“オシアナスブルー”誕生秘話――青き革命児のクロニクル(3/3 ページ)

» 2017年12月01日 10時00分 公開
[山本敦PR/ITmedia]
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日本の伝統工芸がヒントに

 2016年に、オシアナスブルーの外装がまた一段と飛躍を遂げる。GPSハイブリッド電波ソーラーウォッチ「OCW-G1200」のベゼルに、初めて「デュアルテクスチャー セラミックリング」が採用されたのだ。セラミック素材にレーザー加工で「マット」と「ミラー」(光沢)による変化を加えて、UTC(協定世界時)に対するプラスとマイナスの時差が直感的に分かるようデザインしたのだ。「ミラーとマットの組み合わせは青森県の伝統的な漆塗装の技法である『紋紗塗り』からインスピレーションを得ています。日本ならではの陰影表現から美を追求しました。ブルーを引き立てるため、ブラックの表現にもかなりこだわりました」と白石氏が特殊な技法に込めた意味を説く。

 そして、数々の進化が現在のオシアナスの最新モデルである「OCW-G2000」につながっていった。蒸着による着色を施したサファイアガラスリングをベゼルに採用し、透明感のある鮮やかなブルーに仕上げている。現在は生産を完了しているが、特に全世界限定1500本を販売した「OCW-G2000C」では、ベゼルのサファイアガラスにグラデーションをかけるという、より困難なスパッタリング着色を施した。ブルーからグリーンへと繊細に変化する色が楽しめる。

最新シリーズのメインモデル「OCW-G2000G」
ブルーからグリーンへ淡いグラデーションが楽しめる「OCW-G2000C」

 白石氏は単純にグラデーションのスパッタリングをかけることはさほどの困難ではないが、生産時のばらつきを抑えながら、どの個体をピックアップしてもグラデーションを同じ色にそろえることがとても難しいのだと技術のポイントを語る。ちなみにこの技法は陶磁器の「釉溜まり」(ゆうだまり)という表現にインスピレーションを受けたという。12時と6時のインダイアルには白蝶貝をブルーに着色したパネルを採用して、ベゼルとともに光による繊細な色の変化を表現した。

 メインモデルの「OCW-G2000G」をベースに、文字盤に煌びやかなゴールドのパーツをあしらった「OCW-G2000E」や、フェイスに13種類のブルーをあしらって「海の中の洞窟をイメージした」という“オーシャン・ブルー”コンセプトの「OCW-G2000F」など、元もとのオシアナスシリーズのファンならずとも見逃せないプレミアムな限定モデルも続々と派生している。

“普通のブルー”は使わない

 白石氏が所属するカシオ計算機のアナログウォッチのデザインチームの中には、“オシアナスブルー”の技術開発を手がけるエキスパートもいるのだという。エンジニアたちによる「斬新なブルーへの挑戦」は、前機種で乗り越えてきた試練をより高く飛び越えながら今日も絶え間なく続いている。社内・社外での厳しい試験をパスして、オシアナスシリーズの商品に採用されるブルーのテクノロジーは、その中のごく一部なのだという。でも、そのハードルが高いからこそ、オシアナスがほかの時計にはない進化の道を辿ってくることができたのだと白石氏が胸を張る。

左はBASEL WORLD2017で発表した限定モデルの「OCW-G2000S-1A」。グラデーションが青から紫に変化する
ディスクにもブルーを着色。細かなパーツまで自社で設計・製造しているカシオならではのこだわりだ

 「私たちは“普通のブルー”を使わないことをモットーにしています。そのためには先進技術を積極的、かつ柔軟に採り入れてきました。カッティングエッジなブルーの財産を共有していることが、いまのオシアナスシリーズの特徴です」。長年に渡って積み重ねてきたエンジニアたちの努力も、「この青が好きなんだ」という、時にオシアナスシリーズのオーナーから寄せられるひと言で報われるのだという。白石氏の口元に笑みが浮かんだ。

「“オーシャン・ブルー”コンセプト」の「OCW-T2610F」

 誕生から13年もの間、1つの「色」をシリーズのアイデンティティとして大事に育んできたプレミアムウォッチはオシアナスをおいて他にないだろう。そして最新モデルの「OCW-G2000」シリーズは、GPSと電波ソーラーに加えて、Bluetoothによりスマートフォンを介してタイムサーバにアクセスすることで正確な時刻を取得できる、カシオが誇る新プラットフォーム「Connectedエンジン 3-Way」も搭載している。オシアナスシリーズはいつも変わらず、オーナーの手もとで贅沢なブルーの輝きを放ちながら満ち足りた時を刻み続けるのだ。

独創的な青をまとった最新モデル「OCW-G2000G」

「OCW-G2000G」。価格は23万円(税別)

 10月6日に発売された「OCW-G2000G」のベゼルは、サファイアガラスリングの裏側にブルーの蒸着を施し、透明感のある深いブルーを実現したというもの。ベゼルとブラックの文字板による夜を思わせる色合いに、秒針やベゼルの時差表記、12時のインデックス部にゴールドの差し色を使用することで、ネオンや街灯が美しく浮かび上がる都会の夜を演出したという。また外周には12面カットのチタンを用い、ブルーの美しさを引き立たせている。

 ムーブメントにはカシオが誇る新プラットフォーム「Connectedエンジン 3-Way」を搭載。GPS、電波ソーラー、そしてBluetoothによりスマートフォンを介してタイムサーバにアクセスすることで正確な時刻を取得する。OCEANUS専用アプリ「OCEANUS Connected」にも対応し、時刻の取得履歴やソーラー発電量、バッテリーレベルなどを確認できる。


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提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2017年12月31日

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