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» 2006年06月29日 00時00分 公開

売り文句だけを鵜呑みにしてはいけない:自分にとって本当に必要な、デジタル放送視聴環境を考える

一大スポーツイベントへ向けた新製品ラッシュも完了し、デジタル放送導入を目的とした、薄型テレビやDVD/HDDレコーダーの市場も一段落したように思える。だが、一時的な需要拡大で市場価格が下がりきった現在こそ、真の買い時と考える賢い消費者も多いかもしれない。

[PR/ITmedia]
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 オリンピックのときも、ワールドカップでも、「いまこそ!」と喧伝され、もはや、デジタル放送関連製品は常に買い時ということは重々承知している。しかし、買い時だからこそ、さまざまな製品の売り文句が溢れ、自分では判断や選択が難しいという方も多いかもしれない。ここでは、いくつかの疑問点をピックアップし、検証を行ってみた。自分の環境・用途に応じた製品選択に役立ててほしい。


デジタル放送チューナーは内蔵しているべきか

 単にテレビ視聴するだけなら、内蔵製品のほうが設置や操作を簡単に扱えて、都合がいいかもしれない。しかし、録画を行うのであれば(というか、行うほうが多数派に違いない)、いずれにせよ、何らかの録画機器、一般的にはDVD/HDDレコーダーと組み合わせることになる。

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 その場合、たとえばテレビとレコーダーに1つずつデジタル放送チューナーという構成では、B-CASカードが分かれて存在することになる。NHKの場合は1戸1契約が基本となるためカードごとの視聴料は必要ないが、WOWOWなどの有料チャンネルを双方の機器で利用するには、各々で契約しなければならないのだ。

 片方のB-CASカードだけを契約する手もあるが、“レコーダー側でWOWOWを録画しながら、テレビ側で裏番組を観るとき”と、“レコーダー側で録画している裏で、テレビ側でWOWOWを観るとき”とでは、B-CASカードの必要な位置が逆になってしまう。その都度、B-CASカードを差し替える手段もありえるが、あまり推奨できる使い方とはいえないし、なにより面倒だ。

 しかし、2系統のデジタル放送チューナー、いわゆるWデジタルチューナーを内蔵したDVD/HDDレコーダーであれば、上記のようなケースでも、1枚のB-CASカードで済ませられる。そのため、デジタル放送非搭載の液晶テレビを購入し、浮いた予算で、2系統のデジタル放送チューナー、いわゆるWデジタルチューナーを内蔵したDVD/HDDレコーダーへとステップアップするのは、決して風変わりな選択肢ではなく、逆に賢い選び方といえるだろう。

 もちろん、デジタル放送チューナー内蔵テレビでも、同じように裏番組の録画に対応しつつ、B-CASカード1枚ですませる方法はある。その場合、D-VHSやRecPOTといった録画機器を接続するためのi.Link端子のほか、Wデジタルチューナーの搭載が必要となる。実際に製品を探してみると、意外に選択肢が少ないことに気づくはずだ。

フルHD(1920×1080)は必要か

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 至近距離で眺めるPCディスプレイとは異なり、テレビの一般的な視聴距離であれば、極端に細かい解像度を表示しても、視聴者には十分に伝わらない可能性が高い。たとえば、自分の使用環境では、32型程度の画面サイズが適切と感じているのであれば、フルHDにあまりこだわる必要はないだろう。

 実際、国内大手家電メーカーの薄型テレビに目を向けても、フルHD解像度を導入しているのは、最低でも37型以上の製品だ。32型以下では、ほとんどすべてといっていいほど、1366×768パネルを採用している。一方、40〜50型のレベルでは、やはり、フルHDの解像度が必要になってくるだろう。

 ただ、フルHDであればいいというわけではない。テレビは静止画を眺めるものではなく、実際の見た目で快適な表示を得るためには、解像度の高さだけではなく、動きの滑らかさも同じくらい(あるいはそれ以上)重要といえる。実際問題として、同じメーカーの同じシリーズのテレビで、37型(フルHD)と32型(非フルHD)を見比べた場合でも、32型のほうが見栄えがよく感じるというケースも多々あるのだ。

コンピュータとの接続はどうする?

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 もちろん、デジタルRGB(DVI-D)接続ができたほうがいいが、DVI-D端子を装備したテレビはかなり少数派といえる。それに、リビングという場でのPCの用途や視聴距離を考慮すれば、アナログRGB接続でも十分な表示が得られるはずだ。もちろん、その場合は出力側の表示性能にも大きく左右されるので、なるべく高品質なグラフィックスカードとの組み合わせが望ましい。

 HDMI-DVI変換ケーブルの利用も考えられるが、過度な期待はしないほうがいい。製品によってはうまくいく場合もあるが、多くのテレビではHDMIを経由したPCとの接続は保証外とされ、また、カタログの説明や仕様を眺めても可否が判断しづらいので、購入して接続してみるまでわからない。

 実際、接続機器どうしの相性の問題や、HDMIとDVIの規格の違いにより、解像度や色合いにおいて、思ったような表示が得られない可能性は高い。たとえば、フルHDパネルを搭載したテレビでも、HDMI端子へPCから1920×1080を出力すると、1080iのインタレース信号として処理してしまう製品もある。

 PCとの接続を前提とした、DVI-D、あるいはD-subといったデジタル/アナログRGBを搭載した製品であれば、たいていはカタログやマニュアルに対応モードが記載されているので、安心して組み合わせられる。

photo サムスンの32V型ハイビジョン液晶テレビ「LN32R51B」。豊富なインタフェースを備え、もちろんD-sub15ピンのアナログRGB入力も搭載

 以上、自分の環境・用途に応じた視野であらためて検討してみると、メーカーの売り文句とは違うポイントがいろいろ出てくる。自分にとって本当に必要なデジタル放送視聴環境をじっくり考え、正しい製品選択を行って賢いテレビ選びを行って欲しい。

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