部屋探し、首都圏は「家賃」京阪神は「入居時総額」を重視

» 2007年06月26日 13時54分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 部屋を探す際に首都圏の人は「月々の家賃」、京阪神の人は「入居時費用の総額」を重視していることが分かった。その背景には、首都圏と京阪神との家賃システムの違いがあった。

 住宅情報のポータルサイト「HOME’S」を運営するネクストは、部屋探しの際に「賃貸住み替え時の行動」についてアンケートを実施した。2006年度中に賃貸物件へ住み替えた首都圏と京阪神に在住する18歳〜59歳の男女が対象。インターネットによる調査で有効回答は1030人、期間は4月26日から4月29日まで。

7万円の家賃で、首都圏と京阪神では一時金に28万円の差

 「月々の家賃を重視」と回答したのは首都圏で70.5%、京阪神で62.1%だった。一方、入居時の総額では京阪神が39.2%重視し、首都圏では32.2%だった。金銭的な負担がある方にポイントを置いているようだ。

月々の家賃の重要度と一時金総額の重要度

 首都圏では賃貸契約時に家賃の4カ月分(敷金2カ月・礼金2カ月)と手数料として家賃1カ月分、前家賃1カ月分を合わせ計6カ月分のケースが多い。中には敷金1カ月分の物件もあり、計3カ月分の家賃で入居できる。

 一方の京阪神では、敷金・礼金の代わりに「保証金」が必要で(京都除く)、家賃の6カ月〜8カ月分を支払わなければならない。これに家賃1カ月分の手数料と、前家賃を加えると入居時に計8〜10カ月分が必要となる。例えば京阪神では、7万円の部屋を借りるのに入居時に70万円(保証金8カ月の場合)の負担となる。同じ条件で首都圏で住む場合、28万円少ない48万円ですむ。「京阪神で一時金の総額が首都圏よりも重視されるのも、うなずける話」(同社)だ。

部屋探しの際に重視した点は「月々の家賃」がトップ

 住まい探しでは京阪神に比べ、首都圏の方が「より多くの情報を求めている」という結果が出た。特に家賃相場の情報については首都圏47.2%に対し、京阪神34.4%と差が開いた。このほか最寄の駅からの交通・乗り換えや、周辺施設・店舗などの情報を首都圏の人は事前に調べているようだ。「月々の家賃が高めの首都圏では、周辺の相場と比べて自分が選んだ物件の家賃が高すぎないか、長い目で見た時に自分が損していないかどうかが非常に気になるポイント」(同社)だという。高額な商品を買う際には“より慎重になる”という傾向が、首都圏の物件選びにも当てはまるのかもしれない。

住まい探しでは女性の方がこだわりをもつ

 住まい探しを男女別で見ると、女性の方がこだわりをもっているとの結果が出た。中でも「間取り・部屋数」を重視した女性52.5%に対し、男性36.6%だった。さらに女性は「日当り・部屋の向き」(38.3%)を重視しているが、男性は24.0%にとどまった。

 住み替え先の探し方では「不動産物件サイト・不動産ポータルサイト」(35.9%)が最も多く、次いで「直接現地を訪問」(35.4%)だった。また1人暮らしの女性は、家族や恋人などに相談しながら家探しをしているようだ。

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