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» 2011年11月07日 00時00分 公開

BTS (びーてぃーえす)情報システム用語事典

bug tracking system / バグトラッキングシステム / バグ追跡システム

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 ソフトウェアの不具合とその応対を管理するとともに、不具合と応対作業の状態・予定・履歴を関係者の間で共有するシステムのこと。

 ソフトウェアにはバグや不具合はつきものであり、しばしばソフトウェアプロセスの各段階で発見される。こうした不具合に関する情報は公式のバグレポートや非公式の電子メール、被害者の怒鳴り込みなどにより、プロジェクトマネージャやシステム管理者にもたらされ、必要性が認められればプログラム修正や再テストが行われる。

 この間、管理者は時々刻々、あるいは五月雨(さみだれ)式に発見される不具合について重要度とコストから修正などの作業を行うか否かを判定し、作業を行うのであれば「誰が行うのか?」「すでに終わっているのか?」を監視・追跡しなければならない。こうした煩雑なバグのライフサイクル管理を支援するソリューションがBTSである。

 BTSは「チケット概念」を採用しているものが多い。これは、通信業界で使われていたTTS(trouble-ticket system:障害票システム)が実装していた管理概念で、チケット(障害票)の状態遷移によって対象を管理する。すなわち、(1)不具合発見者が不具合内容を記したチケットを起票する ― チケットの状態は「未対応」、(2)管理者は内容を確認して担当者に作業を割り当てる ― チケットの状態は「割り当て済み/作業中」、(3)作業担当者が割り当てられた作業を完了する ? チケットの状態は「対応済み」というチケットの移り変わりで、プロセスの状態を把握する方法である。

 開発組織によっては自前のBTSを開発・運用しているところもあるが、市場には有料パッケージ製品からオープンソースソフトウェア、SaaSASPまで、多種多様なBTSが存在している。ジャンル名には異称も多く、バグ管理システム、不具合追跡システム、影響追跡システム、要望追跡システム、チケットシステム、トラブルチケットシステム、サポートチケットシステム、インシデントチケットシステムなどと呼ばれることもある。バグに限らずに汎用の課題管理を指向するものは、ITS(issue tracking system:課題追跡システム)という。

 多くのBTSは、Webアプリケーションとして構築され、データベースやリポジトリを中核にして、バグや不具合の情報を一元管理する。集約した不具合情報は管理者以外の関係者も閲覧・検索できるので、多重報告や対応漏れの防止が期待できる。電子メールやRSSによる通知、開発者やテスト担当者への作業アサインとワークフロー管理、バグ報告者への終了報告をサポートするシステムもある。

 近年では、Wikiソフトウェア構成管理システム、プロジェクト管理システムとの連携や統合も進んでいる。また、蓄積した不具合情報を使って、バグ発生率やバグ検出率、バグ収束率などを算出したり、どの機能にバグが多いのかなどを分析して再発防止やプロセス改善に役立てたりといった使い方を強化・拡張するシステムもある。

 これらの機能拡張を通じて、BTSは開発工程におけるデバッグ作業以外に、テストや運用保守の工程でも使われるようになっている。開発業務自体をBTS/ITSでドライブする「チケット駆動開発」も提唱されている。

参考文献

▼『Trac入門――ソフトウェア開発・プロジェクト管理活用ガイド』 菅野裕、今田忠博、近藤正裕、杉本琢磨=著/技術評論社/2008年10月

▼『入門REdMiNE??Linux/Windows対応〈第2版〉』 前田剛=著/秀和システム/2010年8月

▼『Scarabによるバグ追跡システム――オープンソースITS/BTSの導入と活用』 大場光一郎、田中祐樹=著/オーム社/2005年11月


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