ハイレゾもアナログも楽しみたい! 欲張りな願望を叶えるサウンドフォート「QS-9」の真空管サウンド(2/3 ページ)

» 2016年11月01日 10時00分 公開
[山本敦PR/ITmedia]
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 オーディオ機器を設置する場合は無造作にテーブルの上などにボンと置くのではなく、不要な振動を抑えるための制振アクセサリーを用意するのが“いい音”を満喫するためのセオリーだ。QS-9は底部には耐振性の高い半円型のインシュレーターを採用しているので、シンプルに色んな場所に置いて上質なサウンドが楽しめる。

 本体は横幅が20cmとA5版の紙と同サイズなので、プライベートルームのデスクトップやリビングルームなどにもスペースを抑えて設置できる。電源トランスを格納する赤いケースにブラックのメインフレーム、入力セレクターとボリュームスイッチが配置されているメタルプレートのシルバーが映える鮮やかなデザインだ。動作中は電源ランプと真空管の再生準備完了を知らせるLEDがブルーに柔らかく点灯するアクセントも効いている。

駆動時はブルーのLEDが点灯。落ち着いた雰囲気を漂わせる

ヘッドフォンで楽しむピュアなサウンド

 同社のコンパクトなUSB-DAC「DS-200」と同じく、サウンドフォートの主幹エンジニアである片山典之氏が、特性を熟知するSAVITECH(サビテック)製のUSBコントローラー「SA9027」や、DAコンバーターのチップにはTI(テキサス・インスツルメンツ)製の「PCM5102」を使い巧みに料理。本機に合わせた音のチューニングも入念に行っている。アンプとしてソースに忠実な原音再生を徹底し、つなぐヘッドフォンやイヤフォン、スピーカーの個性を引き立たせるニュートラルなバランスが本機の持ち味だ。今回は実機をお借りしてその実力を色んな角度から検証してみた。

ヘッドフォンアンプとしての実力を検証する

 PCオーディオを楽しむ際には同梱(どうこん)されているUSBケーブルが活用できるのがうれしい。Macと組み合わせる場合、ハイレゾ再生はリニアPCMが最大96kHz/32bitまでに対応。Windows PCの場合はこれに加えて、サウンドフォートのホームページに公開されている専用のASIOドライバーをインストールすれば、2.8MHzまでのDSD再生も可能だ。より高音質なPC再生を実現するアシンクロナス伝送にも対応した。

 まずはヘッドフォンを使ってハイレゾの音源を聴いてみよう。用意したリファレンスはオーディオテクニカの「ATH-MSR7」だ。MacBook ProをUSBケーブルで接続した。ノラ・ジョーンズの『Nearness Of You』は滑らかな声のタッチが優しく鼓膜を刺激する。ガラスのように透き通った声は彩りが鮮やかに蘇り、歌い手の存在感をごく近くに漂わせる。S/Nのよさが空気感のリアリティを引き出す。解像感が高いので、声が微妙に揺らぐ様やディティールが見事に描き出される。伴奏のアコースティックピアノと、それぞれの定位が鮮明でブレがない。

 ミロシュ・カルダグリッチのクラシックギターでは、アコースティック楽器との相性の良さを確かめた。ギターの音は立ち上がりが鋭く、トレモロの音符がきれいに粒立つ。余韻は消え入り際まで柔らかく伸びながら静かな空気の中に溶けていく。低音はふくよかで歪(ひず)みがなく、弦が柔らかくしなる様が目に見えるようだ。混じりけのないピュアなサウンドがクラシック系の音楽にピタリとはまった。

 上原ひろみのピアノトリオでは、スピード感と力強さをしっかりと聴かせて欲しい音源への対応力が十分に備わっていることも分かった。ベースとドラムスのリズムは重心が低く安定している。低音の輪郭も太すぎず、しなやかでタイトだ。ドラムスはハイハットやシンバルの切れ味が鋭く解像感も高い。ワイドレンジに原音の情報をそのまま引き出す。ATH-MSR7の煌びやかな高域再生の特長も上手に引き出した。

Windows PCにASIOドライバーを導入すればDSD音源の再生も楽しめる

 Windows PCに変えてDSD再生もチェックした。ホリー・コールの『Girl Talk』では濃密なボーカルの余韻をたっぷりと再現。声の質感がきめ細かい。ウッドベースは弦を弾く指先の動きまでも見えてくるようだ。余韻の切れ味もさわやか。真空管再生の持ち味を十分に発揮したピュアで透明感あふれるサウンドだ。

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提供:MJTS株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2016年11月7日

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