沖縄のEdyを下支えしているのは、地元ユーザーの積極的な利用だ。だが、その一方で県外からの観光客向けの加盟店でもEdy利用率は向上してきているという。
その代表的な例が、沖縄を代表するブランドの1つ「BLUE SEAL (ブルーシール)アイスクリーム」だ。
ブルーシールは1948年に米軍基地向けに乳製品を提供するフォーモスト社の工場から歴史が始まっている。その後、1976年にフォーモスト・ブルーシール社になり、沖縄のアイスクリームブランドとして広く定着した。現在は直営店舗でEdyに対応している。
「ブルーシール本店で見ますと、観光客と地元客の比率はおおよそ6対4です。Edyの利用率は1店舗あたり2000件/月といったところですね。当店では平均顧客単価が500円前後ですので、小額決済という部分でEdyとの相性はいいと思います」(フォーモストブルーシール 宣伝事業部 部長の具志堅全友氏)
Edyの導入は2004年4月に行っており、沖縄でも初期導入事例の1つになっている。
「Edy導入の狙いは『集客力の向上』です。その点ではANAマイルと連携しているEdyは、地元のお客様だけでなく、観光客にも訴求できるというメリットがあります。実際の導入効果も出てきていると感じます」(具志堅氏)
観光客の利用が多い店舗でのEdy導入は、ブルーシールだけではない。次に筆者が訪れたのが、沖縄最大のレンタカー事業者である「OTSレンタカー」だ。同社では県内に7店舗の拠点を用意しており、車両数・取り扱い数ともに県内ナンバーワンのレンタカー事業者。さらに今年は創業から50周年にあたる老舗でもある。
Edyを導入したのは2007年8月。利用者の付加価値を高めることで集客を狙うほか、「沖縄を度々おとずれる方々など、安定した客層への訴求に(Edyが)効果があると考えた」(沖縄ツーリスト レンタカー部門 営業本部 マネージャーの我那覇 秦司氏)という。
「Edyの利用件数は月間450件程度で、利用件数は伸びてきています。決済方法別で見ますと、全体の約5割が現金決済、3割がクレジットカードで、残りの2割がEdyという状況ですね」(我那覇氏)
レンタカー利用の場合、支払金額は最低でも数千円、利用期間が数日間に及べば数万円の支払いになる。また沖縄県外からの利用者が中心となるレンタカーで、Edyの利用率が2割というのは、かなり高いと見ていいだろう。また、沖縄のほかのEdy加盟店との違いとしては、「本土からいらっしゃるお客様は、(その場で)おサイフケータイでチャージして支払うという方が多い」(我那覇氏)ことだろう。
沖縄はEdy加盟店が多く、とても“Edyが使いやすく”感じる地域だ。そのため仕事などで度々沖縄を訪れる人は、Edyの利便性の高さを知っている。これがレンタカーなど沖縄訪問で欠かせない場所でもEdyの利用が活性化する背景にありそうだ。
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