ソニー、ヘッドフォン一体型のスポーツデバイス「Smart B-Trainer」を3月7日に発売:ランニングのお供に
耳に装着して走行ログを取ったり、楽曲を自動で選定したりしてくれるヘッドフォン一体型の「Smart B-Trainer」が日本で3月7日に発売される。価格は2万7000円前後。【17:53更新】
ソニーが2月12日、ヘッドフォン一体型のウェアラブルデバイス「Smart B-Trainer」を発表。3月7日に発売する。実売想定価格は2万7000円前後(税別)。カラーはブルー、ブラック、ピンク、ホワイトの4色。
Smart B-Trainerは、ランニングをサポートする機能を搭載した、ネックバンド型のスポーツデバイス。この形状は、WalkmanのWシリーズで培ったノウハウを生かしたものだという。2015 International CESにて先行展示していたものだ。走行ルートや心拍数などのランニングログを計測してくれるほか、音声や音楽でランニングをサポートしてくれる。
ソニーマーケティング モバイルエンタテインメントプロダクツマーケティング部の植松孝文氏は、「国内のランニング人口は増加傾向が続いており、1年以内に走り始めた人は約2割を占めている。ソニーが培ってきたオーディオの技術と、最新のセンシング技術、ソフトウェア技術を融合させることで、スポーツシーンに新しい体験をもたらしたい」と商品導入の狙いを語った。
専用アプリでトレーニングの計画やランニングログの閲覧が可能
スマートフォン向けの専用アプリ「Smart B-Trainer for running」をダウンロードして、Smart B-TrainerとBluetoothでペアリング。目的に合ったプランをアプリで選んだら、Smart B-Trainerを装着してランニング開始。ランニング後はアプリから履歴を確認できる。アプリはAndroid 4.1以降のスマートフォンとiOS 7以降のiPhone/iPadが対応。タブレットでの利用はサポートしていない。
Smart B-Trainerは心拍、GPS、加速度、ジャイロ、電子コンパス、気圧という6種類のセンサーを内蔵している。心拍計はヘッドフォンドライバーに搭載した。ランニング中はスマートフォンを携帯しなくても、心拍数、消費カロリー、距離、時間、スピード、ペース、ピッチ、歩数、ストライド、走行ルート、高度といったデータを記録できる。スマートフォンと再接続したらログがアプリへ転送され、累積記録、ラップタイム、再生した楽曲リストなどを確認できる。
アプリでは、ランニングの目標値や後述する心拍トレーニングなどの設定ができる「ベーシックトレーニングメニュー」と、ナイキランニングアドバイザーの金哲彦氏が監修をしたプレミアムトレーニングメニューを用意した。
プレミアムトレーニングメニューでは目的や走力によって段階的なトレーニングができ、金氏の音声コーチングも受けられる。発売時には「経験ゼロ→30分走れるようになりたい」「ダイエットしたい(屋外編)」「より健康になりたい(屋外編)」などのメニューを提供する。同メニューは有料だが、Smart B-Trainerの購入者は無料で利用できる。
2015年春には、アシックスが開発したトレーニングプランサービス「MY ASICS」とも連携。MY ASICSで作成したトレーニングプランをSmart B-Trainerで体験でき、ランニングログをMY ASICSで管理、保管することもできる。
心拍数に応じて自動で選曲してくれる
Smart B-Trainerならではの機能として、心拍数に応じて楽曲を自動で選んでくれる「心拍トレーニング連動再生」を用意した。アプリに心拍数を登録し、心拍トレーニングプランを選ぶと、目標値が設定される。心拍トレーニングは、運動中の心拍数から運動の強度を判定するもの。例えばダイエットには心拍数は低い方がよく、持久力向上には心拍数は高い方がいいなど、ランニングの目的に合った心拍数が求められる。
Smart B-Trainerでは、目標よりも心拍数が低いとテンポの速い楽曲を選び、目標よりも心拍数が高いとテンポの遅い楽曲を選んでくれるので、流れている楽曲から走行ペースをつかめる。ランニング用に制作したオリジナルの楽曲が30曲プリセットされているので、自分が転送した楽曲のテンポに偏りがあっても問題ない。楽曲のテンポは130〜150BPM(1分あたりの心拍数)の中で数段階あり、転送した楽曲ごとにBPMが認識される。プリセットの30曲も、130〜150BPMに合う曲として制作されたものだ。
ハンズフリー通話もOK、音楽プレーヤーとしても活用できる
マイクを内蔵しているので、スマートフォンと一緒に利用すれば、スマホにかかってきた電話をSmart B-Trainer側で受けて通話することも可能。1回あたり約10〜120秒の録音ができるボイスメモ機能も備えている。
音楽再生機能を備えているので、Walkmanのようにも活用できる。再生できるファイルはMP3、WMA、ATRAC、リニアPCM、AAC。ハイレゾ音源の再生には対応していない。内蔵ストレージは16Gバイト。
重量は約43グラム。IPX5/IPX8の防水性能もサポートしている。バッテリーの持続時間は、トレーニングメニュー動作中はGPSオン時に約3時間(Bluetoothオン)、約4.5時間(Bluetoothオフ)。音楽再生はGPSオン時に約3.5時間(Bluetoothオン)、約6時間(Bluetoothオフ)。GPSとBluetoothが両方オフだと、トレーニングメニューは約6時間、音楽再生は約13.5時間まで持続する。
関連記事
- スポーツに、トレーニングに、業務用途に――進化するソニーのウェアラブルデバイス群
ソニーが2015 International CESで、グラスタイプとイヤフォンタイプの新しいウェアラブル商品を発表した。「SmartEyeglass Attach!」と「Smart B-Trainer」の詳細を紹介しよう。 - 可能性は無限大、競争ではなく“共創”を――田嶋氏が語る ソニーのウェアラブル戦略
「私ども1企業や1プレーヤーにはとても手に負えるような領域ではない」――。とソニーの田嶋氏が話すように、ウェアラブルの領域は多岐に渡る。そこでソニーが掲げるのが「Co-Creation(共創)」。パートナーと協業することで、この市場を拡大させる狙いだ。 - RCカーや戦車の操作、ゴルフスコアの記録も――「SmartWatch 3」の利用シーンを広げるアプリ
スマートウォッチはAndroidスマートフォンと連携してさまざまな情報を通知してくれるが、ソニーモバイルは、さらに利用シーを広げる取り組みを行っている。開発中のものがほとんどだが、「SmartWatch 3」と連携する新しいサービスを紹介する。 - ソニーモバイル、「SmartWatch 3」と「SmartBand Talk」を11月下旬に発売
ソニーモバイルの最新ウェアラブルデバイス「SmartWatch 3」と「SmartBand Talk」が、日本で11月下旬から順次発売される。SmartWatch 3はKDDIも販売する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.