新聞離れとは“夕刊離れ”のこと? 「読んでいない」が46.8%出版&新聞ビジネスの明日を考える

» 2009年03月12日 18時20分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 若者を中心に“新聞離れ”が進んでいると言われているが、実際のところどのくらいの頻度で読まれているのだろうか?

 朝刊を「毎日またはほぼ毎日」(66.9%)読むという人は3人に2人と、生活の中に浸透していることが、新聞通信調査会の調べで明らかになった。ただ、夕刊をほぼ毎日読むという人(27.2%)は4人に1人。さらに夕刊を「読んでいない」(46.8%)という人は半数に近づいており、“夕刊離れ”が進んでいるようだ。

 朝刊または夕刊を週1日以上読んでいる人(84.5%)に、新聞を読む理由を聞いたところ「習慣になっているから」が最も多く65.3%。次いで「自分が好きなときに読めるから」(48.5%)、「生活をする上で役立つ情報が多いから」(40.7%)と、新聞は日常生活の一部になっているようだ。

新聞を週に1日以上読んでいる人(左)、新聞を読む理由(右、クリックして拡大、出典:新聞通信調査会)

 ただ「習慣になっているから」と答えた人を年代別に見ると、70代以上は81.4%だったが、20代では33.8%。一方「自分が好きに読めるから」は20代以下(58.3%)がほかの年代と比べ多かったことから、若い人には新聞の手軽さが評価されているようだ。

 また新聞を読む時間は1日平均で29.3分。年代が下がるほど新聞を読む時間は少なく、20代では同16.8分と、全体平均と比べ10分以上も短かった。この結果について新聞通信調査会は「若い年代での新聞離れ、活字離れが見てとれる」としている。

 訪問による調査で、18歳以上の男女1906人(男性47.7%、女性52.3%)が回答した。調査時期は2008年12月。

新聞を読まない理由

 新聞を読んでいる人(84.5%)は、どの記事に満足しているのだろうか? 最も多かったのは「テレビ・ラジオ欄」で71.4%と、「テレビ、ラジオといったほかのメディアへの窓口として新聞を利用する人が多い」(同)。このほか「社会」「スポーツ」(いずれも57.8%)、「地域」(52.6%)、「政治」(49.0%)と続いた。

 男女・年代別で見ると、政治、経済といった“硬め”の記事は女性よりも男性の方が満足している人が多い。またテレビ・ラジオ欄の満足度は、どの年代でも7割前後と幅広い年代で満足しているようだ。

新聞を読まない人(左)、新聞を読まない理由(右、クリックして拡大、出典:新聞通信調査会)

 新聞を週に1日未満しか読まない人(14.5%)に、その理由を聞いたところ「テレビの情報で十分だから」が57.8%でトップ。次いで「インターネットの情報で十分だから」(40.1%)と、「新聞以外のメディアへの関わりが新聞離れの要因となっている」(同)。年代別で見ると、30代以下は「テレビの情報で十分だから」と「インターネットの情報で十分だから」との回答率が高く、「若い年代の新聞離れはテレビだけでなく、インターネットの浸透とも関係が深い」(同)と分析している。

 またニュースなどの情報を得るために、自宅で利用している媒体を尋ねると「テレビ」(89.3%)、「新聞」(64.1%)が目立った。このほか「インターネット」(27.1%)、「雑誌」(14.1%)、「ラジオ」(13.7%)だった。年代別に見ると、自宅では年代が高くなるほど「新聞」が多くなり、「インターネット」が少ない。自宅以外ではインターネットの利用が多いが、携帯電話は移動中でも手軽に情報を入手できることもあって、若い人を中心に利用者が多いようだ。

情報を得るために利用している媒体(出典:新聞通信調査会)

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