注文住宅 VS. 建売住宅はどちらが合理的?――住居スタイルで比べてみる3−2.住まいの選択、完全理解!

» 2008年10月20日 11時49分 公開
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 まっさらな土地に、自分の希望や好みに合わせて、1からオーダーすることができる「注文住宅」。その名の通り、外観や間取り、部材など、住宅を構成するさまざまな要素を自分で選ぶことが可能。設備はもちろん、ドアノブの色や形など、細かな内装まで好みに合わせてオーダーできます。

 しかし、1から希望で作ることができる反面、自分で決めなければならないことがたくさんあります。そのため、スタッフとの打ち合わせを重ねなければならないなど、費用はもちろん多くの時間も費やす必要があります。

 また、完成している物件を購入するのではないため、イメージ通りにできあがるのか、できあがったものが自分に合うのかなど、必ずしもカタログなどと同じ商品ができるとは限らないため、建ってみないと分からないといった心配要素もあります。しかし、モデルハウスの見学や、近年ではパソコンによる立体的なイメージ図を活用することなどで対策することはできるでしょう。

注文住宅の特徴

建売住宅はイメージがしやすく失敗や後悔などのリスクが少ない

 土地と完成した建物が1度に手に入る「建売住宅」は、実際に完成した物件を見て、触れて、検討することができ、物件そのものに加えて、周辺の環境や設備、内装など、具体的に検討することができます。プロの建築士により設計されているため、実生活が考慮された、素人では思いつかない斬新・確実なアイデアで作られていることも魅力の1つです。完成されている分、注文住宅とは対照的に、打ち合わせに時間を要する必要がなく、デザインや仕様に悩むことも少なくて済み、さらには価格が明確で費用を抑えることが可能です。

 しかし、多くの物件が施工済みとなるため、設計の自由度は低く、構造や仕様などに変化を持たせることは難しくなります。また、年齢層や家族構成など、幅広い人々がターゲットとなるため、デザインや仕様、構造などがスタンダードになりがち。こうした不満を解消するべく、近年ではキッチンやバス・トイレのグレードアップや、カラーの変更など、各種オプションの追加などで自分好みにセレクトできる物件が増えています。

 また、すでに建っているので、仮住まいをする必要がなく、すぐに引っ越したいという人にもお勧めです。

建売住宅の特徴

結局決め手は、時間・予算・手間をどこまでかけるか

 間取りや外観をはじめ、使用する建具、設備の色、デザインなど、ひとつひとつを自分で決められる注文住宅。趣味に没頭できる部屋が欲しい、要介護者がいるなど、趣味やライフスタイルに家を合わせることができます。しかし、スタッフと何度も打ち合わせをしながら決めていくため、時間や手間が必要になります。

 注文住宅は主に、ハウスメーカーが得意としている分野です。ハウスメーカーは、全国に営業拠点を持ち、施工実績を多く持っているのが特徴で、ある程度規格化されたブランド商品をメインとしています。部材の生産や工事がシステム化されているため、一定水準の性能が保証され、工期も短期間で終了します。

 また、注文住宅は工事経過を見ることができるので、品質や完成後は見ることのできない土台部分などを自分の目でチェックできます。

 一方、あらかじめ完成している物件の中から予算や立地条件、希望する設備など、自分の条件に見合ったものを選んで購入する建売住宅。外観や間取りなどの変更ができないため、100%満足できる家を選ぶのが難しい代わりに、手間や時間、費用などを抑えることができます。

 建売住宅は主に、限られたエリアで家作りを行なう工務店(ビルダー)が得意としています。工務店はいわば地域密着タイプで、ハウスメーカーにはないきめ細やかな対応力が魅力の1つです。設計から施工までのすべてを一貫して行い、施工主と大工などの距離が近いため、建売といってもプランの変更や完成後の不具合などによるメンテナンス・アフターサービスなどを迅速かつ柔軟に対応してもらえる傾向にあります。

個性は出せるか?

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