DVDレビュー
れこめんどDVD:「ローズ・イン・タイドランド」(1/2 ページ)
鬼才テリー・ギリアムが大作「ブラザーズ・グリム」の直後に撮り上げた本作は、さながらギリアム版「不思議の国のアリス」。
いたいけな少女がテキサスの草原を駆け回る情景は、イノセンスかつ危うげな雰囲気がたっぷり。男性が観たら、自分の“そのケ”度合いが分かってしまうという……ある意味とても危険な映画です。
発売日:2007年1月26日
価格:3990円
発売元:東北新社
上映時間:117分(本編)
製作年度:2005年
画面サイズ:シネスコサイズ・スクイーズ
音声(1):ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
栗色の髪が腰まで届くジェライザ=ローズは、キュートな10歳の女の子。学校には行っていない。元人気ロッカーで現在はジャンキーのパパと、チョコレート・バーが手放せないやはりジャンキーのママの世話をするのが、ローズの日常だ。友だちは、頭だけのバービー人形4体。
ある晩、ママがオーバードーズを起こして死んでしまい、パニくったパパはローズを連れてかねてから憧れの地「ユトランド」へ出発する。しかし着いたのは、パパの故郷・テキサスだった。
見渡す限り広がる金色の草原に、ぽつんと建つ古い一軒家。電気も水道も通っていなく、トイレすらも使えない廃屋同然の家だ。パパはクスリを一発キメて、さっそくトリップ。だけど、何日経ってもパパはなかなか目覚めない。
ローズはお気に入りのバービー人形・ミスティークと共に、大草原を探索に出かける。そして出会う奇妙な人々。頭に稲妻模様の傷をつけた、てんかん持ちの青年・ディケンズ。その姉で、ハチに刺されて片目が白濁しているエキセントリックな中年美女・デル。どうやらパパのご近所さんだったらしいが……。
「不思議の国のアリス」から影響を受けた映画たち
アメリカでカルト的な人気を持つ若手作家ミッチ・カリンの小説「タイドランド」を、「ブラザーズ・グリム」(05)で実に7年ぶりに監督復帰したテリー・ギリアムが映像化。超大作の編集の合間に2カ月足らずで撮り上げ、スペインのサン・セバスチャン映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した。
邦題から連想されるように、元ネタは「不思議の国のアリス」。しゃべる白ウサギの後を追いかけて穴に落ちた少女アリスは、チェシャ猫や三月ウサギ、帽子屋、ハートの女王などが住む“不思議の国”を旅するという、あまりに有名な少女の冒険譚だ。
少女時代のジェニファー・コネリーとデヴィッド・ボウイが共演してファミコンゲームにもなった「ラビリンス/魔王の迷宮」(86)、ダメ会社員が実は救世主だった「マトリックス」(99)、「アリス」にダークなオマージュを捧げた「ドニー・ダーコ」(01)、そして「千と千尋の神隠し」(01)など、アリスに影響を受けた映画は東西を問わず数多い。
その中でも本作はかなりストレートな“アリス”系で、なにしろジェライザ=ローズが「不思議の国のアリス」の一節、ウサギの穴にアリスが落ちるくだりを朗読するところから、物語は始まる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
4
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
5
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR