日本IBMとIBMビジネスコンサルティング サービス(IBCS)は2月17日、世界的な不況を受けて企業のコスト削減を中心とする新たなコンサルティングサービスを提供開始すると発表した。「緊急オファリング」という位置付けで、危機に直面する企業が採るべき対策と実現可能性、期待効果を最短2週間で示す。
提供するサービスは、2週間の企業診断と12週間の計画策定、そしてその後の実行。2週間の診断ではIBMがグローバルで持つメソッドである「SPI」(Strategic Profit Improvement)を活用、必要な利益を確保するために真っ先に取り組むべきコスト削減策を抽出し、実行する。業務を可視化し、そのうえでコストダウンに結び付く業務を抜き出し、IBMがグローバルで蓄積しているコスト削減方法を適用する方法だ。IBMのこれまでの実績から、どのコスト削減方法を使えばどの程度の効果が出るかが事前に分かるという。
IBMはこのSPIを提供するに当たり専任チームを組織した。日本IBMの執行役員で、IBCSの戦略コンサルティンググループ 専務取締役の金巻龍一氏は、「これまでのコスト削減は乾いたぞうきんを絞る方法だったが、SPIでは布のぬれているところを見つけて絞る」と説明し、効率的に効果が出せることを訴えた。また、12週間の計画策定フェイズについても「コンサルティングとして全部をやるのではなく、期限を区切って、その中で最高のことをやる」と話した。
SPI以外では、営業バックオフィスやコンタクトセンター統廃合、ITコストの削減、新興市場などの海外拠点の配置最適化などを目的とした業務診断を行う。経済危機を逆手に攻勢を強めたい優良企業に対してはグローバルでのキャッシュの一元管理や、M&Aにおけるシナジー創出などについて業務診断を行い、その実現を支援する。金巻氏は「財務諸表のこの数字を改善できるということを提案したい」と話した。
業務診断の価格は数百万円レベルとなる。金巻氏は「不況のいまこそ、本当にビジネスパートナーのことを考えているのか、IBMはテストされている」と新サービスへの意気込みを述べた。
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