はある程度落ち着いてきたようにもみえました。しかし、最近ではスクラムやリーン開発などの書籍の和訳出版が相次ぎ、日本国内ではあらためて盛り上がりを見せつつあるようです。XP以外は名前のみしか知られていなかったようなアジャイルプロセスもそうした出版物により、より深く理解されるところとなってきているといえましょう。

 例えばその中のクレーグ・ラーマンの著作「初めてのアジャイル開発」(日経BP社)では、XPやSCRUMなどのアジャイルプロセスをこれから採用しようとする組織において、導入時のポイントや注意点などが分かりやすく簡潔にツボを押さえながら解説されています。のみならず、著者の経験や観点が独自のタッチで盛り込まれているため、説得力のある内容になっています。よくあるアジャイル系の読み物では重量級のプロセスは、アジャイルの軽量さのメリットと比較されて敬遠する対象として扱うことも多いのですが、ここではそうしたアジャイルプロセスと同様にRUPも同じ文脈で取り上げた点は、なかなかラーマンらしいといえます(注2)。


▼注2:
彼の著作である「実践UML 第2版」(翔泳社)は統一プロセスがベース。


 そしてもう1つこの書籍の中で目を引くのがEVOを取り上げた点でしょう。今回はラーマンが触れていない逸話も含めて、まずこのEVOの話から始めてみましょう。

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