日本ヒューレット・パッカードは2月21日、データセンターの電力消費量を抑制する新製品、新サービスを発表した。
水冷ラック「HP モジュラー クーリング システム Generation 2」は、1ユニットで最大2台の42U(2メートル)ラックを冷却できる。水冷能力を35kWに強化(従来モデルは30kW)した。拡張性と冷却機能を改良したことで、最大70台のラックマウント型サーバ、またはサーバをフル搭載した「HP BladeSystem c-Class」エンクロージャ6台(最大サーバ96台)を冷却できるようになった。標準価格は税込みで336万円から。
データセンターに適したエンクロージャ「HP BladeSystem c7000」を直流電源で利用可能にする電源モジュール(DCパワーモジュール)と、同モジュールに対応するパワーサプライ(DCパワーサプライ オプションキット)も発表した。サーバの多くは交流電源で動作すると同社は説明する。ただし、データセンターに直流電源の設備がある場合、交流電源への変換ロスを省くことで、消費電力を抑えることが可能になるとする。パワーモジュールが税込みで11万5500円から、パワーサプライが税込み23万1000円から。
データセンターの空調設備の最適化と自動制御環境を提案する「HP ダイナミック・スマート・クーリング ソリューション」は、空調設備の静的な最適化と、動的に空調を制御する「HP DSC」の導入、という2つのサービスで構成されている。
前者は、HPのエンジニアがデータセンターを訪問し、温度環境、空調能力、電力容量をチェック、シミュレーションソフトウェアを使ってデータを分析し、平常時から一部機器の障害発生時までを想定した空調の位置と能力、ケーブル環境、フロアパネル、ラックの配置に関する改善ポイントを指摘する。改善の実装は顧客が行う。
後者は動的に空調を制御するシステムを導入するサービス。データセンター内に空調制御システム「HP Energy Manager」と、温度センサー(各システムラックに)を設置する。「HP Energy Manager」が(各システムラックから発信される)センサーの情報をもとにデータセンター内の温度環境をチェックし、空調が必要な強さで必要な場所にあたるようにダイナミックに制御する。
「HP ダイナミック・スマート・クーリング ソリューション」の参考価格は、500平方メートル程度の床面積(データセンターを想定)でハードウェア、サービス込みで3500万円から(税込み)、1000平方メートル程度で6100万円(同)から。
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