テレビの活用範囲は放送受信だけでなく、さまざまな用途へと広がっている。テレビ単体で何ができるかではなく、多彩な映像出力機器といかにうまく接続できるかが重要。そのニーズに応えてくれるのが、サムスンの液晶テレビ「LN32R51B」だ。
テレビを購入する際には、何を重視するだろうか。もちろん、第一には映像の美しさや動きの滑らかさといった基本性能が挙げられるに違いないが、それに加えて、入力端子の種類や数に注目する人も少なくないようだ。
現在では、テレビは単に放送を受信するだけの機器ではなく、各種レコーダーで録画したテレビ番組を再生したり、家庭用ゲーム機をプレイしたり、あるいはデジタルカメラやビデオカメラで撮影した映像を表示させたりと、幅広いエンターテイメントを提供する“リビングの中心的存在”になっている。もちろん、テレビ単体での利用もなくはないだろうが、多くの家庭では少なくとも“録画”は必須であり、DVD/HDDレコーダーをはじめとする何らかの出力機器を接続しているに違いない。
となると、デジタル放送を楽しむ際にも、接続するレコーダーがデジタル放送対応製品であれば、チューナーはそちらに内蔵済みなわけで、テレビ側には必ずしも装備されていなくてもいい。デジタル放送チューナーの有無よりも、入力端子が重要という選び方をする人がいるのは、そうした理由からだろう。
ケーブルTVでの利用を考えている場合も同様だ。電波のリーチ、あるいは、アンテナの関係で、デジタル放送(BS/CS/地上デジタル)をケーブルTV経由で受信している家庭はかなりの数に及ぶ。その場合、事業者から提供されるデジタルSTB(セットトップボックス)をテレビへコンポーネント(D3)接続することになるので、やはり、内蔵チューナーではなく、入力端子の数が重要といえる。
サムスンの液晶テレビ「LN32R51B」には、豊富な映像/音声入力端子が用意されている。入力端子が豊富といっても、コンポジットあるいはS映像ばかりの製品もあるが、それでは逆に余ってしまって困るものだ。この製品では、いわゆるSD(480i)のみに対応する端子は、S/コンポジット(兼用)端子1基のみで、ほかはD4、コンポーネント(Y/Pb/Pr)、HDMIと、すべてHDレベル(720p、あるいは1080i)まで対応可能な端子となっている。
また、D4とY/Pb/Prのコンポーネント映像入力は排他的ではないため、端子の形状さえ合わせてやれば、2系統を利用可能だ。前述のケーブルTV利用時のような、デジタルSTBとの接続が必要なケースでも、D4あるいはY/Pb/Prのいずれかのコンポーネント映像入力が空きとなるので、別の機器をつなげられる。
そして、HDMIの装備はやはり大きな利点となる。以前の記事で書いたとおり、「LN32R51B」との組み合わせに最適なのは、HDMI端子を装備したデジタル放送対応DVD/HDDレコーダーだと思う。ただ、デジタルSTBを利用する場合には、そうしたデジタルレコーダーは接続しないかもしれない。しかし、だからといって、HDMI端子が無駄になることはない。
たとえば、東芝がいち早く発売したHD DVDプレーヤー「HD-XA1」を接続する手もある。市販タイトルの数などを考慮すると、まだ時期尚早と思うかもしれない。しかし、対抗するBlu-ray Disc陣営でもそのうち再生機器や映像ソフトを大々的に発売してくるだろうし、気がついたときには、こうした次世代ディスクが一挙に身近な存在となり、普及していたなんてこともありえなくはないのだ。従来のDVDプレーヤーやソフトも、当初はなかなか広まらない状況だったが、ある時期を境にして、あっという間に誰もが利用する一般的な存在となってしまった。
また、ソニーの家庭用ハイビジョンビデオカメラ「HDR-HC3」などにも、HDMI出力が装備されている。HDV 1080i方式で録画した高品位映像を「LN32R51B」の大画面で楽しむのもいいだろう。こうした用途では、映像品質の高さはもちろんだが、それにもまして、HDMIでは映像と音声が1本のケーブルにまとめられ、しかも、抜き差しの作業がスムーズに行えるのも、大きな利点と感じられる。
また、11月11日に発売が予定されているPlayStation3でも、HDMI出力端子が装備される(HDD 60GBタイプ)。これに備えて、いまからHDMIを装備したテレビを買っておきたいという人も多いに違いない。
HDMIばかりに話題が集まりがちだが、実は「LN32R51B」では“PC入力”にも注目したい。この製品はあくまでもテレビとして映像性能が磨かれているのだが、このPC入力(アナログRGB)もおざなりなものではなく、十分に使えるレベルを確保しているのだ。ほかの端子と同様に、専用音声入力もついている。
ご存じのとおり、「LN32R51B」では1366×768の液晶パネルを採用している。この解像度は1280×720のように正確に割り切れるわけではないが、“ほぼ16:9”の画面比率を確保しつつ、XGAと同じ縦768ピクセルとなるのが利点だ。ただし、実は入力信号自体の対応は1360×768までとなっている。しかし、ご存じのとおり、グラフィックスカード側では1366×768という出力モードはあまり一般的ではなく、現状では1360×768のみに対応したもののほうが多い。「LN32R51B」が1360×768対応となっているのも、そのためだ。
当然ながら、1360×768を表示する際に、1366×768へと中途半端にスケーリングされてしまうようなことはない。また、多くのPCディスプレイと同様に、アナログRGB接続時には表示サイズ/位置などの自動調整が用意されている。設定画面の調整項目で「自動」を選べば、何の手間もなく、左右横3ピクセルずつを黒帯として余らせた正確な表示へと調整可能だ。
このPC入力には、文字どおりPCを接続するのが最も一般的だろうが、「LN32R51B」の場合は主にリビングへの設置が想定されるため、必ずしもそれが最適な組み合わせとは思えない。ほかにおすすめしたいのは、XBOX360との接続だ。XBOX360には、アナログRGB出力を行うための「VGA HD AVケーブル」がオプションとして用意されている。
この場合、XBOX360側では出力を、640×480から1024×768、さらには1280×720など、多彩なモードから選べるのだが、最大解像度は1360×768となる。1360×768で最も鮮明な表示が行える「LN32R51B」とは、まさしく最適な組み合わせといえるだろう。
以前は、「Xbox 360発売記念パック」の付属ケーブルがそのまま使えるということで、D端子での接続例を紹介したが、その場合と画質において極端に差が出るわけではない。ただし、コンポーネント2系統を空けておけるため、ユーザーの機器構成によっては、「RGB接続も可能」という点が大きなメリットとなりうるだろう。
また、XBOX360はゲームだけではなく、ネットワークメディアプレーヤーとして利用できる点も大きな魅力となっている。Windows XP Media Center Edition 2005搭載マシンが必須だが、LAN内のPC上に保存された動画ファイルをXBOX360上で再生できるため、テレビとしての「LN32R51B」の活用範囲を、大いに広げてくれるだろう。
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提供:日本サムスン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年6月30日