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インタビュー

東芝ブランドの底力――新型オーブンレンジ「石窯ドーム」のチャレンジ滝田勝紀の「白物家電、スゴイ技術」(2/2 ページ)

美的集団に買収されることが決まった東芝の白物家電事業。しかし、長きにわたって培われてきた技術力や開発力は、まさに「メイド・イン・ジャパン」の象徴。新しい「石窯ドーム」にその底力を見た。

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 「センサーでしっかりと食材を監視し続けていたとしても、そこに効果的に熱を加えられなければ意味がありません。これまでは直径15cmの小型ドーム型アンテナを使っていたため、マイクロ波を少しでも拡散させることに注力したぶん、食材へ熱を集中させるという点においてはやや弱かったのですが、今回の『石窯ドーム』には20cm大の平面大型アンテナを搭載。素材などは以前のものと変えてませんが、形状を変更したことにより、真上においてある食材に向けて、直接かつ広範囲に向けることができました」


20cm大の平面大型アンテナを搭載

 このダブル赤外線センサーの搭載やアンテナの大型化により、解凍機能も大幅に強化された。

 「例えば“スチーム全解凍”。従来モデルでは100gのひき肉を解凍するのに約15分かかっていましたが、約7分に短縮され、かつ薄切り肉がしっかりはがせるほどの精度になりました。また、忙しい共働きの主婦の方々などにおすすめの『お急ぎ解凍』はたった3分。時短家事に非常に役立つようになったと思います。しかもこれまで解凍というのはレンジで行うとムラが出てしまい、肉などの端が白くなってしまったりすることもありましたが、ダブル赤外線センサーやアンテナの大型化などにより、そういった点もなくなりました」

 一方、これだけオーブン、レンジ、スチームの各機能が充実し、30Lという大型レンジクラスでありながら、業界最小の薄型コンパクト化を実現したことも、エポックメイキングなポイントして見逃せない。

 「多くのキッチンボードというのが収納部の奥行きが45cmとなっていて、これまでの大型で高機能なオーブンレンジは、キッチンボードなどから飛び出してしまうことも少なくありませんでした」


奥行き

 その原因は本体背面に設置せざるを得ない、コンベクションファンを回すためのモーターだという。

「『ER-PD7000』では設計を見直し、このモーターをファンの背面ではなく下部に設置することで、庫内総容量30Lながら、ハンドルまで含む業界最小39.9cmの奥行きを実現しました。これで収納型のキッチン棚に設置して、普段は隠しておくといった置き方も可能です。これまではハンドルが出っ張るなど、特に狭いキッチンなどに大型レンジが置かれると見栄えがよくなかったのですが、これからは棚から飛び出すこともなく、圧迫感もなく、スッキリと置けるようになると思います」

 冷蔵庫でもテレビでも10年前と比べると、断熱材やリムを薄くするなどして、容積的には変わらないのに大型化&大画面化に成功しているが、オーブンレンジも、今回の「石窯ドーム」を皮切りに、各社がこれまで大きすぎた本体を、より省スペース化するという流れが一気に活発化していきそうだ。


 「石窯ドーム」はこれまで大手料理教室で一括採用されるなど、その実力はすでに折り紙付き。そして今回、レンジ機能をはじめあらゆる部分がフルモデルチェンジで強化され、さらに設置性までが向上。歴史に残るような“パーフェクトなオーブンレンジ”が完成したといっても過言ではない。

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