スペシャルな音質向上! iPhone 7にちょうどいいOPPO「HA-2SE」をチェックした:野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(2/2 ページ)
ポータブルアンプとしては珍しい薄型のボディーにiPhone 7ジャストサイズの寸法、モバイルバッテリー機能など多くの特徴を持つOPPO Digitalの「HA-2SE」。従来機の「HA-2」と何が違うのか。その音を聴いてみよう。
「HA-2」と「HA-2SE」を比較試聴
さて、実際のサウンドはいかがなものか。比較のためにも、まずは「HA-2」を聴いてみた。ESS製DACらしいというか、特長を巧みに生かした印象で、細かいところまでよく見える、素性のよいサウンド。それでいて、パワー感のある、勢いのよいリズムを奏でてくれるため、ハードロックやポップスでは、のりのよいサウンドを楽しむことができる。改めて試聴すると、このサイズ、この価格帯の製品としては、抜きんでた実力を持ち合わせている。
肝心の「HA-2SE」はいかがなものだろう。一聴して感じるのは、S/Nの良さと低域の押し出し感の強さだ。聴感上のノイズレベルがかなり押さえ込まれているのだろう、とてもピュアな音に感じられる。これまでも十分な解像度感を持ち合わせていたが、それがさらに高まった印象で、細かいニュアンス、絶妙な強弱がしっかりと伝わってくるため、音がとてもリアルに感じられるようになった。一方でボーカルの声がつややかに感じられるのも印象的だ。
これはESS製DAC全般にいわれていることだが、クオリティーが高い一方で、「分析的で客観的」な一面もあり、人によって好みが分かれることもあった。それが、ずいぶんと生き生きとした音に感じられるようになったのだ。特に女性ボーカルは、ぐっと前に出てきたかのような強い存在感を放ちつつ、歌のニュアンスがしっかりと伝わる、イキイキとした歌声を楽しませてくれるようになった。ちょっとだけハスキーな声色となるが、これがまた味わいの1つとして魅力的に感じられる。ESS製DAC搭載製品としては、今までになかった新たなる方向性といえるし、「HA-2SE」の表現力がさらに高まってくれた、ということでもある。
正直な話、HA-2に対してHA-2SEは、確実にワングレード以上クオリティーがアップしている。これが4万円前後で手に入るのは、素晴らしいコストパフォーマンスといっていい。その上にスマホと相性のよい圧倒的な薄いボディーをもち、モバイルバッテリー機能まで持ち合わせているのだから、うれしい限りだ。少なくとも、iPhone 7にヘッドフォンジャックがなくなったのを機にポタアンを導入してみよう、という人には一番のおすすめといえる製品だ。
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