今週最も読まれた記事は「首都圏のキオスク、3分の1休業――Suica導入の意外な影響」。JRの駅にある売店のキオスクが、最近シャッターを閉めたままなのはなぜなのか? について書いた記事でした。
記事掲載後、「どうしてSuica導入が理由なのかよく分からない」という反応があったので、今回はちょっと補足&余談を。
JR東日本は、まず駅ナカ(駅構内)の完全なSuica対応を進めてきました。駅の中にある施設でお金を払う場合には、どこでもSuicaでお金が払えるようにしたわけです。コンビニのNEWDAYSや、専門店(土産物や飲料品、食品などだけでなく、最近は洋服や本、雑貨などのお店も増えています)と同様に、キオスクもSuicaでお金が払えるようになりました。
Suicaなど、FeliCa決済用のリーダー/ライターを導入する場合には大きく2つの方法があります。1つは、クレジットカード用の端末(CAT、JETなどと呼ばれるもの)につなぐ方法。もう1つはPOSレジにつなぐ方法です。駅ナカではPOSレジ直結のSuica用リーダー/ライターが採用されたため、事実上「Suica対応=POSレジ導入」となります。
そのためキオスクでもSuicaとともにPOSレジが導入されることになったのですが、POSレジになると、販売員の熟練の技は不要になるんですよね。私もキオスクが休業する前に数回Suicaでガムや雑誌を買ってみたのですが、Suicaだと小銭をやりとりしなくて済むとはいっても、レシートを出す手間などがあり、明らかに従来より時間がかかります。
しかも年配の方だと見るからにPOSレジの扱いに慣れていなかったりして、場合によってはNEWDAYSで支払うより待たされることも。素早く買えるのがメリットのキオスクなのに、皮肉なものだなあと思ったりしました。
ちなみに私も最近知ったのですが、キオスクに置くSuica用のPOSレジは、通常のPOSレジよりも故障率が高いのだそうです。理由は、一般の(屋内の)売り場よりも雨や塵、気温などの条件が厳しいため。
IC CARD WORLD 2007で参考出品されていた最新型のSuica用POSレジは、防塵・熱対策のため、ファンレス・ディスクレスになっていました。まだ実際のキオスクには導入されていないそうですが、今後はこのタイプが増えていくかもしれません。
ところで、「首都圏のキオスク、3分の1休業――Suica導入の意外な影響」を書きながら自分で気になったのが、記事中「キオスク」と「キヨスク」が混じっていること。運営しているのは「東日本キヨスク」なのに、駅の売店の呼称は「キオスク」なのです。
これまで駅の売店は「キヨスク」と呼ばれていたのですが、東日本キヨスクが7月1日から社名を「JR東日本リテールネット」に変更するのを機に、キヨスクの呼称を「キオスク」に変えることにしたそうです(プレスリリース、PDF)。JR東日本エリア内だけの話なので、他の地域では今まで通り「キヨスク」でいいとのことでした。
ちなみに、キオスクに変えた理由は「国際的な発音がキオスクだから」。もともとKIOSKはトルコ語で「あずまや」という意味なのですが、トルコ語の発音だと「キョスク」(キョにアクセント)。国際的な発音に合わせた代わりに、元の発音からは遠ざかってしまったわけで、ちょっと残念です。
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