function analysis systems technique diagram / FAST図
VEで用いられる図表で、製品やシステムなどが提供する基本機能を明らかにするとともに、それを支える補助機能の従属/独立関係を明らかにする。FAST手法のステップを踏んで機能を整理した成果物として得られる。
VEは考察対象を機能のつながりとして分析したうえで代替案を検討していく手法であるため、その対象(製品、システム、プロセスなど)を要素機能に分解していく。ここで抽出した数多くの機能についてその相互関係を特定の視点で体系的に表現した図をFASTダイアグラムという。
通例、FASTダイアグラムは左に上位機能(対象全体の目的)を置き、右に向かって下位機能(要素機能)を並べていく。FASTダイアグラムはVEの中核ツールであり、これまでに多くのバリエーションが生み出されている。基本形は発案者であるチャールズ・W・バイザウェイ(Charles W. Bytheway)のトラディショナルなFASTでhow−whyの理論で機能を整理する。
ほかに基本機能系列(クリティカルパス機能系列)と補助機能の関係はwhenの関係であることを取り入れたもの、顧客要求として便利さ・信頼性・満足度・魅力度の4つを取り入れたものが有名である。また、and/orの分岐を取り入れたものやリソース(コストや部材、時間、責任組織など)を組み合わせて表示するものも提案されている。
▼『機能分析――企業のシステム改革・効率化の基礎的ツール』 秋山兼夫=著/日本規格協会/1989年3月
▼『実践 価値工学──顧客満足度を高める技術』 手島直明=著/日科技連出版社/1993年4月
▼『ワンランク上の問題解決の技術 実践編──視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ』 横田尚哉=著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2008年7月
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