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» 2010年02月17日 00時00分 公開

2010年はSNAやパートナーシップを強化する方針:SASとアクセンチュア、次世代予測ソリューションで協業

[大津心,@IT]

 SAS Institute Japan(SAS)は2月17日、報道関係者向けの説明会を実施。来日中の米SAS 上級副社長兼CTO キース・コリンズ(Keith Collins)氏やSAS日本法人 代表取締役社長の吉田仁志氏が2010年上半期の戦略を説明した。また、同社はアクセンチュアと次世代の予測分析ソリューションで協業すると発表した。

分析した結果、カジノの最大顧客は『65歳以上の女性』

コリンズ氏写真 米SAS 上級副社長兼CTO キース・コリンズ氏

 米SASの2009年の売上高は23.1憶ドルで前年比2.2%増となり、34年連続増収増益を実現。日本もプラス成長できたという。吉田氏はこの結果について、「何とか34年連続を死守したことで、当社CEOのグッドナイトもほっとしていた。苦しい経済環境の中、何とかプラス成長になれたのは、2009年後半にBusiness Analyticsソリューション分野のニーズが増加したからだ。銀行、官公庁、流通業を中心に顧客分析やリスク管理分野が伸びた」と分析した。

 コリンズ氏は、現在の企業状況について「入ってくる情報・データが多すぎて、きちんとアウトプットできていない。この情報を整理・分析しなければ差別化できない」と分析。事例として、米国でカジノ運営しているHarrahsの例を挙げた。Harrahsはカジノ大手だが、顧客分析を詳細に行ったところ、最大の顧客は意外にも「65歳以上の女性」だった。従って、同社ではこの層に向けたロイヤリティプログラムを実施。その結果、業界シェアが1998年の36%から現在は45%まで増加したという。

 同氏は、情報分析に重要な要素として「ハイパフォーマンスコンピューティング」「プロセス自動化」「データ管理」「ビジネスの可視化」「SaaS」の5分野を挙げ、今後の同社の投資注力分野にすると説明した。

2010年は“SNA”や“SMA”に注力

 2009年の日本における主な採用事例では、コンビニエンスストアのローソンが「SAS Retail Intelligence Solutions」(RIS)を採用した。ローソンでは、本部から発信する情報にコストや工数がかかっていた。しかし、RISの導入により、商品併買分析や新商品投入時におけるリピート分析、ブランドスイッチ分析など、高度なマーチャンダイジング分析をタイムリーに現場に提供できるようになったという。

 また、JA三井リースの場合、旧協同リースと旧三井リースの事業合併に伴い、新経営管理システムに「SAS Financial Intelligence」を採用。データ・システム統合だけでなく、合併後は予算編成や収益管理、KPI管理などを一元的にできるようになったとした。

 SAS日本法人の2010年の取り組みでは、「情報分析基盤の高度化、統合化の推進」「顧客分析分野、リスク管理分野のソリューションを強化」「パートナーとの戦略的な協業開拓」の3点を強化するとした。

 情報分析基盤の高度化、統合化の推進では、コリンズ氏が指摘したように企業内データが増加しているにもかかわらず、それらのほとんどが構造化や分類されていない点を指摘。情報分析基盤を高度化・最適化することがこの問題の解決につながると吉田氏は説明した。

 顧客分析分野、リスク管理分野のソリューションを強化では、「SNA(Social Network Analysis)」や「SMA(Social Media Analysis)」のソリューション提供を予定する。SNAはユーザー同士の関係も考慮して分析を行うためのソリューションで、例えば「Aさんが保険に加入するとその家族も加入し、解約するとその家族も同時に解約する可能性が高い」といった関係を見出すソリューション。グループを見つけ出すだけでなく、そのグループがどういった行動をするかまで分析する。

 SMAは、ブログや掲示板の内容から、ユーザーがどのように考えているかをテキストマイニングやデータマイニング技術を用いて分析するソリューション。特定の商品や映画などに対する評判分析などに活用できる。吉田氏は、「SMAはもともとテロ対策などで用いられたいたもので、犯罪者や詐欺の犯人を特定するリスク管理などに用いられていた技術。従って、商品の評判分析などだけでなく、リスク管理にも有用だ」と説明した。

アクセンチュアと次世代の予測分析ソリューションで協業

 そして、最後の注力分野となるのが「パートナーとの戦略的な協業開拓」だ。この分野では、同日、ワールドワイドでアクセンチュアと次世代の予測分析ソリューションで協業すると発表した。

 この協業によって、両社は今後共同で投資を実施するほか、金融業や医療/ヘルスケア、公共サービス向けなど、業種特化型の予測分析ソリューションの開発や顧客管理、エンタープライズ管理の分野で業務別ソリューションの開発に取り組む。

 吉田氏は「予測分析の需要の急拡大に応える形だ。いままでもアクセンチュアとは協業してきたが、今回の協業拡大によって、投資を共同で行うほか、人員も共同で出して、より積極的に開発を行っていくほか、プロジェクトのシェアリングをしていく。今回の協業を皮切りに、パートナーを拡充していく予定だ。現在も複数社とパートナー交渉を継続中だ。このアクセンチュアとの協業はワールドワイドな取り組みだが、日本独自のパートナーシップとして日立システムアンドサービスとの協業を発表した。このように、ワールドワイドと日本独自のパートナーシップを別々に開拓していく」とコメントし、パートナー戦略を拡大していく方針を示した。

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