録画の楽しみが増える、東芝「RZタグラー」:レビュー(2/2 ページ)
「RZタグラー」は、東芝の「レグザ Apps コネクト」に対応するiPhoneアプリ第1弾だ。iPhoneをRDシリーズの無線リモコンとして使えるほか、タグリストというユニークな仕組みを備えた。
“タッチパネルならでは”の操作性を提供する「ジェスチャー」も面白い。ジェスチャー画面で機能をオンにすると画面が固定され(フリックしても次のページにいかなくなる)、タップで再生/一時停止、ダブルタップで停止、左右のフリックでワンタッチスキップ/ワンタッチリプレイ。画面をフリックすると、操作アイコンが浮かび上がるように表示されるのもキレイだ。また、対象機種のCELL REGZAを利用している場合は、上下のフリックでテレビの音量調節が行える。
とはいえ、実際の利用シーンを考えるとジェスチャーの需要は高くなさそう。番組を再生するにはまず「見るナビ」や方向キーを使うため、同じページにある決定ボタンやスキップ(方向キーの外側にある>>)を使うほうが早い。ただし、とにかく見た目と挙動が分かりやすいため、デモンストレーションとしては有効だ。家族に自慢するときなどに使ってみてはいかがだろうか。
公開済みタグリストをチェック
では、肝心のタグリストシェア機能を試してみよう。録画番組を再生すると、RZタグラーはiPhoneの画面上に番組タイトルを表示してくれる。ここで「タグリスト一覧」から「サーバから取得する」を選択すると、誰かが公開してくれたタグリストが一覧できるという仕組みだ。気になるリストを見つけたら、iPhoneにダウンロードして利用する。
既報の通り、タグリストとは録画番組にチャプターのような区切り(実際にはチャプターではなく、時間を指定するだけ)を付け、コメントを添えてリスト化したもの。ある番組のタグリストが公開されていたら、ネットワーク経由で取り込むだけでタグリストに沿った頭出しが簡単に行える。つまり、誰かが作った“オススメシーン集”が簡単に手に入るわけだ。もちろん、自分も同じ番組を録画していることが前提となる。
また、公開されているタグリストにコメントを付ける「リタグ」機能も用意されている。リタグは、いわば掲示板のスレッドのように、同じ番組を見た人同士のコミュニケーションを可能にする。
RZタグラーの公開から時間があまりたっていないためか、最初はなかなかタグリストが見つからなかったが、録画してある番組を片っ端から再生していくと3つほど見つけることができた。そのうち2つはシリーズもののアニメ番組で、CMカットに便利なタグリストであった。
もう1つは、テレビ東京のモヤモヤした旅番組(?)の見どころを紹介したもの。番組中に出てくるキーワードを並べているのだが、よく見ると前半しかタギングしていなかったり、自己リタグがいくつも付いていたり、「ミスター栃木」となるべきタグが「マスター栃木」になっていたりと、明らかにテスト的に作成されたモヤモヤ度の高いタグリストであった。でも、これはこれで面白い。
他人に期待するばかりではダメなので、実際にタグリストを作ってみる。手順としては、番組を再生しながら、ここだと思うポイントで「タグ」ボタンをタップしていき、「作成中タグリスト」に移ってタグごとのタイトルを入力。あとはタグリストのタイトルを付け、番組の放送日や時間といった番組情報を指定して公開すればいい……はずなのだが、なぜか筆者の環境ではチャンネル指定だけが行えず、公開に至っていない。近いうちにリベンジしたいと思う。
東芝によると、タギング機能の狙いは、「HDDに死蔵したコンテンツを見るきっかけになる」ことだという。確かに、なんとなく見る機会を逃した番組でも、面白そうなタグリストがあったり、リタグで盛り上がっていたら、思わず見てみたくなるはずだ。今後、タグリストが増えてくれば、狙い通りの展開が期待できるだろう。なお、東芝ではクラウドを活用したアプリを年内に3つ提供する予定としており、残りの1つも楽しみだ。
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