そろそろ知っておきたい“LED電球”の選び方(中編)(2/2 ページ)
注目のLED電球に主要な家電メーカーが次々と参入。今やパナソニックや東芝、シャープ、日立など、おなじみの顔ぶれがそろっている。今回は、主なメーカーごとにLED電球のラインアップと製品の特徴について紹介しよう。
パナソニック
「EVERLEDS(エバーレッズ)」というブランドでLED電球を展開しているパナソニック。E26口金に対応した製品のラインアップは、調光器に対応した白熱電球60形相当の「LDA8」シリーズと、スタンダードタイプで60ワット相当の「LDA7」シリーズ、40ワット相当の「LDA4」シリーズの3種類。これに加えて、E17口金に対応した小形電球タイプの「LDA6」シリーズがあり、こちらは小形電球25ワット相当の明るさとなる。これらのシリーズにはそれぞれ電球色と昼白色の2タイプが用意されている。
パナソニックの特徴の1つは、質量の軽さだ。E26口金の製品は、明るさにかかわらずすべて100グラムで、E17口金の「LDA6」シリーズは50グラムとなっている。ほかのメーカーでは100グラム台後半の製品が多いが、同社のLEDはそんな中で群を抜いて軽量だ。この軽さはヒートシンク(放熱器)の最適化により実現したもので、1つのペンダントに多くの電球を取り付ける場合などは、この点が選択の決め手になるかもしれない。また、全機種で密閉型器具に使用可能なことにも注目したい。
本体のデザインも、従来の電球とはひと味違ったフォルムで、口金に向かって直線的な形をしており、長時間の使用でもホコリがたまりにくいそうだ。また、同社が長年の間に培ったガラス製造技術を生かして、劣化しにくいガラスグローブを採用しているという。ただし、前述の東芝やシャープに比べると光る部分が小さく、そのぶん照明の横や後ろに光が回りにくい場合がある(詳しくは後編に掲載)。
日立ライティング
昨年の12月に発売した調光器対応の「LDA7N/D」(白色)および「LDA7L/D」(電球色)に加えて、2月下旬にはスタンダードタイプで60ワット相当の「LDA7D」(昼光色)および「LDA7L」(電球色)、40ワットタイプの「LDA4D」(昼光色)および「LDA4L」(電球色)が登場する。中でも「LDA7D」および「LDA7L」は6.5ワットという低消費電力を実現しており、この省エネ性は2010年1月現在、60ワット相当のLED電球でNo.1だという。
同社はこれまで施設用照明としてLEDライン照明「LINESABER」や、天井埋め込み式の「LEDダウンライト」を発売してきたが、ここにきてE26口金に対応した家庭用のLED電球にも積極的に力を入れ始めており、これからの展開が期待される。
三菱電機オスラム
「PARATHOM(パラトン)」というブランドでLED電球を展開している三菱電機オスラム。一般電球形の「PARATHOM A55(型番:LEA6L)」は60ワット相当の電球色タイプだ。特徴は平均演色評価がRa82と高いことで、自然な色を再現できる。質量も140グラムと軽めだ。このほか、シャンデリア電球形やレフ電球形、演出・装飾用のモデルもラインアップされている。
エコリカ
インクジェットプリンター用のリサイクルインクで知られるエコリカも、昨年からLED照明に参入した。低発熱のために放熱ひだを持たないすっきりとした本体デザインとなっている。オーソドックスな拡散光タイプに加えて、スポット光タイプやビーム光タイプなども用意。また、スパイラル構造により超低消費電力を実現した「ECL-ELBF60WH」および「ECL-ELBF40WWH」などもある。
このほか、直管形蛍光灯タイプの「ECL-L」シリーズも用意されている。グローやラピッド式の蛍光灯器具にそのまま取り付けて使えるのがメリット。ただし、価格は2万円台後半と、まだまだ高めだ。
NECライティング
ブランド名は「LIFELED'S(ライフレッズ)」。ラインアップは60ワット相当の「ELL6」シリーズ1種類のみ。白色と電球色の2タイプがあり、調光器には対応していない。本体のカバーが樹脂製になっており衝撃に強い設計となっている。
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