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ジョン・ウーが私財を注ぎ込んだ1作――「レッドクリフ PartI」本山由樹子の新作劇場

ジョン・ウー監督の下、アジアのスターが集結し、あの「三国志」を映画化した大ヒット作が3月11日にBlu-ray Disc化。いざ、戦いの前にお預け状態で“続く”となりもどかしいが、4月公開のPartIIの前に必見の1本。

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レッドクリフ PartI(Blu-ray Disc)

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「男たちの挽歌」「フェイス/オフ」「M:i-2」などで知られるアジアの巨匠ジョン・ウー監督が、総製作費100億円、18年も想い続けて完成させたアクション大作「レッドクリフ PartI」が3月11日にBlu-ray Disc化される。

 本編ディスクのみの1枚組。オーディオコメンタリーとして渡邉義浩(大東文化大学教授)とスピードワゴン(井戸田潤・小沢一敬)による三国志談義を収録。他にも、PartII特報、PartI特報・予告編、TV-SPOT集、オリジナル中国版予告編、インタビュー映像(ジョン・ウー、トニー・レオン、金城武、チャン・チェン、リン・チーリン、中村獅童)、TV特番映像「レッドクリフ完全攻略」などを収録する。初回限定特典として「レッドクリフ PartII」映画鑑賞割引券を封入。

 80万の大軍を率いて天下統一を目論む曹操に対し、民を思う劉備は、曹操に屈しようとしていた孫権と同盟を結ぶ。連合軍の兵力は5〜6万と圧倒的に劣るが、知将・周瑜と天才軍師・諸葛孔明は奇策を講じていた……。

 ベースとなる「三国志演義」は史実とフィクションをブレンドしたストーリー。中でも人気の高いエピソード“赤壁の戦い”が映画の軸となる。赤壁の戦いとは西暦208年、長江沿いの赤壁で対峙した、曹操軍と孫権・劉備連合軍の水軍戦。本作では赤壁の戦いに至るまでの経緯と、男たちの絆を描く。

 注目の合戦シーンは見事。撮影のために集められたエキストラは1000人、馬が200頭。ジョン・ウーは黒澤明監督の「七人の侍」を参考にし、アクションシーンはハイスピードカメラで撮影したそうだ。特に八卦陣(諸葛亮の八陣図)の俯瞰映像はダイナミックで圧巻の一言。

 冷静で穏やかな賢者、孔明を演じた金城武、戦術に長け、人徳による統率力を持つ周瑜を演じたトニー・レオンらアジアのスターが集結。印象的なのは孔明と周瑜が琴を演奏するシーン。魂の言葉を交わし、互いの信頼を深めていく様子は、まるでラブシーンのよう。今まで男同士の物語を数多く描いてきたジョン・ウーの真骨頂とも言えるシーンである。

 2部構成のため、本作は赤壁の戦い前夜まで。いざ、戦いというところで「続く」となるのが、何とももどかしい。4月10日公開の第2部では壮絶な戦いが予想されるが、まずは本作で英雄たちのエモーショナルな物語に酔いしれよう。

関連サイト:http://redcliff.jp/index.html(公式サイト)

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