“表現の深み”が違う、ヤマハ「RX-V773」を先代と徹底比較:今年はAVアンプの当たり年(3/3 ページ)
今年のAVアンプはまれに見る豊作。ハイレゾ音源対応など新機能もさることながら、音質面において大きな進歩が見られる。今回は、定価9万円台のヤマハ「RX-V773」を取り上げ、何が変わったのかを明かにしていこう。
アプリがとてつもなく快適
ヤマハ製AVアンプを語るうえで、もう1つ欠かせない要素がコントロールアプリ「AV CONTROLLER」の存在だ。
アプリ自体は従来モデルでも用意され、そのサクサク動く軽快さが好印象だった。最新バージョンでは機能的な改善が施されたほか、Android用や、タブレット用にレイアウトを一新しており、さらに利便性を増している。
例えば、iPhoneなどから電源のオンオフやボリューム調節、ソース切り替えなどの基本操作だけでなく、シネマDSPの音場プログラムの切り替えやZONE(マルチルーム)選択まで行えるようになっているので、なかなかに使い勝手が良い。また、PCやNASなどにアクセスして音楽コンテンツを再生できる、プレーヤー機能も持ち合わせているので、音場の自動調整など、一度初期設定をしてしまえば、あとは手持ちのiPhoneやタブレットでほとんどの操作がまかなえる。iPhoneなどのAirPlay対応機器を持っていない人も、Android用アプリがあるので大丈夫。しかも、機能が増えているのにもかかわらず、その動作は相変わらず軽快だ。このアプリのおかげで、使い勝手の面では大きなアドバンテージといえるだろう。
もう1つ、とても便利に感じたのが、HDMI端子数の充実ぶりだ。入力が6系統と十分な数が用意されていることに加え、出力も2系統を用意した。しかも同時出力が可能となっているため、さまざまな活用が想定できる。いちいちつなぎ替えることなく、プロジェクターとテレビの両方で楽しめるほか、配線を行えば別の部屋で同じ映像を楽しむことも可能だ。ちょっとしたことかもしれないが、こういった配慮はありがたいかぎりだ。
このように「RX-V773」は、先代に対して音質的に格段のクオリティーアップを実現し、素晴らしいサラウンドフィールドを持つAVアンプとしてだけでなく、使い方によっては音楽再生用のアンプとしても十分な満足を与えてくれる、とてもコストパフォーマンスの高い製品に仕上がっている。アプリの使い勝手の良さも含めて、とても魅力的な製品といえる。
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