中国GDP発表を受けた失望感で、上げ幅を縮小清水洋介の「日々是相場」夕刊(1/2 ページ)

» 2009年04月16日 16時12分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

市況概況

日経平均 8755.26円 △12.30円
売買高 26億0479万株
日経平均先物 8750円 △10円
売買代金 1兆5628億円
TOPIX 832.04 ▼3.21
値上がり銘柄 729銘柄
東証マザーズ指数 315.08 ▼1.23
値下がり銘柄 843銘柄
日経ジャスダック平均 1031.37円 ▼0.49円
変わらず 127銘柄
騰落レシオ 128.23% ▼6.27%

日経平均

米国景気底入れへの期待感から始まったものの、目先的な過熱感や9000円を超えたことでの達成感に中国GDP発表を受けた失望感で上げ幅を縮小

 米国市場が景気底入れ期待もあってダウ平均が大幅高となったことや為替が円安に振れたこともあり、買い先行となりました。先物を筆頭に買い気配から始まるものの多く、寄り付きの買いが一巡した後も輸出関連銘柄への買戻しやディフェンシブ銘柄の押し目買いで指数を押し上げ、心理的な節目と見られる9000円を超える水準での動きとなりました。中国のGDP(国内総生産)発表を控えて、景気の底堅さ、経済対策の効果なども期待され、中国関連銘柄なども買われました。ただ、外国人売買動向(素性筋推計、外資系11社ベース)が大幅売り越しと伝えられたことや目先的な過熱感から9000円を超える水準では上値も重くなりました。

 前場の引けに中国のGDPが発表されると、想定の範囲内ではあったのですが、期待したほどでもなかったことから失望感で為替が円高に振れ、後場は売り先行の始まりとなりました。上げ幅を大きく縮小して寄りついた後も戻りの鈍さや一段の円高から一時軟調となる場面があるなど今度は一転して売り優勢となりました。最後はさすがに目先筋の買戻しもあり、小幅高となりましたが、失望感や達成感からの投売りも目立ちました。

 小型銘柄は朝方からまちまちの動きでしたが、後場に入ると軟調なものが目立ちました。東証マザーズ指数、二部株指数、日経ジャスダック平均と揃って軟調となりました。先物も朝方はまとまった売り買いが多く、指数を押し上げる要因となっていたのですが、後場に入ると投売りやヘッジ売りがかさみ、大きな下落となる要因となってしまったようです。目先的な達成感もヘッジ売りがかさむ要因となったものとも思います。

 前場と後場で雰囲気が全く変わりました。「何をそこまで期待していたのか?」と言う印象ですが、中国のGDP発表での失望感はきっかけに過ぎず、目先的な過熱感や9000円をつけたことでの達成感が主な売りの要因ではないかと思います。一方で今度は非鉄銘柄大幅高となるなど、まだまだ出遅れ銘柄や目先を変えるような循環物色の芽は残っており、高値からの下落を考えると暗くなりますが、そう悲観するほどでもないものと思います。

テクニカル分析

日経平均

NYダウ

 RSIには上値余地はあるのですが、ストキャスティックスは依然として高値圏からの調整となっており、まだ上値の重い展開が続いているようです。それでも日々線はしっかりと転換線にサポートされるなど底堅さも見られます。基準線や移動平均との乖離も大きく、目先的な過熱感は否めず上値の重い展開が続きそうです。

TOPIX

NYダウ

 軟調となりましたがとりあえず転換線にサポートされています。遅行線も雲を意識した水準で下げ渋っているようにも見え、ストキャスティックスやRSIは調整感が強いのですが、目先的な過熱感を冷ますような上値の重い展開が続くのでしょうが、底堅さも見らるといった日柄調整となるのではないかと思います。

円相場

NYダウ

 遅行線は日々線にサポートされていますが、RSIは上値余地はあるものの調整を示唆、ストキャスティックスも高値圏から調整となっており、まだまだ遅行線が日々線のサポートを確認するような動きが続くのでしょう、基準線が上昇となれば、上値を試す動きとなって来るのでしょう。

銘柄ピックアップ

市況の回復期待から非鉄株が高く、円高を嫌気して輸出株の一角が安い

関東自動車(7223) 1084 △35

 2009年3月期の連結純利益が最終赤字を見込んでいたものが、一転、黒字となったと報じられ、経営環境が厳しい自動車業界にあって上昇修正となったことを好感、大幅高となりました。

良品計画(7453) 3770 ▼250

 2009年2月期の連結経常利益が前期比7%減と8期ぶりの減益となったことを嫌気して朝方から売りが先行、大幅下落となりました。

NECエレクトロニクス(6723) 2910 △290

 半導体国内2位のルネサステクノロジと経営統合する方向で最終交渉に入った、と新聞で報じられ、半導体業界の厳しい業況のなかで評価できるとの声も多く、ストップ高比例配分となりました。

トヨタ(7203) 3710 ▼90

 米国景気の底入れ感が強まり、為替も円安に振れたことから買い先行となりましたが、中国のGDP(国内総生産)が芳しくなかったことや円高、買い戻し一巡などから一転売りが優勢となり、軟調となりました。

住友金属鉱山(5713) 1085 △52

 中国関連銘柄の側面や海外市場で同地金やニッケルなどの先物価格が急騰しており、好感する動きから大幅高となりました。

ブリヂストン(5108) 1422 ▼23

 ゴムの市況が上昇しているということでコスト上昇要因とされ収益回復が遅れるのではないかとの懸念から目先筋の売りに押されて軟調となりました。

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