コラム
» 2009年07月06日 07時00分 公開

それゆけ! カナモリさん:スキマがない……マクドナルドのプロモーション戦略 (2/3)

[GLOBIS.JP]

日本バラ色計画

 ニュースリリースによると、“バラ色でいくぜ”という「BIG MOUTH!」を掲げ「クォーターパウンダー」を食べて、不況で暗くなっているニッポンを明るく幸せな“バラ色”に塗り替えていこうという計画だという。

 まぁ、平たくいえば、「クォーターパウンダーを食べましょう」と言っているだけなのだが、その持って回ったやり方が出色なのだ。

 まずはキャンペーンオープニングイベントで、10〜20代女子に大きな影響力を持つ人気モデルの益若つばさとタレントの桃華絵里が登場。「バラ色缶バッチ」と「バラ色Tシャツ」を披露した。

 「クォーターパウンダー・チーズ」バリューセットまたは「ダブルクォーターパウンダー・チーズ」バリューセットを購入すると、もれなくバラ色缶バッジがもらえ、スクラッチを削って当たりが出れば、バラ色Tシャツがもらえる。

 さらに安室奈美恵を起用したCM・バラ色でいくぜ宣言「VS.」編を展開。「ジブンに勝ちまくれ」「進化せよ」「ぜんぶ笑え」というメッセージ。そして、誰もいないライブ会場の静まり返ったステージ上で、2人の安室奈美恵さんが対峙(たいじ)。次の瞬間、強烈な頭突きを同時に繰り出したかと思うと、次々とド派手な必殺技を決め合い、最後は勝った方の安室さんがカメラに向かってキスをして立ち去る、というストーリー展開。超クールだ。

 このバラ色キャンペーン、明らかに女子狙いだろう。高価格メニューであるクォーターパウンダーは、低価格メニューの利益率を補完するマージンミックスの要だ。しかし、メイン購買層は20代男性、サブが30〜40代の男性。確かに女子には手を出しにくいボリュームを感じさせる。そこでこの、バラ色だ。

 「バラ色Tシャツ、って本当にこんなの着られるの?」と大人の男性から見ればちょっと躊躇しそうなデザインだが、そこは夏を迎えるこの季節。クォーターパウンダーにノリで手を出す若い女性、特に学生の心理を突いているといっていい。

 部活に、夏フェス、海に山に、花火に祭りになんやかんや。そんな楽しい夏の日々に着用すれば仲間内でウケること間違いない。さらに、シャツが欲しくて、食べまくるほどに貰えるバッチ。かばんに無数についたピンクのバッチもまた、ウケる。「なにそれ。あんた食い過ぎだよ!」というコミュニケーションも設計されているように思える。

 黙っていても食べてくれる男性層は置いておいて、クォーターパウンダーにハマッてくれそうな元気な女子のハートをつかむ戦略が「バラ色」なのではないか。無論、その女子につられて一緒に食べる男子の取り込みも狙っているのは間違いないが。

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