OPPOから間もなく登場する「BDP-105DJP」限定版、一足先に“最終試作機”をチェック!:山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(2/2 ページ)
先月末、OPPO Digital Japanから、とても興味深い告知があった。同社のトップエンド機「BDP-105DJP」のリミテッド・バージョンを開発し、日本国内限定で販売するという。そのプロトタイプの最終仕様をチェックすることができたので報告しよう。
オリジナル「BDP-105DJP」およびパイオニア「BDP-LX88」と比較テスト
そのリミテッド・バージョン(プロトタイプ最終仕様)を、自室で使用中の「BDP-105DJP」オリジナル機、およびパイオニア「BDP-LX88」と比較テストする機会があったので、その印象を述べてみたい。
2chバランス出力の音質は、オリジナル機に比べて、響きがいっそうきめ細かくなり、ステレオイメージがより豊かになったことが確認できた。SACD「ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト/ティム・リース」の『ワイルド・ホース』で聴けるノラ・ジョーンズのボーカルがL/R スピーカーの中央にピンポイントで浮かび上がり、その定位のシャープさ、スタジオの空気まで甦らせたような音場感の豊かさに心をわしづかみにされた。
聴き比べると、オリジナル機は定位が少しあいまいで、音の広がりもやや縮退する印象だ。BDP-LX88とは個性の違いこそあれ、どちらも固有の魅力を実感させる好勝負。低音の押し出しのよさでリミテッド機、ソプラノサックスの艶(つや)と滑らかさでBDP-LX88が勝ると感じた。
この低音の安定感とにじみのなさ、澄明な響きは、やはり筐体構造やフットの強化のよって実現されたリミテッド機ならではの魅力と思う。
さて、リミテッド・バージョンをテストしてみて驚かされたのが、予想を上回る画質の向上だった。4Kカメラ収録の高画質音楽ライブBDの「チーク・トゥ・チーク・ライヴ!/トニー・べネット&レディ・ガガ」を観ると、ステージ後方の暗部のノイズが減り、ベールが1枚はがれたようなクリアーな映像が得られた。また、微小振幅の再現性が上がったのか、トニー・べネットのジャケットの光沢や女性ダンサーたちがまとう衣裳に取り付けられたラメの輝きがいっそうきらびやかに感じられるのも興味深い。
米国盤BD「ジェームス・ブラウン〜最高のソウルを持つ男」もたいへんな高画質ソフトだが、この作品も随所で目の覚めるようなキレのよい映像を見せてくれた。例えばJBが着る赤いセーターの白い模様が現行機に比べてリミテッド・バージョンのほうがくっきりと浮かび上がるのである。ここでも色信号のS/N改善と微小振幅信号の再現性の向上が見てとれる。もちろんこれは、現行機、リミテッド機ともにDARBEE回路を完全にオフにしての比較の結果だ。
画質でもリミテッド機はBDP-LX88と互角の戦い。微小振幅信号の再現性はほぼ同等だが、暗部のノイズの少なさは、リミテッド機がBDP-LX88の上を行くかもしれないと実感した。
これは筐体内を飛び交う高周波ノイズに注目し、電磁波吸収素材を用いて丁寧にそのノイズ対策を行なったことの成果だろう。これくらいスッピンの画質がよいと、あえてDARBEE回路でお化粧する必要はないかもしれないと思うほどだ。
UHD(4K) Blu-ray Discで、ここまで高品位にこだわった製品が出てくるまでには、それ相応の時間がかかるだろう。日本人スタッフの繊細な感性で細部を見直し、新しく生まれ変わろうとしているOPPOのトップエンド・ユニバーサルBDプレーヤーの魅力にぜひ多くの方に触れていただければと思う。
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