編集長はゴルファーと同じで、どんなにいいスイングをしようが、結局はスコアはいくつだったの? という話なのだ。さきほどから言われている『週刊新潮』の誤報問題※1と『週刊現代』の八百長記事※2……正直言って、(2つとも)あまり売れなかった。たぶん(編集長は)売れると思ったのだろう。その気持ちはよく分かる。
実は編集長をやっているときの自分は“コンビニ症候群”だった。町でコンビニを見つけると必ずお店に入って、『週刊ポスト』と『週刊現代』の売れ残っている数を数えていた。だからなかなか会社に着かなかった(笑)。ローソンやセブン-イレブンなどに足を運び、一喜一憂していたのだ。
多くの編集長は毎号、毎号どうやって雑誌を売るか、このことで頭の中が一杯だと思う。ただ、結果責任というのを負わなくてはいけない。『週刊現代』の八百長記事について言うと……さきほど佐野さんが「八百長記事で雑誌が売れる時代ではない」と言っていたが、僕もそう思う。
『週刊ポスト』を無視していたとは思わないが、相撲の八百長問題に関して、我々は20年以上追いかけてきた。大キャンペーンを張ってやってきた。僕が新入社員のときに、当時の力士が実名で「自分は(八百長を)やった」と言っていた。(当時の)『週刊ポスト』の編集長は相撲協会から刑事告訴された。大鳴戸親方も、実名で「俺たちはやった」という記事を書いている。
しかし大鳴戸親方が亡くなられたことで、刑事告訴はなくなった。つまり読者は「相撲に八百長があることを知っている」のだ。読者をサプライズさせるような記事を書かないと、雑誌は売れない。
ただ……八百長記事を書いただけで、なぜ4000万円以上も支払わなければいけないのか。それは裁判官が世の中のことを知らなさ過ぎるだけ。ハッキリ言って、あの記事は訴えられるようなものではない。居酒屋で例えると、酒のつまみのようなもの(笑)。訴える方がバカだし、真面目に裁判をする裁判官もオカシイ。
もし僕が裁判官だったら、八百長記事に対しての支払い命令は「4000円でいい」という(会場内笑い)。4000円あればつぼ八やワタミで、朝青龍と付け人と裁判官……3人で祝宴を挙げられる。裁判官も居酒屋で飲んでみたら、相撲の八百長について、一般の人たちがどう思っているのかが分かるだろう。あんなのバカバカしくて、裁判で判決を出している状況ではない。勝手にしなさい。もっと面白い取り組みをしなさい――となるだろう。
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