住宅ローン、約半数が不満――インターネットの情報で借り換えへ

» 2007年04月16日 15時39分 公開
[土肥義則Business Media 誠]

 楽天リサーチと楽天モーゲージ社は住宅ローンに関するインターネット調査を実施し、その結果をまとめた。調査結果によると、金利動向に着目しながら、メリットの大きい住宅ローンに借り換えを検討したい人が多かった。こうした層はインターネットなどで情報を集め、自らの判断で借り換えを決定するなど、積極的な姿勢であることが分かった。

 住宅を所有する30歳から69歳までの男女1000人に調査を実施。所有している住居は、「新築一戸建て」が56.2%、次いで「新築マンション」が28.6%。期間は3月2日から4日まで。

現行の住宅ローンは、不動産会社・金融機関の情報をもとに「金利の低さ」で決定

 住宅ローンの借り入れ先は「住宅金融公庫」と「地方銀行」が過半数を占め、その理由として「金利の低さ」が61.5%を占めた。借り入れの際、「不動産会社」と「金融機関」からの情報をもとに、7割の人が決定している。「インターネット」を回答した人は22.6%だった。

 住宅ローンのタイプは「完全固定金利型」が38.5%でトップ。だが、「固定期間選択型」(32.1%)や「変動金利型」(28.7%)といった割安な金利タイプが約6割を占めた。

 適用金利は「2%以上3%未満」が約5割で、3%未満は全体で8割ほど。

借入先を選んだ理由。「金利の低さ」を選んだ人が最も多い

満足と不満、半々

 「現在借りている住宅ローンの満足度」に対する質問には、「非常に満足」「ある程度満足」という「満足層」が52.4%。一方、「やや不満」「非常に不満」は15.3%だったが、「どちらとも言えない」(32.3%)を不満層に加えると、満足と不満の層は、半々という結果になった。

 満足度に関する内訳として、「適用金利の水準」「借り入れの金利タイプ」「返済額」「など、6項目で「満足」という答えが半数弱から半数超となった。だが「繰り上げ返済時などの各種手数料」「繰り上げ返済時の各種手続きの便利さ」では、「満足」は3割にとどまった。

借り換えの動機は金利の変動

 「これから住宅ローンの借り換えを検討したいと思いますか」との質問に対し、「借り換えはしない」層は30.5%。その一方で「借り換え検討派」は35.7%、これに「借り換え済み派」の14.0%を加えると、約半数が“ローン借り換え派”になる。

 ローン借り換え派に借り換え理由を聞いてみると、「借り入れ当初より金利が低い水準にあるから」が5割以上、「住宅ローン金利が上がりそうだから」が3割を超えた。また「今後住宅ローン金利は徐々に上昇する」と予想する人は8割以上となった。

8割以上の人が金利の上昇を予測

 ローン借り換え派にどこの金融機関を利用または予定を聞いたところ、「地方銀行」が26.5%と最も多く、次いで都市銀行、信用金庫となった。金融機関を選ぶ理由として、「金利の低さ」が80.4%、2番目に「手数料の安さ」が25.0%。金利の低さに強い関心があることを示した。

 借り換え時に利用または予定するローンのタイプは、「固定期間選択型」が41.2%と最も多く、「完全固定金利型」(29.4%)、「変動金利型」(22.5%)と続いた。

 先の質問「住宅ローンのタイプ」の結果と比べると、「固定期間選択型」の回答率が9.1%も増加。借り換えローンの内容を検討し、有利な金利を選択するという結果が出た。

インターネットが情報源

 借り換え検討派にとって住宅ローン関係の情報源は、「インターネット」が74.5%、次いで「金融機関」(58.8%)、「新聞・雑誌の記事」(17.1%)、「マネー雑誌」(16.2%)。「現在利用中の借り入れ先選定時の情報源」の質問では、「金融機関」(34.7%)、「インターネット」(22.6%)だった。借り換え先を選択する時には、積極的に情報を収集するという動向が出た。

借り換え時の情報源はインターネットがトップ

 借り換えを検討している全員に「借り換えを行うとしたらいつまでを目安に検討するか」との質問に対し、「1年以内」が13.7%、「2年以内」(12.3%)。2年以下と回答した人は約4割で、早い時期での借り換えを検討するという傾向が出た。

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