毎週木曜日に掲載している、「郷好文の“うふふ”マーケティング」。先日、「気まぐれにプリンアラモード、それともひと筋にキムチ?」という記事を載せたところ、郷氏の個人ブログ「マーケティング・ブレイン」に、その記事の裏話が載っていた。
記事中に載せる写真を撮るために、郷氏はずいぶんプリンアラモードを探し回ったのだそうだ。しかし秋葉原の丸福珈琲店に行っても、万惣フルーツパーラーに行ってもありつけなくて、最終的に記事に載った写真は、プリンではなく“ババロア”アラモードだった。
「じゃあ、郷さんに代わって私がプリンアラモードの写真を撮ってこよう!」と思い立ち、先週末、買い物帰りにプリンアラモードを探しにいった。
おしゃれなカフェに、プリンアラモードがあるとは思えない。古めかしい喫茶店/珈琲専門店か、フルーツパーラーのようなところだろうとアタリを付け、駅ビルやショッピングセンターをぐるぐる歩き回ったのだが……いやぁ、ホントにないんですね、プリンアラモード。
1軒目の純喫茶、2軒目の珈琲専門店、いずれもメニューに「プリンアラモード」の文字はナシ。ケーキ屋さんならあるかと思ったのだが、そこにもなかった。4軒目の喫茶店には、パフェはあるがプリンアラモードは扱っていないようだ。
しかし5軒目、パルコの地下にあった渋〜いフルーツパーラーのショーウィンドウに「プリンアラモード」の文字を見つけた! 喜び勇んで店内に入り注文したところ、店員さんは肩をすくめて「ごめんなさい、さっき最後のプリンが出てしまって、プリンアラモードは作れないんです……チョコアイスとかでよければ作れますけど」
郷さんが味わったのとまったく同じ展開に思わず苦笑しながら「だったらいいです」と店を出たのだった。とはいえ、改めて考えてみたら、自分でもプリンアラモードなんてもう10年以上食べていない。プリンは今でも大人気なのに、プリンアラモードはどこに行ってしまったのだろう?
しかしプリンアラモードは、意外なところで生き残っていた。後日、複数のコンビニを回ってみたところ、当たり前のように見かけたのだ。ローソンでこそ見かけなかったが(たまたまかもしれない)、セブンイレブンもファミリーマートでもサンクスでも棚の目立つところに並んでいた。
価格は300円台後半のものが多く、どれもボリュームたっぷりの“がっつり”系。「男の××」とうたっている商品もあるようだ。プリンアラモードといえば、デパートの食堂で子どもが食べるモノ、というイメージはすでに過去のモノらしい。
昭和のデザート、プリンアラモード。喫茶店やパーラーからは姿を消したが、コンビニスイーツの主役として、平成の世を生きているようだ。
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