決定的な材料に乏しく、週末の手仕舞いの売り買いが交錯し、まちまち清水洋介の「日々是相場」朝刊(1/2 ページ)

» 2009年06月08日 08時24分 公開
[清水洋介,リテラ・クレア証券]

<NYダウ>8763.13△12.89

<NASDAQ>1849.42▼0.60

<為替:NY終値>98.6-98.66

決定的な材料に乏しく、週末の手仕舞いの売り買いが交錯し、まちまち

 注目された雇用統計は非農業部門雇用者数は昨年9月以降で最も小幅なマイナスとなり、予想を大きく下回ったものの、失業率は1983年7月以来の水準となったことで、消化しきれず、週末の手仕舞い売り、手仕舞いの買い戻しが交錯するなかで指数はまちまちとなりました。商品市況も原油価格が一時値を上げる場面もあったものの利益確定売りに押されるものが多く、連れて石油株や金鉱株なども利益確定売りに押されるものが多くなりました。一方で、雇用の悪化も限定されたことから、景気回復に対する期待も高まり、景気敏感銘柄や小売株などが買われ、指数の下支えとなりました。

 景気底入れ確認とまでは見られるものの、回復の確信が持てないような感じです。商品市況の好転に惑わされて、経済指標にも疑心暗鬼となっており、利益は早めに確保しておこうという動きのようです。出遅れ銘柄や割安感が出たものは買われるのですが、目先的な過熱感もあって、最後まで買い切れないのでしょう。それでも疑心暗鬼ながらも売り叩くような動きは少なく、センチメントは上向いていることには違いないようで、底堅い展開が続くものと思います。

 個別には景気底入れ感からボーイングやユナイテッドテクノロジーといった大型、景気敏感銘柄が高く、ウォルマートストアーズなども堅調となりました。半導体売り上げに対する慎重な見方が出たことでインテルなど半導体関連銘柄の一角は軟調、利益確定売りに押され、JPモルガンチェースなど金融株も安く、商品市況の上昇が一服となったことから、シェブロンなど石油株やニューモントマイニングなど鉱山株も軟調となりました。

本日の相場

日経平均

 先週末の日本市場は米国株高や円安を受けて買い先行で始まったものの、持高調整の売り買いが交錯、非常に狭い値幅での動きが続きました。最後は買い戻しもあって大幅高となったのですが、値上がり銘柄数と値下り銘柄数がほぼ同じと言う状況で、大幅高ながらも方向感のない感じでした。目先的な過熱感も強く、上値を積極的に買い上がる動きにはならず、かといって売り叩くだけの材料もない、と言うことのようです。

 週末の米国市場はまちまちとなりましたが、本日の日本市場は為替が円安に振れたことで指数に影響の大きい輸出関連銘柄への物色も期待され、堅調な展開となりそうです。先週末も既に、そうした動きとなっていましたが、内需関連銘柄の利益確定売り一巡で底堅さが見られ、輸出株が物色されれば指数はしっかりと上昇してくるものと思います。商品市況も米国市場では上げ一服とはなったものの引き続き強含みの展開には変わりなく、非鉄株や商社株なども底堅さは見られるものと思います。

 底入れ確認となったところで目先的な過熱感や達成感から上値の重い展開が続いていますが、底堅さが確認されれば押し目買い意欲も強く、指数は高止まりとなって来るのではないかと思います。心理的な節目でもある10000円と言う水準を目指す動きには変わりないのでしょうが、目先的な過熱感は依然として強く、いったん10000円を窺うような場面があっても達成感が出てくるものと思います。SQ(特別清算指数)算出に絡むヘッジなどの動きで大きな動きとなって来る可能性もあり、先物やオプションの動きも指数を大きく動かす要因となって来るかもしれません。

本日の注目点

◇5月のマネーストック(日銀)

◇5月の景気ウオッチャー調査(内閣府)

◇5月の貸出・資金吸収動向(日銀)

◇5月の台湾貿易統計

◇4月の国際収支(財務省)

◇決算・4月期:ザッパラス(3770)

◇決算・11−4月期:クミアイ化学工業(4996)

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