正しい歯磨きが楽しく身につくスマート歯ブラシ「G・U・M PLAY」:山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(4/4 ページ)
スマート家電の可能性を語る上で「ヘルスケア」分野の製品を検証しないわけにはいかない。ということで、今回は日本を代表するオーラルケアブランドのサンスターから発売された“スマート歯ブラシ”「G・U・M PLAY」(ガム プレイ)に体当たりしてみよう。
「MOUTH NEWS」
「MOUTH NEWS」は、歯磨きの3分間に最新のニュースヘッドラインを画面に表示、読み上げてくれるリーダー機能付きのアプリだ。毎朝なんとなくテレビをつけて歯を磨いているビジネスマンの方々は割と馴染みやすいと思う。
ただ、歯磨きをしながら効率よくニュースが読めるのはうれしいのだが、音声による読み上げが非常にゆっくりなので、3分の歯磨き時間内にチェックできるヘッドラインが5〜6件ほどとやや少ない。新幹線の車内に設置されている電光掲示の1行文字ニュースぐらい、簡潔に要点だけ発信してくれた方が朝の忙しい時間には重宝されるのではないだろうか。ニュースを一通り読み終えると、最後に雨傘・洗濯・日傘指数や占い、ゴミ収集日のアラートなども表示される。割と情報が盛りだくさんのアプリなので、一人暮らしの方などにも使いでの良さが感じられるかもしれない。
毎日続けるための専用アクセサリーの拡充も課題
しばらく歯磨きを続けると、画面左メニューに表示される「マウスログ」から口内の外側・内側・かみ合わせのエリアごと細かくログが見られるようになる。筆者もいちばんしっくりと来た「MOUTH BAND」アプリを1週間ほど使い続けてみて、ふだん磨き残しの多いエリアを把握しながら、歯磨きのテクニックが効率よく伸ばせる実感が得られた。実際に3分間しっかり歯を磨いたあと、舌で触れると歯がツルツルになっているのが分かって達成感もこみ上げてくる。何となく適当に済ませていた歯磨きが、今度は丁寧にやらないと気が済まなくなるので不思議なものだ。
いくつか使いづらく感じた点もある。1つは歯を磨いている間に左手でスマホを持ち続けなければならなかったことだ。スマホスタンドや吸盤タイプのスマホホルダーなど、サンスターから専用アクセサリーが出てほしい。筆者は普段外出するときにカバンの中に旅行用歯ブラシを持ち歩いているが、「ガム プレイ」にもアタッチメントに保護ケース、歯ブラシの3点セットをきれいに収納できる専用のキャリングケースがあれば、ビジネスマンが昼間にも使いやすくなって便利になるはずだ。また、職場などで昼休みにアプリを使う際には、スマホのスピーカーで音を出すわけにもいかなくなるだろうから、イヤフォンを活用することをおすすめしたい。
家庭で使う場合は本体が生活防水対応なので、洗面台に置いて多少水に濡れてしまっても問題はない。保護キャップが歯ブラシの台座にもなっているので安定するし、5色(ホワイト、グリーン、グレー、ピンク、ブルー)の色違いのキャップをそろえれば家族で使っていても自分の歯ブラシがちゃんと見分けられる。アタッチメントの電源は市販のコイン型電池CR2032を1個使う。1回3分/1日3回の歯磨きを続けて約300日の電池持続を実現しているので安心だ。1台のアタッチメントに最大100人のユーザーを登録して共有もできるが、歯磨きのたびにアタッチメントを保護キャップから外して付け替えて、みたいなことを繰り返す手間を考えたら、元もとそれほど高価な製品でもないので家族の人数分そろえてしまった方がよさそうだ。
これからヘルスケアの分野にスマート家電はますます勢いよく進出していくだろう。あれもこれも1台で色んなことができるデバイスというより、おそらく歯磨きや血圧測定など、特定の用途に絞り込んだ色んな種類のスモールサイズのスマート家電が続々と登場することになるだろう。普通の歯ブラシに取り付けて、スマホアプリさえあればすぐに使える「ガム プレイ」のとにかく手軽なところは好感が持てた。まず身近なところからスマートな家電ライフを体験してみるのにも最適な製品だ。アプリの新機能追加、本体のラインアップ拡大も楽しみだ。
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