持ち金100万円!超ビギナーとダメ投資家が株に挑戦週1回リアルタイム連載「誠倶楽部」:

» 2007年07月09日 18時33分 公開
[高橋暁子,Business Media 誠]

 最近、筆者の周囲ではちょっとした投資ブームだ。中でも多くの人がやっているのが、株。みんなこっそりと株を買い、いつの間にか儲けているらしい。それとも損をしている人は黙っているのか。

 「株で儲けたいけれど、やり方が分からないからな……」という読者の声が聞こえてきそう。株について学ぶなら、実際に株取引をしてみるのが1番だ。けれど、虎の子で株を始めて「値下がりしたらどうしよう」と、不安でなかなか始められないのが正直なところだろう。

 ……ということで、「株のことを学びたいけれど損はしたくない」あなたにお届けするのが、週1回リアルタイム連載「誠倶楽部」!株のビギナーが「持ち金100万円」「期間3カ月」の制限内で気になる株を買い、運用してみるという特集連動企画である。

 この連載を担う誠倶楽部のメンバーは株のド素人たちばかりなので「株なんて知らない!」という方でも楽しめるはずだ。読者と一緒に学んで成長していきたいと思っているので、3カ月間よろしくお付き合い願いたい。

バーチャル株取引企画とは?

 誠倶楽部に参加し、資金100万円で3カ月間株を運用するゲームプレイヤーは3人。ただし、Business Media 誠編集部は立ち上げたばかりで貧乏なので、「買ったつもり」で参戦する。「つもり」ではあるが、しかし本気だ。9月最終週に勝ち抜くのは誰か!?

 株に関する知識はバラバラだし、スタンスも違う。自分と近いメンバーを応援すると楽しいかもしれない。最後に長者になる(?)メンバーは誰か、予想してみてほしい。


Business Media 誠の編集部員、土肥義則

 土肥義則

 Business Media 誠 編集部員。株式取引経験ありということで一歩リードか?


営業部員、真野裕章

 真野裕章

 アイティメディアで「Business Media 誠 」を担当する営業部員。本人も知らぬ間に参加者となっていたさわやか新卒。株の経験はないが、営業的感覚でもしやの成長株?


フリーライター、高橋暁子

 高橋暁子

 フリーライター。株についての知識は一切ないのでこれから勉強。勘だけでいくダークホースか。

 企画概要

 週1回(金曜日の午後3時東京証券取引所終了後)、誠倶楽部のメンバー3人が集まり、その週に買った株の値段の動きをチェックし、翌週どの株を買うかを決める。自分が保有する株に関するウンチク、来週に向けての意気込みを語るほか、他のメンバーに対する意見も飛び交う予定。その議論の模様と銘柄の価格、各自の資産状況(折れ線グラフ)は、翌月曜日に記事を掲載する。期間は7月〜9月の3カ月間。

 目標

 メンバーは、バーチャルで売り買いすることによって、株式についての知識を少しずつ身につけていく。3カ月後に株についての基本的な知識を身に付けていることが目標だ。この企画を通して読んでいただくことで、読者の皆さんにも株に関する知識がつく予定。

 ルール

  1. 最初の持ち金は1人100万円
  2. 1度に持てる株は、1人2銘柄まで。それぞれをどういう割合で持つかなどは、個人の裁量に任せることとする。
  3. 原則的に金曜日に清算する。翌週に同じ銘柄を持ち越すことも可能。
  4. 売る場合、終値(市場取引で最後についた値段)で売り、別の銘柄を終値で買ったことにする。そして、その銘柄を月曜日から1週間保有し、金曜日に清算する。
  5. 空売り(他人から借りた株券を用いて売却を行う取引)は禁止とする。あくまで買いだけ。信用取引(株式投資の資金を証券会社から借りて行う取引)もナシ。
  6. 実際には売買の際に手数料がかかるが、証券会社や売買方法などによって違うので、本企画では考えに入れないものとする。

経験の土肥、フレッシュな真野、ママがすごい高橋

土肥「それではお互い自己紹介をしていきましょう。まずは私から。実は私は株取引の経験があるんですよ」

真野、高橋「ええっ、それはすごい!」

土肥「最初に買ったのは、大和銀行(現りそな銀行)の株でした。不良債権処理に苦しんでいる時で、公的資金注入の発表があった頃、株価は100円を切っていました。国は『大きな銀行は破たんさせない』ということだったので、それならと、底値より少し上くらいで買ったら、なんと3倍くらいになりました」

高橋「すごい! 大儲けじゃないですか」

土肥「しかし、ライブドアショック後に買った新興市場株やIT関連株が軒並みダメでした。株で儲けたお金は株で失うということですね。現在保有している株は、“5年定期”のつもりで塩漬けです(笑)」

真野「“10年定期”だったりして(笑)」

土肥「前回の経験で得たことは、株価が上がっても浮かれない、自分を見失わないということです」

高橋「ということは、自分を見失ったんですね?」

土肥「相場師として食っていけるんじゃないかと……(笑)。でももう学びましたから! この企画では、逆張り(株価が下がってきている銘柄を買う)で攻めます。株価が下がっているところを狙ってドカンといきたいですね。目標は、当然3人の中でもぶっちぎりトップ、倍増を目指します」

真野「(ぼそっと)逆張りって言いますけど、下がり続けている株はちょっと恐いですね」

土肥「上がります! ずっと下がり続ける株はないんですから!」

タイミングを図ってパチンコ関連株を狙っている真野(左)

真野「うーむ、なるほど。では次は僕が。株には興味があって、買ったことはないんですが、高校生の時に親の働いている会社の株に関連するニュースを見たりしていました。友達で買っている人もいましたが、株主優待券などが目当てだったみたいです。レジャー系、鉄道系など、興味の近い分野から始めている人が多かったですね」

土肥「高校から興味があるとはすごいね。ギャンブルは好き?」

真野「パチンコが好きですが、トータルでは負けてます……」

土肥「パチンコ店に“3年定期”で預けているんだ(笑)」

真野「タイミングを見て、パチンコ関連株を買いますよ」

高橋「では私ですが、株は一切経験ないんですよね。ただ、うちはママがすごくて」

真野「お母さんがですか?」

高橋「株にのめり込んで、そのために、ラジオたんぱの株式情報に聞き入っていたわけですよ。ラジオたんぱのオープニングの音楽は、当時ABBAの『MONEY,MONEY,MONEY』でした(笑)。気合いが入っていただけあって、いい時はそこそこ儲かっていたみたいです。それがある時、1987年のブラックマンデーで大損! 母は父に土下座して謝っていましたねぇ」

真野「ドラマの世界みたいですね」

高橋「子供心に、ああ、これはやっちゃいけないものなんだなと思ったのですが、まさかこんな形でやることになるとは。ちなみに、母は懲りずにまた株を始めたみたいです。『市場が私を呼んでいる』って言ってました」

真野「“20年定期”を取り戻すつもりでしょう(笑)」

いざ株を選んで買ってみる!

 しばらくああでもない、こうでもないとPCや雑誌をチェックしていた3人だが、やっと買う銘柄が決定した。今回は初めての銘柄探しなので、身近な会社、気になるニュースがある会社をテーマに選んでみた。

自分に身近なことに注目して銘柄を選んだ

ファーストリテイリングの株価チャートファーストリテイリングの株価チャート(1年:縦軸の単位は円)関西汽船の株価チャート関西汽船の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

真野ユニクロのファーストリテイリング(証券コード9983)を買います。ユニクロはいろいろ面白い試みをしていますよね。コンビニ風の店舗で、Tシャツを缶ジュースのように売っているというTシャツ専門店なんて、楽しそうだしちょっと自分でも行ってみたいです(7月4日の記事参照)。あと、最近は自分のブログに、ユニクロのブログパーツ「UNIQLOCK」を貼っている人もよく見掛けますよ(6月15日の記事参照)

 それから『とくダネ!』で小倉智昭さんが褒めていたんですが、借金がなくていい会社みたいなんですよ。もしダメだったら小倉さんの責任ですね(笑)。ちなみに僕はここの服は着ません!

 もう1つは、フェリーの『さんふらわあ』で有名な関西汽船(9152)にします。義理の兄のいる会社なので、応援する意味を込めて」

上がりそうな銘柄を探している3人

テレビ東京の株価チャートテレビ東京の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)フルキャストの株価チャートフルキャストの株価チャート(1年:縦軸の単位は1000円)

土肥「私はテレビ東京(9411)ですね。第2位株主の糸山英太郎氏が売却意思を表明しているので、影響が大きいでしょう。ただ、7月5日の終値が前日と比べて5%以上下落しているので、ある程度反発すると見ています。

 それから人材派遣業のフルキャスト(4848)にします。7月5日時点で25日の移動平均の乖離率が8.66%なので、そろそろ反発してもいいのでは(根拠はなし)。あと、給与天引き問題で全額返還すると発表しました。どこまで業績に影響が出るかがポイントだと思います。とりあえず悪材料が出たので、市場は好感して上がってほしい」

ミクシィの株価チャートミクシィの株価チャート(1年:縦軸の単位は1000円)

高橋「2人ともすごいですね……。どうしよう。そういえば、ミクシィ(mixi) (2121)が新しいサービスをいろいろと出して好評のようです。携帯版もPC版も、どちらも精力的に新サービスを発表しています。携帯から利用するmixiモバイルを大幅リニューアルしたり(6月4日の記事参照)、専用アプリの「mixi station」に、写真のアップロード機能を付けたりしていました(6月29日の記事参照)。そういえば、サイト内の検索エンジンをgooから自社開発のものに変えた、なんてニュースもありましたし(7月2日の記事参照)、勢いのあるところを買います!

悩んだ末、3人が買った株の銘柄は以下の通りだ。

土肥

テレビ東京 4090円×200株=81万8000円

フルキャスト 16万2000円×1株=16万2000円

合計 98万円

真野

ファーストリテイリング 8,400円×100株=84万円

関西汽船 235円×500株=11万7500円

合計 95万7500円

高橋

ミクシィ 95万3000円×1株=95万3000円

合計 95万3000円


 さて3人が買った株はどうなるか? 次回13日(金)の結果をお楽しみに。まだまだ株取引では初心者の誠倶楽部メンバーだが、それぞれに考えて株を購入した。今回3人が買った銘柄や、買い方についてご意見・ご感想はこちらから。また記事へのトラックバックもお待ちしています。

今回学んだこと

 逆張り(ぎゃくばり):株価が下落傾向にある場面で買う投資手法の1つ。どこまで下落が続くか分からないリスクがある。一方「順張り」は、上昇している場面で買うこと。

 乖離率(かいりりつ):株価移動平均線と現在の株価がどれだけかけ離れているのかを数値化したもの。乖離率がある程度に達すると株価が転換するので、これを元に売買タイミングがつかめることがある。株価が移動平均線よりも下にあると、マイナスの数値になり、乖離率が大きくなるほど、割安感から買いが入りやすいという傾向がある。


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