手持ちでスローシャッターが切れるオリンパス「E-M1 MarkII」は“化け物”である(3/3 ページ)
控えめにいっても、「OM-D E-M1 MarkII」は化け物である。特に手ブレ補正、AF、連写の3つがすごい。そしてプロ向けのフラッグシップモデルとしていろいろ進化した。
背面モニターは3.0型で2軸のバリアングル式だ。E-M1は上下のみ稼働するチルト式だったが、E-M1 Mark IIはE-M5 Mark IIやPEN-Fと同様、いったん外に開いてから回転させるバリアングル式となった。
バリアングル式はいったん横に開くという動作が必要なことや横位置撮影時に光軸とモニターがずれることなど欠点もあるが、縦位置のローアングル撮影は容易になる。
細かい撮影機能でいえば、センサーを微妙に動かしながら連写して合成することで高解像度な絵を作るハイレゾショット、フォーカス位置を変えながら連写して合成することで被写界深度の深い写真を撮る深度合成モードなど凝った撮影も対応しているし、動画も4K対応した。
と、手ブレ補正もAFも連写も一気にレベルアップしたE-M1 Mark IIだが、プロ仕様というだけあり、それ以外にも進化してる。まずメディアがSDカードのデュアルスロットに。プロ仕様といったら欠かせない機能だ。
ミラーレス一眼の欠点だった電池の持ちもバッテリーを大きくなって容量アップ(1220mAhから1720mAhへ)。バッテリー残量表示も%表示となって分かりやすくなった。
公称で約440枚。一眼レフに比べるとまだ少ないが、別途パワーバッテリーホルダーを付けることで補える。
不評だったUSB端子はこれから普及するUSB C-Typeに。USB充電には残念ながら未対応だが、C-Typeを採用したのはUSB 3.0のためという。USB 3.0でつなげばより高速な転送が可能になる。
AFが速いとか連写に強いとか手ブレ補正が強力とかそういう撮影性能のみならず、ボディの頑丈さや信頼性といった面でも強化されているのが注目点だ。
最後にいつものガスタンクを。レンズは12-100mm F4で。
つまるところ、ミラーレス一眼もここまできたか、と思わせてくれるハイレベルなカメラの登場である。
それなりの価格ではあるし、マイクロフォーサーズ機にしては大きくて重めだが、レンズも含めたシステムとして見ると十分コンパクトだし、撮影性能や頑丈さといった面でもファインダーのレスポンスでも十分「プロでも使えるミラーレス一眼」といっていい。
おそろしいカメラが出てきたものである。
関連記事
- やっとミラーレス一眼の時代がやってきた――2016年を振り返りながら2017年のデジカメトレンドを予想してみよう
2017年のデジカメ界はどうなるか! って考えてたのだけど、2016年に各社のフラッグシップがおおむね出そろってるから、なかなか難しいのだよね。その辺を踏まえ、2016年を振り返りつつ2017年の話をしようかと思うわけである。 - 最強の“自撮り”ミラーレス!? カッコ良く進化したオリンパス 「PEN E-PL8」
手頃な価格でカジュアルに使えるオリンパス「PEN」のPLシリーズ。その8代目となる「E-PL8」はクラシック調のカメラっぽいテイストに変わった。ホワイト、ブラック、ブラウン。どれもシックで大人っぽい感じだ。 - キヤノン本気のミラーレス機「EOS M5」にびっくり
「とうとうキヤノンがミラーレス機に本気で取り組んだぞ!」と誰もが思ったに違いない、「EOS M5」。いやはや、びっくりである。今までのEOS Mはなんだったんだ、というくらい違う。 - オーソドックスだからこそ“役に立つ”ミラーレス、パナソニック「DMC-G8」
オーソドックスなカメラスタイルのミラーレス機といえばパナソニックの“G”である。その最新モデルが「DMC-G8」だ。汎用性が高く、クセのない正常進化型でどんなシーンでも活躍してくれる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.