“秋葉原”から“アキバ”、そして……――変化する街を作る方法郷好文の“うふふ”マーケティング(2/3 ページ)

» 2008年09月11日 20時30分 公開
[郷好文,Business Media 誠]

なぜ信号機を廃止するといいのだろうか?

 それにしても、なぜ信号を廃止するといいのだろうか? 危険じゃないのか? 疑問が頭に浮かぶ。

 研修資料を読むと「全国に19万2000機の信号がある」とあり、1台あたりの設置・運用コストも記載されている。また、信号を廃止することで「規制よりも交通参加者の認識を高める」というEUの取り組みも紹介されている。そういうことか。

秋葉原とはこのエリア(左、Google Mapより引用)。秋葉原を6つのエリアに区切って考える(右)

 「外は雨だし、仮説を立ててから決め打ちで出よう」と、外に出る前にあらかじめ、廃止するメリットについて討議した。出た結論は「景観」「コスト」「回遊性」の3つ。後は歩きながら考えよう。

 私たちは反時計回りにF→C→B→A→D→Eと歩いた。以降の写真は当日の経路を別の日に撮影したもの。

 

FブロックからCブロックへ

 FブロックからCブロックのエリアは、秋葉原再開発のコアとなる部分だ。その昔、卸売市場がありゴッタ煮になっていたCブロックは、ヨドバシカメラができて別の街になっていた。この辺りはヨドバシカメラを訪れる人の車しか通らないため、交通量は少ない。2つほどの信号が即時廃止可能である。


 JRの高架をくぐり抜け、中央通りとの交差点へ向かう。UDXの一帯はムダな信号ばかりだ。再開発で信号を付けまくったが、不必要な場所ばかりにある。ふと上を見ると、電線地中化が実現されたおかげで、景観はかなりすっきりしていた。


 秋葉原にとって中央通りは“背骨”だ。高架を抜けた先、中央通りとの交差点は秋葉原の中心にあたる。この街の“交感神経”をつかさどるわけだから、交差点の信号は外せない。そういえばこの一帯は最新のアイテムが見つかるホットスポットエリアでもある。


 D・Eブロックでも相変わらずの雑踏が続くが、この背骨道路に面する大型店の不振のせいで背骨も曲がり気味。中央通りのBブロック側にはゲームセンターが軒を連ね、Aブロックの路地にあった部品屋はメイド喫茶になった。かつてDブロックにあった大型家電店やPC店は、廃業してしまったところが多い。

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